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「視線を感じると思ったら、牛乳月間のPRでした」——農水省の手作り動画が60万ビューを突破した理由

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月6日 更新
「視線を感じると思ったら、牛乳月間のPRでした」——農水省の手作り動画が60万ビューを突破した理由

省庁の公式アカウントといえば、きれいに整った告知文か、よそよそしいプレスリリースの転載。
そんなイメージが大きく崩れた瞬間がありました。

6月5日、農林水産省の公式Xアカウント(@MAFF_JAPAN)が一本の短い動画を投稿しました。
窓ガラスに白いスケッチで描かれた牛がじっとこちらを見つめてくる。
気になって近づいてみると、牛乳パックを後ろ手に隠す。
そして最後に現れるのは、牛の被り物をした省の職員です。

「視線を感じると思ったら、牛乳月間のPRでした。」

それだけのテキストと、絵文字の牛と牛乳パックの羅列。
それがたった1日で60万ビューを超え、7800件以上のいいねを集めました。
SNS運用の仕事をしていると、「こういうコンテンツが作れたら」と感じてしまうような、あっさりとしたバズです。

「ちゃんとした動画」を超えた、手作りの説得力

この動画に大きな制作費がかかっているようには見えません。
スケッチは窓ガラスへの手描き、牛の被り物は購入品か手持ちのもの。
それがむしろ、多くの人の心を掴みました。

Xでは「行政のこういうのが欲しい」「笑顔になれた」「センスがいい」という声が相次ぎ、鈴木憲和農林水産大臣自身も「よく考えついたなぁ」と引用投稿しています。
省内でも評判になっているようで、組織全体で「乗っかっている」雰囲気が伝わってきます。

農水省の公式Xで話題になった投稿はこちらです。

SNSマーケティングの現場でよく語られる考え方に、「完成度より共感度」があります。
高品質な映像よりも、「これ、自分も思ってた」「こんな人がいるんだ」と感じさせるコンテンツのほうが拡散されやすい、というものです。
今回の動画はその典型で、手作り感そのものが「人間がいる」証明として機能した と言えるでしょう。

牛乳月間とは何か、なぜPRが必要なのか

今回の動画が投稿された6月は「牛乳月間」です。
一般社団法人Jミルクが定めたもので、6月1日の「牛乳の日(World Milk Day)」に合わせて、全国で58のリアルイベントと20以上のSNS施策が展開されています。

牛乳消費量の減少は、日本の酪農業界が長年抱える課題です。
少子化や食生活の変化で牛乳を飲む機会が減り、生産過剰が問題になることもあります。
農水省のPR動画は単なる広報ではなく、業界全体への後押しでもあります。
「楽しく見てもらう入口を作る」という役割を、ユーモアがしっかりと果たしていました。

農水省には「ばずまふ」という前例がある

実は農林水産省にとって、今回のユーモアコンテンツは初めての試みではありません。
農水省にはYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」があり、職員が自分たちの専門知識を活かしながら動画を制作・発信しています。
「お役所の人が自ら動画に出ている」というだけで、多くの人にとって新鮮さがあります。

組織の中にいる「普通の人」が見えることで、漠然と遠かった機関への親しみが生まれる。
これはブランドにとっても同じ原理です。
「中の人」を見せるコンテンツは、信頼形成につながる というのは、行政だけでなく企業SNS全般に言えることでしょう。

SNS運用者が持ち帰れるヒント

今回のバズを整理すると、以下の三つの要素が重なっていることがわかります。

予算ゼロの演出が「本物感」を生む: 作り込まれた映像より、明らかに職員の手が見える動画のほうが「本当にやっている」感が出ます。
完成度を下げることが逆に価値になる局面は、SNSでは決して珍しくありません。

テキストは短く、本質だけ: 「視線を感じると思ったら、牛乳月間のPRでした。」という一文と絵文字だけ。
説明しすぎていないので、動画を見た人が自分で笑う余白が残っています。
見た人に「発見」させる設計は、参加感につながります。

トップが反応することで組織の文化が伝わる: 大臣自身が引用投稿したことで、「省全体でノリよくやっている」というメッセージになりました。
SNS運用において、上の人間が積極的に反応できる組織文化は、発信力の底上げになります。

手作り感・人間味・短いテキスト——この三つが揃ったとき、SNSは予算規模に関係なく動く ことを、今回の農水省動画は改めて示しています。
ブランドの規模や業種が違っても、応用できる発想ではないでしょうか。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

「手作り感のある動画が60万ビューを記録する」という事実は、SNS運用の基本原則をあらためて問い直させます。
今の時代、コンテンツに求められるのは完成度よりも「人がそこにいる感覚」なのかもしれません。
農水省がやってみせたことを、自分たちのブランドでどう応用できるか——そう考えてみると、次の一手が見えてくるかもしれません。