IC-7110の実売価格は21万円なのか――アイコム未発表、予約は23万円前後から
「実売価格210,202円」。
アマチュア無線機IC-7110の値段を示すこの数字を、ネット上で見かけました。
具体的な金額まで出ているなら、もう正式発表されたのだろうと思って公式情報を遡ってみると、様子が違いました。
この記事では、IC-7110の価格が今どこまで分かっているのか、そして何が確定した新機能なのかを整理します。
買い替えを検討している人にとって、数字が独り歩きする前に実態を知っておくことは損になりません。
先に結論をまとめると:
– アイコムはIC-7110の価格を2026年10月末時点でも正式発表していません
– 通販サイトの予約価格は22万9800円〜27万2800円(メーカー想定売価)台で確認でき、「21万円」の出どころは特定できませんでした
– IC-7110はIC-7100の後継機として、4.3インチのタッチ式カラー液晶とD-STAR機能の強化が公式に確認できています
何が起きたのか
IC-7110は2026年8月29日、東京・有明で開催された「ハムフェア2026」の会場でアイコムが世界初公開した新製品です。
HF・50MHz・144MHz・430MHzの4バンドに対応するオールモード機で、2013年発売のIC-7100の後継という位置づけになります。
IC-7100は2025年5月に生産を終了していたため、後継機の登場を待っていた愛好家は少なくなかったようです。
当日、アイコムの公式アカウントは会場の熱気をこう伝えています。
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— アイコム株式会社 Icom Inc (@Icom_Inc_Japan) 2026年8月29日
マルチバンドトランシーバー
IC-7110がついに登場⚡
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HF+50MHz+144MHz+430MHz 100W トランシーバーIC-7110が公開されました!
ステージ前には非常に多くのお客様が集まっています。写真からも会場の熱気が伝わるのではないでしょうか🔥
プロモーションビデオも公開中👇
<Japanese>… pic.twitter.com/TJ7iBFJCw5
ステージ前に多くの来場者が集まった様子が伝わる投稿です。
アマチュア無線専門メディアのhamlife.jpも、謎の試作機「X-026」の正体がIC-7110だったことを独自取材の動画付きで速報しています。
速報【ハムフェア2026】<「X-026」の正体判明!>アイコム、新製品「IC-7110」をハムフェア会場で世界初公開(独自取材の動画あり)https://t.co/P05APIGbsc
— hamlife.jp (@hamlifejp) 2026年8月29日
ただ、この日公開された情報には価格が含まれていませんでした。
発売時期についても「年内が目標」という程度の説明にとどまり、具体的な金額は伏せられたままお披露目が終わっています。
そこから2ヶ月あまりが経ち、価格の話がどこまで動いたのかを確認しました。
調べて分かったこと
実売価格21万円は本当なのか?
まず結論から言うと、アイコムの公式サイト・プレスリリースのいずれにも、IC-7110の価格を正式に発表した情報は見つかりませんでした。
ハムフェア2026を報じた専門メディアの記事でも「価格は未公表、年内をめどに発表される見通し」と書かれており、2026年9月下旬時点の更新情報でも同じ状況が続いています。
一方で、通販サイトでは既に予約の受付が始まっています。
アマチュア無線専門店のサイトを確認したところ、メーカー想定売価は27万2800円(税込)、店舗の現在価格は22万9800円(税込)と表示されていました。
別の通販サイトでも、ポイント還元を含めて22万9900円前後の表示です。
どちらも「21万円」よりはっきり高く、210,202円という具体的な数字の裏付けは今回確認できませんでした。
クーポンやポイントの組み合わせ次第では実質負担額が21万円台に近づく可能性はありますが、それを示す一次情報は見当たりません。
IC-7100からどう進化したのか?
価格は不確かでも、新機能についてはアイコムの公式ニュースリリースで確認できます。
もっとも分かりやすい変化は画面です。
IC-7110は4.3インチの大型カラー液晶を搭載し、タッチ操作に対応しています。
これはIC-7300MK2やIC-705と同じサイズで、無線機の操作体系がスマートフォンに近い感覚へ寄っていることがうかがえます。
通信面では、D-STAR(JARLが策定した音声のデジタル通信方式:従来のアナログ無線より雑音に強く、中継局経由で遠距離と交信しやすい)への対応が充実しました。
DR機能やターミナルモード・アクセスポイントモード、DVレピータモニター機能まで備えています。
本体は操作部と無線機本体が分離するセパレート構造を保ち、HF・50MHzで100W、144MHz・430MHzで50Wの出力を確保しながら、2つの異なるバンドを同時に受信できます。
スペクトラムスコープやウォーターフォール表示、CWデコーダー、Wi-Fi・Bluetooth接続も確認できています。
買い替えを急ぐ前に確認したいこと
通販サイトでは、出力の異なる100W機・50W機・20W機の3機種が用意され、手付金を払って順番を確保する「プレ予約」も始まっています。
入荷時期も機種によって前後する案内が出ているサイトがあり、同じIC-7110でも届く時期が機種ごとに変わる可能性があります。
公式の価格発表が出ていない段階で予約金を払うかどうかは、想定売価の振れ幅(22万円台から27万円台)を踏まえて判断したほうが安全でしょう。
Shiritomo GADGET編集部の考察
今回調べて印象的だったのは、メーカーの公式発表より先に、通販サイトの「想定売価」が独り歩きしていたことです。
IC-7100が発売された2013年ごろのミドルクラス機は10万円台が中心でしたが、部材コストや為替の影響もあり、フラッグシップ級の実売価格は20万円台後半まで上がってきています。
価格が未確定のまま先行予約が始まる流れは、半導体不足以降の家電・ガジェット業界でよく見る光景です。
ただ、アマチュア無線機のように生産量が少ないジャンルでは、噂の数字と実際の値付けの差がより大きく出やすいように見えます。
公式発表前の「○万円」という数字を見たら、まず一次情報を確認する習慣が、買い替えを急がないための小さな防御になりそうです。
まとめ
IC-7110は4.3インチタッチ液晶とD-STAR機能の強化を携えてIC-7100の後継として登場しましたが、価格はまだ公式発表されていません。
通販サイトの予約価格は22万円台から27万円台で、ネットで見かけた「21万円」という数字の根拠は確認できませんでした。
正式発表までは、通販サイトの想定売価を目安にしつつ、焦らず情報を待つのが得策です。
この記事で取り上げた製品
アイコム IC-7110
※ 表示している価格は各ショップの販売価格で、メーカー希望小売価格とは異なる場合があります。価格・在庫はリンク先でご確認ください。当サイトは各社のアフィリエイトプログラムに参加しており、リンク経由の購入により収益を得ることがあります。
さらに深掘りしたい方へ
IC-7110のハムフェア初披露の詳細は、アマチュア無線専門メディアの記事が詳しく報じています。
速報【ハムフェア2026】アイコム、新製品「IC-7110」をハムフェア会場で世界初公開 – hamlife.jp
新機能の一覧は、アイコムの公式ニュースリリースでも確認できます。
Icom Unveiled New IC-7110 at Ham Fair 2026 Tokyo – Icom Japan