「自分がK-POPアイドルだったら」をAIが叶える——チッケム風画像生成がXで数百件の引用を生んだ理由
「デビューできそう!」「ほうれい線消えてる!」「推しとの共演夢が叶った」——5月12日のXのタイムラインが、こんな投稿で溢れていました。
もちゃん(@piilm_s)さんが公開したChatGPTのプロンプトひとつで、韓国の音楽番組風「チッケム」サムネイル画像を誰でも生成できるようになったのです。
このトレンドを見かけて、「なぜここまで広がるのか」を深掘りしてみました。
「チッケム」とは何か
K-POPに詳しくない方のために説明すると、チッケム(직캠)とは韓国語で「直カメラ」を意味し、音楽番組のステージで特定のメンバー一人だけを追って撮影した動画のことです。
韓国の音楽番組(M COUNTDOWN、音楽バンク等)では放送後にチッケムが公開されるのが定番で、「推しの動き全部見たい」ファン心理に応えるコンテンツです。
このフォーマットが視覚的に特徴的なのは、ステージ衣装・照明・サムネイルデザインに独特のスタイルがある点。
「チッケム風」という言葉で、K-POPファンなら瞬時にイメージが共有できます。

ChatGPTのプロンプトひとつで「アイドルになれる」
もちゃんさんが公開したプロンプトは、自分の写真をアップロードするだけで韓国音楽番組のチッケムサムネイル風画像を生成できるというものです。
グループ名、衣装のスタイル、肌質のリアルさまでカスタマイズ可能で、数百件の引用投稿が生まれました。
「双子版を作ってみた」「友達と一緒にグループ組んでみた」「推し風のコーデで自分がアイドルになった」といった反応が続き、バリエーションを楽しむ文化が即座に生まれています。
https://x.com/piilm_s/status/2054545213822206026
自虐ネタも多く「ほうれい線が消えて感動」「現実より5キロ細い」など笑いも交えた投稿が相次ぎました。
SNS担当者が注目すべきトレンドの背景
このブームはChatGPT Images 2.0(2026年4月公開)の品質向上が直接の引き金になっています。
人物写真を参照しながら高品質なスタイル変換ができるようになり、「遊べる」クオリティに達しました。
SNS上でAI画像生成トレンドが起きるとき、「自分が主役になれる」フォーマットは特に爆発的に広がります。
チッケム以前にも、同じ構造のバイラルトレンドがありました。
「ジブリ風自分の写真」「80年代アニメ風ポートレート」「レトロ年賀状風」——いずれも「自分を特定のスタイルに変換する」フォーマットです。
ユーザーは結果をSNSでシェアしたくなり、自然に拡散します。

企業のSNSマーケティングへの示唆としては、このようなトレンドが起きているとき、ブランドキャラクターや商品を「チッケム風に変換」するコンテンツを素早く出すと、乗り合わせ効果でリーチが広がります。
トレンドのフォーマットを借りながら自社のコンテキストを加える「便乗」ではなく「共鳴」の設計です。
https://x.com/Kight_blog/status/2054441868185026671
AI画像生成は誰でもコンテンツクリエイターになれる扉を開きました。
それは同時に、SNS上に溢れる画像の量と多様性が爆発的に増えるということでもあります。
ブランドはどう対応するか
こうしたトレンドが起きたとき、ブランドの対応は大きく3つに分かれます。
①スルーする、②便乗コンテンツを出す、③プロンプトテンプレートを自社で提供する。
最もエンゲージメントを得やすいのは③です。
「○○ブランドのユニフォームでチッケム風に変換できるプロンプト」をブランド公式が提供すれば、ユーザーがそのまま拡散してくれます。
ただし、プロンプトの中に自社ビジュアルや著作権が絡む要素を含める場合は慎重な確認が必要です。
AIが生成した画像の著作権帰属と、企業ロゴ・デザインの使用については、2026年現在も法的な整理が進んでいる途中です。
さらに深掘りしたい方へ
まとめ
AIチッケム流行は「誰でも主役になれる」フォーマットの強さと、ChatGPT Images 2.0の品質向上が重なって生まれたバイラルコンテンツです。
SNS運用の観点では、こうした「自己変換型」トレンドがどのように生まれ、どのくらい続くかを観察することが、次の施策立案に役立つはずです。