MagSafeは安全なのに、おじさん世代は「毎回ビビってる」――ブラウン管とフロッピーの記憶

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月11日 更新
MagSafeは安全なのに、おじさん世代は「毎回ビビってる」――ブラウン管とフロッピーの記憶

スマホの背面にパチッとくっつく充電器、カードケース、三脚アダプター。
MagSafe(マグセーフ:iPhone背面の磁石でアクセサリーを装着する仕組み)の磁石ガジェットは、今やスマホ周辺グッズの定番です。
ところが、このごく普通の便利さに「毎回ビビってる」と書いた人がいます。

投稿したのは@Redpanda76さん。
ブラウン管テレビ、フロッピーディスク、カセットテープ、MDといった磁気に弱い機器と長く付き合ってきた世代ほど、電子機器に磁石を近づける瞬間に一瞬身構えてしまう――という感覚を言葉にしたものでした。

この記事では、その警戒心がどこから来ているのか、そしてMagSafeが本当に昔の機器と同じ心配をしなくていいものなのかを、公式情報をもとに確かめていきます。
スマホケースに磁石付きパーツを検討している人にも関係のある話です。

先に結論をまとめると:
– ブラウン管やフロッピーが磁石で壊れたのは、どちらも「磁気そのものに情報を記録する仕組み」だったからです
– iPhoneの記憶領域はフラッシュメモリ(電気でデータを保持する部品)で磁気を使わないため、MagSafeの磁石でデータが消える心配は基本的にありません
– 一方でクレジットカードの磁気ストライプやICカードは今も磁気の影響を受けるため、注意が必要な場所は残っています

「毎回ビビってる」投稿が集めた反応

この投稿は、755,143回表示され、14,286件の「いいね」と3,064件のリツイートを集めました。

2026年10月10日の夜(日本時間)の投稿で、機器名を具体的に並べただけの一文です。
それでも同じ世代の記憶を刺激したからこそ、この数字につながったとみられます。

ただ、この投稿自体は「ビビる」という感覚を書いただけで、MagSafeが実際に安全かどうかには触れていません。
そこで、磁石と電子機器の関係を仕組みから確かめていきます。

調べて分かったこと

なぜブラウン管テレビは磁石で色がおかしくなったのか

ブラウン管(CRT:電子ビームを飛ばして画面に映像を映す仕組み)は、内部の電子ビームを磁界で曲げて蛍光体に当てることで映像を表示しています。
そこに外から磁石を近づけると、電子ビームの軌道そのものが乱れ、色がにじんだりムラになったりする現象が起きます。
さらに厄介なのは、画面内部の金属部品(シャドウマスクなど)が磁石に長くさらされると「帯磁」してしまい、磁石を離した後も歪みが残ることです。
これを打ち消すために、ブラウン管テレビには「デガウス(消磁)」という機能が内蔵されていました。
電源を入れた瞬間に画面がブワッと揺れるあの動作がデガウスです。

フロッピーディスクが磁石で一瞬でデータが消えるのはなぜか

フロッピーディスクは、磁性体を塗ったプラスチックの円盤に、磁気ヘッドで磁界の向きを変えてデータを書き込む記録メディアです。
読み出しも、その磁界の向きの変化を検出する仕組みなので、外から十分に強い磁石を当てれば、記録していた磁界の向きそのものが上書きされ、データは元に戻せなくなります。
この「どれくらいの強さで消えるか」を示す指標が保磁力で、業務用の磁気消去装置は保磁力を上回る強さの磁場を一瞬でかけ、一括でデータを消す仕組みを使っています。

MagSafeやスマホに磁石をつけても本当に大丈夫なのか

ここが今回の投稿の核心です。
iPhoneの記憶領域(ストレージ)はフラッシュメモリという部品で、データを磁気ではなく電気的な状態として保持しています。
ブラウン管やフロッピーのように磁界そのものに情報を記録しているわけではないため、MagSafeの磁石をかざしてもiPhone本体のデータが消えることは基本的にありません。
Appleのサポートページでも、MagSafe充電器とiPhoneの間にクレジットカードやパスポートなどを挟まないよう案内されています。
理由はiPhone側ではなく、カードやICチップ側の磁気ストライプ・RFIDが影響を受ける可能性があるからです。
昭和・平成の機器は「本体が磁気で壊れる」側でしたが、今は「本体は平気だが、一緒に持ち歩く磁気カードの方が危ない」側に立場が変わっています。

Shiritomo GADGET編集部の考察

今回の投稿はリツイート3,064件に対し、リプライは48件でした。
これは「返信」ではなく「わかる」という共感だけで広がった可能性を示す数字とも読めます。
反論や議論ではなく、同じ世代が自分の記憶と重ねてボタンを押した結果だと考えられます。
こうした世代共通の生活実感は、新製品の仕様紹介よりも拡散力が強く出やすいジャンルです。
磁石ガジェットを扱う側にとっては、安全性を説明する際に「昔のブラウン管やフロッピーとは仕組みが違う」という対比を添えるだけで、理解と安心感を同時に伝えられる余地がありそうです。

まとめ

磁石ガジェットへの警戒心は、ブラウン管やフロッピーが実際に磁気で壊れていた時代の記憶に根ざしたものでした。
MagSafeはその記録方式そのものが違うため本体への心配は小さい一方、磁気カードへの注意だけは今も必要です。

さらに深掘りしたい方へ

Godox A2、iPhone用キセノンフラッシュが登場Godox A2、iPhone用キセノンフラッシュが登場――「いつものスマホ写真に、光で新しい表情を」GodoxがiPhone用のMagSafe対応キセノンフラッシュ「A2」を発表しました。

MagSafeとカードの関係については、Apple公式:iPhoneをワイヤレスで充電する方法で詳しく案内されています。
フロッピーディスクの記録方式については、フロッピーディスク(Wikipedia)も参考になります。