Apple Watch タトゥーで心拍が測れない、インクが光を遮るため
「め っ ち ゃ 消 し た い 。」一文字ずつ空白を挟んで強調されたこの一言が、Xに投稿されたのは2026年10月27日の夜。
投稿したのは、PIERROTやAngeloでボーカルを務めるキリトさんです。
消したいと嘆いているのは、手首まで入れたタトゥーそのもの。
理由は「Apple Watchが反応しない」ことでした。
スマートウォッチとタトゥーを両方愛用している人、あるいはこれから手を入れたい人にとって、他人事では済まない話です。
先に結論をまとめると:
– Apple Watchの心拍センサーは緑色LEDで血流を読み取る光学式で、濃い色のタトゥーのインクが光を吸収・散乱させて正確な測定を妨げます
– これは2026年に新しく見つかった不具合ではなく、Appleが公式ヘルプで案内している既知の仕様上の制約です
– 外部心拍センサーとの接続、タトゥーのない側の手首への着け替え、センサーにテープを貼るといった対策があります
タトゥーに反応しないApple Watch、キリトさんの後悔
キリトさんは投稿の冒頭で、タトゥーを入れたことを後悔したことは一度もなかったと振り返っています。
一生ROCKを貫くつもりで手首まで入れた一本だったからです。
それでも、Apple Watchが反応しなくなった今は別だ、という流れでこの投稿にたどり着きます。
タトゥーを手首まで入れて後悔などしたことはなかった。
— キリト/ KIRITO (@kirito_0fficial) 2026年10月27日
一生ROCKを貫くつもりだったから。
でも、Apple Watchが反応しない今、
め っ ち ゃ 消 し た い 。
投稿は2026年10月27日の夜21時54分(日本時間)に公開されました。
2026年10月28日時点の実測で、いいねは48,314件、リツイートは6,627件、引用は563件、インプレッションは242万回を超えています。
一生もののつもりで入れたタトゥーを「消したい」と言わせるほどの不便さは、どれだけの数字より説得力があるように思えます。
ただ、この投稿だけでは「なぜセンサーが反応しないのか」までは分かりません。
そこで、返信に寄せられた説明と公式情報を確かめてみました。
なぜタトゥーが心拍センサーを邪魔するのか
センサーは何を読み取っているのか
Apple Watchの心拍センサーは、緑色のLEDを肌に当てて血管からの反射光をフォトダイオードで読み取る、光電式容積脈波記録法(PPG:光の反射量の変化から血流を推定する測定方式)という仕組みを採用しています。
血液は緑色光を吸収する性質があり、LEDを点滅させながらその吸収量の変化を追うことで心拍数を算出します。
投稿への返信では、この仕組みについて次のような説明が寄せられていました。
LED当てて血管からの反射?を読み取ってるから、タトゥーあるとインクに阻害されるのかな。
— 鯛煮付け (@kinmedaic87A3e) 2026年10月27日
一応他にもやりようはあるけど、いちばん簡単に測定できる方法ってなるとやっぱLEDらしい。常時測定とか、今の機能レベルにするには、他のタイプの測定方法だと難しいらしい。
LEDで血管の反射を読み取る方式である以上、肌の上に濃い色素が乗っていれば光が遮られてしまいます。
Apple自身も公式サポートページで「タトゥー(刺青)のインク、図柄、濃さによってはセンサーからの光が遮られ、正確な測定が難しくなることがあります」と明記しており、返信の説明と公式の案内は一致していました。
常時測定のような高機能を光学式一本で実現している以上、肌の状態に測定精度が左右されるのは設計上の裏返しとも言えます。
本当に新しい問題なのか
タトゥーと心拍センサーの相性の悪さは、今回Xで新たに見つかった不具合ではありません。
Appleは2015年の時点からこの制約を公式に案内しており、今回の件は既知の仕様が改めて話題になった形です。
「ついに発覚した不具合」のような新発見ではなく、タトゥーを入れる・スマートウォッチを選ぶ段階で知っておくべき相性の問題だったということになります。
Apple Watch タトゥーで心拍が測れないとき、対策はあるのか
この悩みは、タトゥーを消さない限り消えるものではなく、来月以降も同じ悩みを持つ人が出てくるはずです。
Apple公式サポートページが案内している対策は、Bluetooth対応の胸部ストラップなど外部心拍センサーにApple Watchをワイヤレスで接続する方法です。
公式な案内ではありませんが、タトゥーのない側の手首に着け替えるのも現実的な工夫になります。
手首の両方にタトゥーが入っている場合は、外部センサーとの接続が唯一の選択肢になります。
加えて、投稿の返信では利用者ならではの工夫も共有されていました。
海外だと手首タトゥとか普通なのに?と思ったらやっぱり問題になってて、「センサーにテープ貼るといいよ」って知恵が出てた。へえ…https://t.co/VhldVKScWq https://t.co/Gnpriywc0T
— 冬斗🌹「花にして蛇4 ヘッドケイス」出ました🐍 (@Wintzer) 2026年10月27日
海外ではタトゥーを入れた手首にApple Watchを着けている人も珍しくなく、同じ悩みに対して「センサーにテープを貼るとよい」という工夫が共有されているようです。
センサー表面に薄いテープを貼ることで光の反射条件を変え、測定を安定させようという発想とみられますが、Appleが公式に推奨している方法ではないため、効果には個人差があると考えておいたほうがよさそうです。
Shiritomo GADGET編集部の考察:買う前に手首を見ておくべき理由
製品設計の観点で見ると、Apple Watchは心拍センサーを光学式(PPG)一本に絞ることで、常時測定・睡眠トラッキングといった機能を薄いケースの中で実現しています。
その代償として、肌の状態――今回ならタトゥーのインク――に測定精度が引きずられる構造になっているのは避けられません。
購入を検討する段階でタトゥーの有無やインクの濃さまで気にする人は少ないはずですが、健康管理機能を主目的に買うなら、着ける側の手首を一度確認しておく価値があります。
スマートリングなど心拍センサーの装着位置が異なる製品を併用する選択肢も、タトゥーのある人にとっては検討材料になるでしょう。
実機を試せる店舗では、購入前にタトゥーのある手首へ一度装着して反応を確かめてみるのが、もっとも手堅い自己防衛策だと思います。
まとめ
Apple Watchの心拍センサーがタトゥーの影響を受けるのは、2015年から知られている光学式センサーゆえの既知の制約です。
キリトさんの投稿が改めてその不便さを浮き彫りにしましたが、外部心拍センサーへの接続や着け替えといった対策は既に用意されています。
さらに深掘りしたい方へ
心拍センサーの仕組みとタトゥーの影響については、Apple公式サポートページ「Apple Watchで心拍数を測定する」に詳しい説明があります。


