Threads利用時間が前年比130%増、電通デジタルが企業向け運用サービスを開始
テキスト中心のSNS「Threads」の国内アクティブユーザーの総利用時間が、前年比130%に伸びている。
この数字を背景に、電通デジタルが2026年10月5日、企業のThreads活用を支援する「Threadsアカウント運用サービス」の提供を始めた。
SNS担当者・マーケターにとっては、「次に手を広げるべきプラットフォームはどこか」を考えるうえで無視できない動きです。
先に結論をまとめると:
– Threadsの国内総利用時間は前年比130%増。
電通デジタルがMeta日本法人(Facebook Japan)と協業し、企業向けの運用支援サービスを10月5日に開始した
– サービスは「戦略設計・基盤構築」「コンテンツ企画」「Metaとの協業による運用高度化」の3本柱で、炎上対策まで含めて一括支援する
– Threadsは他のSNSと違い、ユーザー同士の会話が起点でコミュニティが形成される設計のため、X・Instagramとは別の運用方針が必要とされている
何が起きたのか
電通デジタルは、Meta日本法人であるFacebook Japan合同会社と協業し、「Threadsアカウント運用サービス」を2026年10月5日より提供開始しました。
企業がThreadsを使う際の戦略設計から、実際の運用改善までを一括でサポートするサービスです。
サービスの柱は大きく3つあります。
1つ目は「戦略設計と基盤構築」。
ターゲット設定やKPI(重要業績評価指標)の設計、他プラットフォームとの役割分担の整理、運用フローの整備に加え、炎上対策を含めた安全な運用基盤づくりまでを支援します。
2つ目は「コンテンツ企画・運用支援」。
Threadsユーザーの利用傾向やアルゴリズムを踏まえたコンテンツを企画・制作し、継続的に改善提案を行います。
3つ目は「運用高度化」。
Metaとの協業によって最新情報やベストプラクティスを素早く反映し、コメント分析ツールを使って生活者のインサイト(本音や潜在的な関心)を把握する仕組みです。
このサービス開始の背景にあるのが、冒頭で触れた「国内アクティブユーザーの総利用時間が前年比130%増」というデータです。
電通デジタルはこの成長を、企業が新たな顧客接点を得るチャンスと位置づけています。
ただ、利用時間が伸びているというだけで、企業がすぐに参入して成果を出せるわけではありません。
そこで何が必要になるのか、もう少し深く見ていきます。
調べて分かったこと
ThreadsはXやInstagramと何が違うのか?
業界メディアのWeb担当者Forumの報道によると、Threadsの特徴は「コミュニティがユーザー同士の会話を起点に形成される」ことにあるといいます。
Xのように拡散・速報性で盛り上がるプラットフォームや、Instagramのように画像・動画の見栄えで評価されるプラットフォームとは異なり、Threadsは会話のやりとりそのものがコンテンツの中心になりやすい設計です。
この違いが、電通デジタルのサービスで「他プラットフォームとの役割整理」が最初のステップに置かれている理由です。
X運用のノウハウやInstagram運用のノウハウをそのままThreadsに持ち込んでも、同じようには機能しないということでしょう。
企業はThreadsの運用をどこから始めればいいのか?
電通デジタルのサービス内容を見る限り、企業がThreadsに参入する際の最初の壁は「何を目的にするか」の整理にあるようです。
サービスの1本目の柱が、売上やフォロワー数ではなく「ターゲット設定」「KPI設計」「他プラットフォームとの役割分担」から始まっているのは、Threadsを単独で評価せず、既存のSNS運用全体の中でどう位置づけるかを先に決める必要があるからだと考えられます。
もう一つ注目したいのが「炎上対策の整備」が基盤構築の段階に含まれている点です。
会話起点でコミュニティが形成されるということは、企業の発信に対して予想外の角度からコメントが集まりやすいとも言えます。
コンテンツを作る前に、炎上時の対応フローを決めておく必要がある、という考え方は、他のSNS運用にも通じる教訓です。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
今回の発表で実務に落とし込めることは2つあります。
1つ目は、Threadsへの参入を検討している企業は、まず「Xでやっていることの延長」として捉えないこと。
会話起点の設計である以上、速報性や拡散力で評価するKPIを持ち込むと、成果が出ていないように見えてしまう恐れがあります。
2つ目は、炎上対策を後回しにしないこと。
コンテンツ企画よりも先に、コメント対応や炎上時のフローを決めておく順番が、今回のサービス設計からも読み取れます。
電通デジタルのような大手代理店がMetaと直接協業してサービス化するのは、プラットフォーム側が企業の参入を本気で後押ししている局面だとも解釈できます。
Instagramが企業向けショッピング機能を強化した際も、同様に代理店経由の支援サービスが広がった例があったとみられ、Threadsも同じ道をたどる可能性があります。
まとめ
Threadsの国内利用時間が前年比130%増という伸びを背景に、電通デジタルがMetaと協業した企業向け運用サービスを開始しました。
会話起点のコミュニティ設計という他SNSとの違いを踏まえた運用方針が、今後Threadsに参入する企業の分かれ目になりそうです。