Unitree G1向けウェア4点、ユナイテッドアローズ×GMOが共同開発——価格は未定
ライトグレーのジャケットを羽織った人型ロボットが、バク転を決める。
架空の光景ではありません。
2026年10月20日、ユナイテッドアローズとGMO AI&ロボティクス商事(GMO AIR)が、中国Unitree Robotics製の人型ロボット「G1」向けの専用ウェアを発表した、その実演の様子です。
人とロボットが同じ空間で働く機会が増えるなか、「ロボットに服を着せる」という発想がどこまで実用的なのか、気になった方も多いはずです。
今回はこのプロジェクトの中身を一次情報から整理します。
先に結論をまとめると:
– ユナイテッドアローズとGMO AIRが、ヒューマノイド(人の形をしたロボット)「Unitree G1」向けにジャケット・パンツ・Tシャツ・スカーフの4点セットを共同開発
– 受付は10月20日18時にGMO AIRのお問い合わせフォームで開始済み。
販売ページは「GMOヒューマノイド.shop」に11月20日公開予定で、価格は現時点で明らかにされていません
– デザインはユニセックス・ライトグレーのユニフォーム風。
関節やギアへの干渉を避けながら「洋服らしく」見せる工夫と、裏地を省く熱対策が特徴です
何が起きたのか
発表したのはユナイテッドアローズと、GMOインターネットグループ傘下でロボット事業を手がけるGMO AI&ロボティクス商事です。
対象となったのは、Unitree Roboticsが開発した身長132cm級のヒューマノイド「G1」。
両社はこの機体のために、ジャケット・パンツ・Tシャツ・スカーフからなる4点セットを仕立てました。
開発の背景には、ユナイテッドアローズ開発本部コーポレートビジネス部の岩野徳郎部長が「初めてG1を見た時にやや威圧感を感じた」と振り返る体験や、ロボットを利用する現場から寄せられた「ロボット感が強くて、お客さまと会話をする時に違和感があるので、服を着せても良いか」という声があったといいます。
機械としての性能だけでなく、人が親しみを持てる「外見」も課題になっていたわけです。
受付は10月20日(火)18:00からGMO AIRのお問い合わせフォームで始まりました。
正式な販売ページは「GMOヒューマノイド.shop」に11月20日(金)公開予定で、ポップアップなどリアルイベントでの販売も予定されています。
ただし価格については現時点で公式に発表されていません。
発表会ではG1がバク転やダンスのデモンストレーションを披露し、ウェアを着た状態でも動きが乱れない様子が公開されました。
ロボットウェアというと「見た目だけの飾り」を想像しがちですが、実際には機体の可動域を前提にした設計がされているようです。
では、具体的にどんな工夫が詰まっているのでしょうか。
調べて分かったこと
なぜロボットに服を着せるのか?
人型ロボットが店頭や受付、イベント会場など人と接する場所に置かれる機会は、今後さらに増えていくと見られています。
むき出しの金属や可動部がそのまま見えていると、どうしても「機械」としての威圧感が先に立ってしまいます。
今回のプロジェクトは、ファッションの力でその印象を和らげ、ロボットが日常の風景になじむ未来を目指す試みとして企画されました。
ユナイテッドアローズが培ってきたアパレルのデザイン力と、GMO AIRが持つロボットエンジニアリングの知見を組み合わせた、両社ならではの座組みといえます。
どんな工夫が詰まっているのか?
デザインを担当したユナイテッドアローズ開発部の鈴木脩氏は、取材に対し次のように説明しています。
「関節モーターへの生地の巻き込みを防ぐため、思い切って裏地をなくしてシルエットはワイドなストレートとした。
平面的にならないよう、襟や袖のデザインにこだわりスーツらしさを出した。
(ロボットは使わない)ベルトループやポケットも付けることで、服らしさを表現している」
つまり、見た目の美しさと機能性は対立するものではなく、両方を同時に満たす必要があったということです。
色は本体のメタリックな質感になじむライトグレーを採用し、コンセプトは「ユニセックス」と「ユニフォーム」。
関節やギアと生地が干渉しないよう配慮しつつ、熱がこもらないように裏地を省くなど、ロボット特有の身体構造に合わせた設計が随所に施されています。
役割分担としては、ユナイテッドアローズがデザインとパターン設計を、GMO AIRが機体の提供とエンジニアリング面の検証を担当し、実際にG1の可動域や排熱を確認しながら仕立てたそうです。
価格はいくらになるのか?
現時点でもっとも気になるのはやはり価格でしょう。
しかし公式発表・各報道のいずれにも具体的な金額は記載されておらず、価格は明らかにされていません。
受付中のお問い合わせフォームでも金額は提示されておらず、11月20日に公開予定の販売ページで判明する可能性があります。
なお、着せる対象となるロボット本体「Unitree G1」自体は、海外では13,500ドルからの価格帯で案内されており、ウェアはあくまでそれに付随するオプションという位置づけです。
購入やレンタルを検討している方は、販売ページの公開を待つか、GMO AIRへの問い合わせで最新情報を確認するのが確実です。
Shiritomo GADGET編集部の考察:アパレルがロボティクス産業に加わる意味
今回の取り組みで興味深いのは、ロボットメーカーやIT企業ではなく、アパレル企業であるユナイテッドアローズが主体的にデザインを担っている点です。
これまでロボットの「外見」は、メーカー側の工業デザインとして完結することがほとんどでした。
しかし人型ロボットが接客や受付など人と直接向き合う場面に進出するほど、威圧感の軽減や親近感の演出はアパレルや空間デザインの領域に近づいていきます。
服飾業界にとっては、既存の縫製・パターン技術をロボット向けに転用できる新しい市場が生まれたとも言えるでしょう。
一方で裏地を省く、ベルトループを機能ではなく装飾として付けるといった判断は、ロボットという「着る人がいない」対象に対して、それでも人間的な服の記号を残そうとする設計思想の表れです。
今後、他の人型ロボットメーカーやアパレル企業が追随し、ロボット向けウェアが一つのジャンルとして定着するかどうかは、価格設定と実際の販売実績にかかっていると見ています。
まとめ
ユナイテッドアローズとGMO AIRは、人型ロボット「Unitree G1」向けに専用ウェア4点セットを共同開発し、10月20日に受付を開始しました。
価格は未発表ながら、11月20日の販売ページ公開に向けて、ロボットと服飾の新しい組み合わせがどう受け止められるか注目されます。

