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AIツールが生むデザインの「平均値」——すべてが似てきた時代に、個性はどこへ行く?

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月17日 更新
AIツールが生むデザインの「平均値」——すべてが似てきた時代に、個性はどこへ行く?

最近、いろんなウェブサイトを見ていて「なんか似てるな」と感じることが増えませんでしたか?

白い背景に大きなサンセリフフォント、余白たっぷりのレイアウト、角が丸いボタン——。
AIツールで作られたサイトが増えるほど、ウェブ全体が「感じのいい平均値」に収束していく
そんな懸念がデザイナーたちの間で広がっています。

Xで広がった「デザインの均一化」議論

きっかけは、RightDesignInc.の小川貴之氏がXに投稿した一言でした。

「AIツールで誰でも高品質なデザインが作れるようになったのはいい。
でも、そのせいでどこを見ても似たようなサイトばかりになっていないか?」

この投稿に、多くのデザイナーが反応しました。
「AIの提案をそのまま使い続けると、ブランドの個性が溶けていく」「違和感を残す言葉やデザインこそがブランドの価値なのに、AIはその違和感を削ってしまう」——共感の声が相次ぎました。

デザイナーのKAWAIさん(@kawai_design)も同様の問題意識を持っています。
「中央値に向かうデザイナーはAIに代替される」という鋭い指摘を投稿し、大きな反響を呼びました。

生き残るのは「問題発見できるデザイナー」か「超個性派・超絶技巧デザイナー」だけ、という言葉は、多くのクリエイターの本音を代弁するようでした。

また、博報堂のXアカウントもこの流れに言及し、「AIの活用が進むほど、ブランドは没個性化していく」というリスクを正面から取り上げています。

約8割のブランド担当者が「AI活用による没個性化」に懸念を抱いているという調査結果も紹介されており、これはもはやデザイナー個人の悩みではなく、企業のブランド戦略全体に関わる問題になっているようです。

調べてみたら、データが裏付けていた

気になって調べてみると、この「直感」を裏づける研究がいくつか出ていました。

まず、スタンフォード大学・インペリアル・カレッジ・ロンドン・インターネットアーカイブが共同で行った調査によると、2025年半ばの時点で、新規ウェブサイトの約35%がAI生成またはAI支援で制作されていることがわかりました。
ChatGPTが登場した2022年11月以前は、この割合はほぼゼロだったといいます。

さらに興味深いのは、AI生成のページが示す「意味的な類似性の高さ」です。
AI生成ページは、人間が書いたページと比べてペアごとの意味的類似スコアが約33%高い、つまり似たような考え方・フレーズが繰り返される傾向があるとされています。
スタイルの均一化(文体の画一化)については統計的に有意な差は確認されなかったものの、内容レベルでの「平均値への収束」は実際に起きているという結果です。

加えて、AI生成コンテンツは人間のものと比べて感情的なポジティブさが107%以上高いというデータもあります。
「陽気すぎる」「当たり障りがない」という感覚は、あながち気のせいではなかったわけです。

こうした傾向は、ウェブデザインだけの話ではありません。
インディーズコーヒーショップの内装に関する研究(ScienceDirect掲載)では、スターバックスのような大手チェーンに対抗するはずの独立系カフェが、アメリカ・カナダ全土でほぼ同じ見た目になっていることが明らかになりました。
黒板サイン、再生木材、タトゥー入りのバリスタ——SNS上の「映える」写真が参照点となり、オーナーたちが無意識のうちに同じデザインを模倣してしまっている、という指摘です。

文化批評家のカイル・チャイカは、これを「アルゴリズムの専制」と呼んでいます。
AIツールもインスタグラムも、結局は「正解」へ向かってユーザーを誘導する仕組みを持っている。
その結果、誰もが似たような「感じのいいもの」を作り出してしまう——。

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まとめ

AIが「正解」を示してくれるほど、その正解に全員が収束していく——そのパラドックスに、デザインの世界は今、正面から向き合い始めています。
「AIの提案を断る勇気」や「あえて違和感を残す選択」が、これからのクリエイターの武器になるのかもしれません。