X-Twitter 読了 6 分

X、無断転載アカウントの収益化を厳しく取り締まり開始

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月27日 更新
X、無断転載アカウントの収益化を厳しく取り締まり開始

SNSで動画を投稿していて、「自分のコンテンツが知らないうちに大きなアカウントに転載されていた」という経験はありませんか?
そのモヤモヤした気持ちに、Xがついて本腰を入れて向き合い始めました。

2026年5月23日、Xのプロダクト責任者ニキータ・ビア(Nikita Bier)氏が重大な発表をしました。
過去1カ月で、大規模アカウントが小規模クリエイターのコンテンツをプログラム的に再アップロードし、収益分配プログラムを悪用していた事例を多数特定した、というものです。
そのうえで、今後はこれらの転載投稿を検知し、発生したインプレッションをすべてオリジナルの投稿者に還元すると宣言しました。

何が問題になっていたのか

これまでXでは、人気動画を無断で再アップロードして自分のアカウントに投稿するという行為が横行していました。
転載した側がインプレッション(閲覧数)を独占し、オリジナル作者が得るべきだった収益や注目を丸ごと奪ってしまうのです。

いわゆる「パクツイ」「拾い投稿」と呼ばれる文化は日本でも長年問題視されてきましたが、プラットフォーム側が積極的に対処することはほとんどありませんでした。
今回のXの動きは、その流れを大きく変えようとするものです。

ニキータ・ビア氏の発表ポストはこちらです。

このポストには、転載アカウントに対するインプレッションの再配分方針と、「Share Video」「Quote」機能を使うよう呼びかける内容が含まれています。

名指しで収益化停止――Massimoアカウントの事例

発表から数日後の5月25日、ニキータ・ビア氏はさらに踏み込んだ行動に出ます。
フォロワー436万人を誇る「Massimo(@rainmaker)」というアカウントを名指しし、収益化プログラムからの除外を宣告したのです。

複数のクリエイターからの申告を受けて調査した結果、当該アカウントが他人のコンテンツを組織的に転載していたと判断されたとのこと。
「今日があなたのプログラムの最終日だ」という言葉は、今後も違反者に容赦はしないというXの強い意志を示しています。

この動きに反応したアカウントの報告ポストが話題になっています。

フォロワー数百万人クラスのアカウントが実名で制裁を受けたことは、業界全体に大きな衝撃を与えました。

「Share Video」と「Quote」を使いましょう

Xが今回の発表で強調したのが、他者の動画に言及したいときは「Share Video(動画をポスト)」か「Quote(引用ポスト)」機能を使うという点です。

この2つの機能を使えば、元の投稿者への帰属(クレジット)が自動的に維持されます。
オリジナル作者にもインプレッションが正しく還元される仕組みになっているため、コンテンツに対する見解や解説を発信したいなら、無断ダウンロード&再アップロードではなくこれらの正規機能を使うことがプラットフォームのルールとして明確化されたと言えます。

また、転載や第三者ネットワーク経由のコンテンツには最大90%のインプレッション控除が適用されることも明らかにされており、繰り返し違反するアカウントには恒久的な収益減額措置が取られる方針です。

SNS運用者へのインパクト

今回の動きは、企業・個人を問わずSNS運用に携わる人全員が把握しておくべき変化です。

特に以下の点に注意が必要です。

1. キュレーション型アカウントは要注意
ニュース・話題のコンテンツを集めて再投稿するキュレーション運用は、無断転載と判断されるリスクがあります。
同サイクルで、いわゆるアグリゲーターアカウントの報酬は一律60%に削減され、次のサイクルではさらに20%減額予定と発表されています。

2. 引用・解説は必ず正規機能で
他社・他アカウントの動画に対してコメントや解説を加えたい場合は、「Share Video」または「Quote」機能を使うことが今後の標準です。
単純な再アップロードとの違いは「元の投稿との紐づけが保たれるかどうか」にあります。

3. オリジナルコンテンツへの投資が差別化になる
転載・クリップでは稼げなくなっていく一方、オリジナルの動画・インサイト・解説は収益と露出の両面で有利になっていきます。
X上での競争環境が「誰が一番速く転載するか」から「誰がより深い洞察を出せるか」に変わりつつあります。

日本のクリエイターへの影響

日本でも今回の発表はITmediaやcokiをはじめとするメディアが報じ、ユーザーの間で好意的な反応が相次ぎました。

長年「パクツイ」「拾い画」に泣かされてきたクリエイターにとって、プラットフォーム側が明確な姿勢を示したことの意義は大きいです。
一方で、「インプレゾンビ問題はまだ解決していない」「誤検知で本物のクリエイターが巻き込まれたらどうするのか」といった懸念の声も上がっており、対策の精度をいかに高めるかが今後の課題となっています。

まとめ

Xは無断転載による収益横取りに対して、インプレッションの再配分・収益化停止・名指し批判という三段構えの対策を打ち出しました。
SNS運用においては「正規機能を使った引用とオリジナルコンテンツの発信」が改めて王道となる時代に入ってきています。
他人のコンテンツを転載する文化はXでは生き残れなくなりつつある——そのシグナルとして、今回の動きをしっかり受け止めておく必要があります。