Xで「公式サポート」装うDM詐欺が急増 注意喚起広がる
「誤ってあなたのアカウントを通報してしまいました」。
よく知る相互フォロワーから届くその一文が、実は詐欺の入り口だとしたらどうでしょうか。
X Corp. Japanが7月24日早朝、こうした手口への注意喚起を公式に発信しました。
SNS運用担当者にとっては、フォロワーとの信頼関係そのものが悪用される話でもあり、他人事では済みません。
先に結論をまとめると:
– X Corp. Japanが「公式サポート」を装うDM詐欺に対し公式に注意喚起を発信しました
– 手口は「不正利用」「誤通報」を口実にDiscordなど外部サービスへ誘導し、パスワードなどを盗むものです
– 公式の対処法は「返信せずブロック・報告」。
判断に迷ったら公式ヘルプセンターで確認するのが安全です
Xで広がっている「公式サポート」偽装の注意喚起
X Corp. Japanが発信したのは、Xチャット(DM)上で「X公式サポート」を装った詐欺が確認されているという内容です。

⚠️【重要】X Corp. Japan からの注意喚起
— X Corp. Japan (@XcorpJP) 2026年7月24日
X チャット(DM)上で「X 公式サポート」を装った詐欺が発生していることが確認されています。…
投稿はわずかな間に166,000件以上のインプレッション(投稿が表示された延べ回数)、1,282件のいいね、1,277件のリツイートを集めました。
公式アカウントの注意喚起がここまで拡散すること自体、被害の広がりを裏付けています。
美容系アカウント「@kinakopancosme」さんが実際に乗っ取り被害を報告するなど、フォロワー数の多い個人アカウントも標的になっている様子です。
乗っ取られたアカウントがさらに別のフォロワーへDMを送るため、被害が連鎖的に広がりやすいのが厄介なところ。
ただ、公式の注意喚起だけを見ても「具体的にどう誘導されるのか」「なぜ信じてしまうのか」が見えてきません。
そこで手口の中身を調べてみました。
調べて分かったこと
なぜ詐欺は連鎖的に広がるのか?
複数の情報を確認すると、この詐欺には共通の型があります。
まず乗っ取られたアカウントから「クレジットカードが不正利用された可能性がある」「誤ってあなたを通報してしまった」といった文面のDMが、フォロワー宛てに一斉送信されます。
相手を否定すると「このままではアカウントが停止される」と不安を煽り、「サポートに説明する必要がある」という名目でDiscordなど外部サービスへ誘導する流れです。
Xの公式サポートがDiscordなど外部ツールで個別対応することはありません。
本物の通知は公式アプリ内か、登録済みメールアドレス宛てのみです。
誘導先で「本人確認」を装いパスワード変更やスクリーンショットの提出を求められた場合、それ自体が詐欺の証拠と考えて差し支えないでしょう。
実際にだまされかけた人はどんな体験をしたのか?
一般ユーザーの@uhohohiroさんは「危うく騙されそうでした」と振り返っています。
実際にどこまで進んでしまうものなのか、被害に近い体験をした投稿を見てみましょう。
少し調べると詐欺と確信はできました
— つじ (@t_tsuji) 2026年2月20日
Discordに誘導してそこから色々振り込ませる手口のようです
この方はクレカ入力まで行っちゃった模様(でもクレカ会社が止めてくれた)
今のところ変な日本語なのですぐ気付きますが皆様もお気をつけてくださいhttps://t.co/Cz2WD8zgu7 https://t.co/bUmoThTyOC
このケースでは会話の途中で不自然な日本語に気づいて詐欺だと確信できたものの、クレジットカード情報の入力までは進んでしまったとのことです。
幸い、カード会社側の不正利用検知で実害は免れたようですが、「気づけたのは表現の不自然さだった」という点は、日本語の精度が上がるほど見抜きにくくなるリスクを示しています。
実際、SNS上では方言で応答すると相手のbot(自動応答プログラム)が対応できず会話が破綻したという報告もあり、裏を返せば定型パターンで動いている詐欺だとわかります。
公式が案内する正しい対処法は?
X Corp. Japanが呼びかけているのは、届いたDMには返信せず、そのままブロックして報告するという対応です。
心当たりのない不正利用の通知や、外部アプリへの誘導文面が届いた時点で、公式からの連絡ではないと判断してよいでしょう。
Xでは以前にも「VISA不正利用」を装う偽領収書詐欺や、乗っ取られた本アカウントをサブ垢が助ける「ユーザー同士の通報協力」といった同系統の被害が報告されており、今回の「公式サポート偽装」はその手口がさらに巧妙化した形といえそうです。
少しでも不審に感じたら、リンクを踏む前に公式ヘルプセンターで事実確認をする習慣が有効です。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
この一件で見落とせないのは、詐欺の標的が「フォロワー数の多い個人・ブランドアカウント」に偏りやすいという構造です。
相互フォロワーからのDMは警戒心が下がりやすく、企業の公式アカウントであってもなりすまし被害の踏み台にされる可能性があります。
実務として明日からできることは2つ。
1つ目は、フォロワー向けに「当社は公式DMでパスワードやカード情報を求めません」という一文を固定ツイートやプロフィールに常設しておくこと。
2つ目は、アカウント管理者間で「不審DMを受け取った際の初動対応(パスワード変更・連携アプリ確認・報告手順)」をあらかじめ文書化しておくことです。
注意喚起の投稿自体が16万インプレッションを超えて拡散した事実は、詐欺の実害だけでなく「不安の情報」もまた強く拡散する性質を持つことを示しています。
運用担当者としては、平時からこうした一次情報の在り処を把握しておくことが、いざという時の対応スピードを左右するのではないでしょうか。
まとめ
「公式サポート」を装うDM詐欺は、相互フォロワーからの連絡という信頼構造を突く点で厄介な手口です。
届いたDMに返信せず、ブロックと報告を徹底し、判断に迷ったら公式ヘルプセンターで確認する習慣をつけておきましょう。
さらに深掘りしたい方へ
不審なDMを受け取った際の正式な対処法や連絡先は、Xヘルプセンターで確認できます。
詐欺の具体的な文面パターンについては、SBAPPの解説記事やおたくま経済新聞の検証記事も参考になります。


