X-Twitter 読了 7 分

「スクイーズで、酒は飲めるんだよ」──ドンキ商品が前年比4000%増、Xで再燃した理由

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月23日 更新
「スクイーズで、酒は飲めるんだよ」──ドンキ商品が前年比4000%増、Xで再燃した理由

ドン・キホーテのある売り場で、2026年7月の販売個数が前年同月比で約4000%に伸びました。
伸びたのは家電でも食品でもなく、握るとゆっくり沈み込み、じわっと元の形に戻る感触が特徴の「スクイーズ」と呼ばれる小さな玩具です。
X(旧Twitter)でも、触った感想や購入報告を書いたポストにいいねが1000件を超える現象が相次いでいます。
SNSで何かが急に売れ始めたとき、その火種がどこにあるのかを知っておくと、次に自分のアカウントで似た流れをつかむヒントになるはずです。

先に結論をまとめると:

  • ドン・キホーテのスクイーズ販売数は2026年7月、前年同月比で約4000%に急増しました(日経クロストレンド報道)
  • Xでは購入・使用感を書いたポストが相次ぎ、いいねが1000件を超えるものが複数見つかりました
  • メーカーは再流行のきっかけをASMR動画と分析していますが、要因を一つに絞り切れるわけではありません

いいねが伸びているのはどんな投稿か

Xで実際に伸びていたのは、派手な自慢投稿ではなく、触った感想を素直に書いたポストでした。
「スクイーズもみもみするの気持ちいいけど、握力トレーニング的な筋力疲れを感じる」という、ごく個人的な戸惑いがいいね1000件を超えて広がっています。

ただ、この1件だけでは「たまたま伸びた投稿」なのか、実際に売り場でも動きがあるのかまでは分かりません。
そこで、報道されている販売データを確認してみました。

ドンキの売り場で本当に何が起きているのか

前年比4000%はどれくらい特別な数字か

日経クロストレンドが2026年9月7日に配信した記事によると、ドン・キホーテでの2026年7月のスクイーズ販売個数は、前年同月比で約4000%に達したと明記されています。
同記事はあわせて、スクイーズがこれまでにも複数回ブームを経験してきた玩具だと紹介しており、今回が初めての流行ではないことがうかがえます。
詳しい分析部分は有料会員限定のため、この記事では無料で確認できた事実だけを紹介しています。

なぜ今また火がついたのか

再流行の理由について、玩具ブランド「Buzzroom」を展開する株式会社nomad’sは、2026年8月開催の「東京おもちゃショー2026」の取材でASMR動画(音や感触を楽しむ動画ジャンル)をきっかけに挙げたと報じられています。
握って戻る音や質感を撮った動画がTikTokやYouTubeで広がったことが人気に火をつけた、という見立てです。
ただし、これはメーカー1社の分析であり、流行の要因をこれだけで断定できるわけではありません。
実際、Xでは商品レビューというより、笑いを誘う小ネタとして言葉が使われている投稿も目立ちます。

「スクイーズで、酒は飲めるんだよ」という一言を添えたポストも、2600件を超えるいいねを集めていました。

深刻な情報ではなく、あくまで軽い一言が伸びている点は、この言葉が「ネタとして使い回しやすい状態」に入っていることを示しています。

5年前の動画がなぜ今また伸びているのか

スクイーズをめぐる投稿の中には、5年ほど前に公開されたとみられる動画への反応も混ざっていました。
赤ちゃんの顔をアップで写した動画に対し、投稿者は「これもう5年くらい経ってるけど いまだに飽きない。
伝説の動画」とコメントしています。
なお、この動画がスクイーズ誕生のヒントになったという部分は投稿者本人の推測であり、事実として確認されたものではありません。

古い投稿が今になって伸び直すのは、キーワード自体への関心が一時的に高まったタイミングでよく起きる現象です。
日経クロストレンドの記事が「これまでにも複数回のブームを経験してきた」と位置づけている点とも重なります。

スクイーズは自分でも作れるのか

実際、スクイーズという言葉は子どもの生活にも入り込んでいるようです。
ある投稿では、娘が「まるくてぷにぷにな物ってなーんだ」というクイズを出し、父親が思わず「スクイーズ?」と答えてしまうやり取りが紹介されていました。

正解は「グミ」でしたが、大人が真っ先に連想する単語になっている点が興味深いところです。
実はスクイーズは、買って楽しむだけでなく手作りする遊び方も以前から一定数あります。
100円ショップで買えるスポンジや粘土を削ったり色を塗ったりして、自分だけの質感を作る動画は今回のブームと関係なく投稿され続けている分野です。
すぐに消費するのではなく、自分の手で試行錯誤する楽しみ方が根付いていることも、この玩具が一過性で終わりにくい理由の一つと言えそうです。

Shiritomo編集部の考察:伸び方には3つの型がある

今回紹介した4件の投稿を並べると、伸び方が三種類に分かれていることが分かります。
「もみもみ気持ちいいけど疲れる」のような感想投稿は、共感と疑問形の言い回しでリプライを稼ぐタイプ。
「酒は飲めるんだよ」のような一言ネタは、他の言葉に置き換えても成立するテンプレート型
そして5年前の動画のように、キーワードへの関心が再燃したタイミングで過去の投稿ごと伸び直すタイプです。
SNS運用の観点では、テンプレート型は自社の商品名や固有名詞を当てはめるだけで模倣拡散を狙えるためコストパフォーマンスが高く、キーワード再燃型は「過去の自社投稿やユーザー投稿がいつ再浮上してもおかしくない」という前提で、古い投稿を定期的に掘り起こす価値があることを示しています。
単発のバズを狙うより、こうした型を見極めて自社の言葉に置き換えるほうが再現性は高いはずです。

まとめ

スクイーズの再流行は、ドンキの販売データという裏付けと、Xでの軽いネタ投稿という広がり方の両方がそろって成立していました。
報道されている数字と実際の投稿を突き合わせて確認する姿勢が、話題の実態を見誤らないための近道になりそうです。

さらに深掘りしたい方へ

300個・月10万円・リボ払い——TikTok発「スクイーズ沼」が映す衝動買いの設計図300個・月10万円・リボ払い——TikTok発「スクイーズ沼」が映す衝動買いの設計図20代女性がスクイーズに300個・月10万円超を費やした告白から、TikTok ShopとASMR動画が後押しする衝動買いの構造を分解した記事。