「今の時代ってこれ普通なの?」新卒のApple Watch着用論争、答えは「おサイフ腕輪」
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「新卒の子がApple Watchつけて仕事してるんだけど、今の時代ってこれ普通なの?」。
そんな短い一文に、これだけの反応がつきました。
投稿者は特に否定的な言葉を使っていません。
それでも引用や返信では賛否が分かれているようです。
この記事では、なぜ一枚の腕時計がここまでの議論を呼んだのかを、実際の投稿と統計データから調べました。
先に結論をまとめると:
– Apple Watchを着ける新卒への違和感は「腕時計=フォーマルな私物」という価値観と、「通知・決済ツール」という実用面の価値観がぶつかって生まれている
– 20代のスマートウォッチ利用率は2割台(クロス・マーケティング調査)で、身につけたい人も24.1%いる。
もはや少数派の選択ではない
– 医療現場など「スマホを出しにくい職場」ほどApple Watchの通知確認機能が重宝されており、業種によって受け止め方が大きく違う
何が起きたのか
発端は、@momo3dayo_03さんが2026年9月27日に投稿した一文でした。
新卒の子が
— もも🍑 (@momo3dayo_03) 2026年9月27日
Apple Watchつけて仕事してるんだけど、
今の時代ってこれ普通なの?
この投稿には462件の引用ポストがつき、その中身は真っ二つに分かれています。
「何が問題なの?」と純粋に疑問を投げる声がある一方で、「腕時計にこだわりがない人向けの選択」という指摘も見られました。
中でも目を引いたのが、決済用途での活用ぶりを写真つきで示した引用ポストです。
決済オタクなのでおサイフ腕輪として使ってるのもそうですがなんせブランド物を買わなくてもいい免罪符ですからね
— JCB厄介 (@JCB_354) 2026年9月27日
どうしてもデジタルデバイスを持ち込めない環境の時はチプカシなんかも使ってます https://t.co/p9MghxBuPz pic.twitter.com/03sbvtZMET
この投稿には、Suica・PASMO・CLIPPERといった交通系ICカードやスマートフォンの決済画面と並んで、支払い残高を表示したApple Watchの画面が写っています。
投稿者は「決済オタクなのでおサイフ腕輪として使ってる」「ブランド物を買わなくてもいい免罪符」と説明していました。
腕時計を「格式のアイテム」ではなく「決済デバイスの一つ」として捉えている発言です。
ただ、この写真だけでは「なぜ新卒が着けると話題になるのか」までは分かりません。
そこで、実際の着用率や職場での受け止められ方を調べてみました。
調べて分かったこと
20代のスマートウォッチ利用は、もう珍しくない
クロス・マーケティングが2026年に実施した「腕時計に関する調査」(全国20〜69歳の男女1,100人が対象)によると、腕時計またはスマートウォッチを日常的に「使っている」人は45.5%。
そのうち主に身につけているタイプは、アナログ腕時計が59.5%、スマートウォッチが17.9%でした。
年代別に見ると、20〜30代のスマートウォッチ利用率はともに2割台。
さらに「今後スマートウォッチを身につけたい」と答えた20代は24.1%で、他の年代より高い数値です。
つまり、投稿にあった「新卒がApple Watchを着けている」光景は、統計的にはすでに珍しいものではなくなっています。
一方でこの調査では、20〜30代の約4割が腕時計そのものを「持っていない」とも回答しています。
腕時計文化そのものから距離を置く層と、スマートウォッチへ乗り換える層への二極化が進んでいると見た方が正確そうです。
なぜ通知確認・決済目的で選ばれるのか
マイボイスコムが2026年8月に実施した調査では、スマートウォッチ利用者は全体の14.6%、10・20代に限ると2割強でした。
利用のきっかけとして多かった回答は「自分の健康状態の管理」(47.3%)に続き、「通知・着信確認」「運動・トレーニング管理」がそれぞれ2割台。
時刻確認だけでなく、スマートフォンを取り出さずに情報を得る用途で選ばれていることが分かります。
これは医療現場での活用例とも重なります。
看護師や医師が業務ノウハウとして発信している情報を見ると、勤務中にスマートフォンを取り出しにくい場面で、Apple Watchの振動通知が重宝されている様子がうかがえます。
夜勤中に音を出せない環境でも、着信や点滴タイマーの終了をバイブで把握できる点が評価されているようです。
今回の元投稿への返信でも「医療現場ではよく見る」という趣旨のコメントが複数ありました。
職場でのスマートウォッチ着用はマナー違反になるのか
この疑問自体も、今回に限った話ではなく検索され続けているテーマです。
ビジネスマナーを扱う複数の記事を確認しました。
かつて就職活動の面接シーンでは「スマートウォッチはカジュアルすぎる」と敬遠される傾向がありましたが、近年は着用自体を問題視しない解説記事が増えています。
ただし適性検査やグループディスカッションなど、通信機能が疑われる場面ではアナログ時計への言い換えを勧める記事もありました。
つまり「私服面接ではOK、試験場面ではNG」というように、場面ごとにルールが分かれているのが実情で、一律に「マナー違反」とは言い切れません。
もう一つの引用ポストでは、こんな声も上がっていました。
iPhone使うメリットの大部分がApple WatchとAirPodsなのに https://t.co/BNczQx3ko3
— パウロ (@paurooteri) 2026年9月27日
iPhoneを使う理由の大部分がApple WatchとAirPodsとの連携にある、という指摘です。
単体の時計としてではなく、すでに持っているスマートフォンとの「セット運用」で語られている点は、従来の腕時計の選び方とは前提が違うと言えそうです。
Shiritomo GADGET編集部の考察
今回の論争は、Apple Watch自体の機能や新製品の話ではなく、「私物のガジェットを職場でどう扱うか」という運用ルールの世代差が表面化した例だと見ています。
かつて腕時計はスーツと同じく「フォーマルさを表す私物」でしたが、Apple Watchは通知・決済・健康管理という実用機能が主目的になっており、そもそも比較の土俵が違います。
企業側が「腕時計マナー」の延長でスマートウォッチを規制すると、通知確認のために結局スマートフォンを取り出す羽目になり、かえって業務中の画面注視が増えるという逆効果も起こり得ます。
ガジェットの普及速度に対して、職場のルールが追いついていない典型例として、今後も同種の話題は繰り返し出てくるはずです。
まとめ
新卒のApple Watch着用が話題になった背景には、20代のスマートウォッチ利用率が4人に1人を超えているという実態と、腕時計を「格式の道具」と見るか「決済・通知の道具」と見るかという価値観の違いがありました。
統計を見る限り、この着用スタイルはもう一時的な流行ではなく定着しつつあるようです。
さらに深掘りしたい方へ
腕時計の利用実態について、より詳しい数字はクロス・マーケティング「腕時計に関する調査(2026年)」で確認できます。
スマートウォッチの利用目的別データは、マイボイスコムのスマートウォッチに関する調査で公開されています。

