10年続いた「Nクールおじさん」が消えた夏——ニトリのCM刷新が問いかけるもの
今年もあの人が現れるはずでした。
汗だくのサラリーマンが冷感寝具でホッと一息つく、夏の風物詩。
しかし2026年、ニトリのNクールCMに俳優・清水伸さんの姿はありません。
約10年間、同じキャラクターでお茶の間に親しまれてきたCMが、今年から姿を変えました。
Xで広がった「寂しい」の声
きっかけは、Yahoo!ニュースの記事に対するある返信でした。
> 本年のNクールCMにおいて清水伸さんの出演予定はございません
— ばう (@baw_peca) 2026年7月3日
ニトリさんさぁ、今の日本に必要なのはこのおじさんでしょ
そこを理解していないなんてクールじゃないなぁ
「本年のNクールCMにおいて清水伸さんの出演予定はございません」というニトリの回答を引用し、「今の日本に必要なのはこのおじさんでしょ」とユーザーが投稿したこの一言には、2500件を超えるいいねが付きました。
夏の暑さが本格化する中で毎年の楽しみだった「Nクールおじさん」が見当たらないことに、多くのファンが反応した格好です。
この件を報じたニュース記事も、Xで広く共有されました。

『ニトリ』夏の風物詩CM「Nクールおじさん」俳優の清水伸が消えた!? ニトリに聞いた「出演予定」と「シフト変更」 : https://t.co/ns0vyEI511 #男優 #俳優 #CM
— 週刊女性PRIME (@shujoprime) 2026年7月3日
コメント欄には「復活してほしい」「あのおじさんがいないと夏が来た気がしない」といった声が相次ぎ、単なる話題以上に、キャラクターへの愛着の強さがうかがえる反応になっています。

なぜニトリはキャラクターを手放したのか
週刊女性PRIMEの取材にニトリが答えたところによると、Nクールは発売から約10年にわたり「誰もが共感できる夏の日常」をテーマに、清水伸さんを起用したストーリー仕立てのCMを展開してきました。
しかし2026年のNクールは冷感性能そのものが大きく進化しており、今回のCM刷新はキャラクターの人気に頼るのではなく、商品の機能や進化を分かりやすく伝えることを優先した判断だといいます。
つまり今回の変更は、CMを「やめた」というより「役割を変えた」と捉えるのが正確です。
長年親しまれたキャラクターを起用したブランディング型の広告から、商品スペックを直接訴求する説明型の広告へ。
企業としては合理的な判断ですが、10年間積み上げてきたキャラクターの認知や愛着は、簡単には切り替えられないという現実も同時に浮かび上がりました。
清水伸さんは公式SNSでもたびたびNクールCMについて発信し、ファンとの距離が近い存在でした。
過去にはドラマ出演時にも「Nクールの人だ」と話題になるなど、CM出演がきっかけで俳優としての知名度も上がっていた経緯があります。
企業の広告塔と個人のキャリアが結びついていたケースだからこそ、今回の変更はファンにとって単なる「CMの内容変更」以上の出来事として受け止められたのだと考えられます。
さらに深掘りしたい方へ
取材の詳細は週刊女性PRIMEの記事でも報じられています。
SocialReport編集部の考察
このケースは、SNS運用担当者にとって「ブランドキャラクターの資産価値」を考え直す良い材料になります。
10年間同じ顔で発信し続けたキャラクターは、視聴者にとって単なる広告塔ではなく、季節の記憶と結びついた存在になっていました。
だからこそ、機能訴求への切り替えという合理的な判断であっても、Xでは「寂しい」というネガティブな反応が先行したのです。
SNS上でキャラクターやタレントを起用したブランド発信を続けている企業にとって、方針転換を行う際は「なぜ変えるのか」を先回りして説明する情報発信が重要になります。
今回のニトリの対応のように、問い合わせに対して理由を丁寧に説明する姿勢自体は評価できますが、変更を告知するタイミングをファンの反応が広がる前に前倒しできれば、より穏やかな受け止められ方をした可能性もあるでしょう。
長年のブランド資産をどう畳むか、あるいは形を変えて残すかは、今後多くの企業が直面する課題になりそうです。
まとめ
10年続いたニトリの「Nクールおじさん」は、商品の進化を分かりやすく伝えるという合理的な理由から姿を消しました。
ただしXでの反応が示す通り、ブランドキャラクターへの愛着は数字だけでは測れません。
機能とキャラクター、どちらを優先するかというテーマは、多くの企業がこれから向き合うことになりそうです。
