SNS運用Tips 読了 6 分

「メルヘン村メルヘン村メルヘン村…」——自虐連呼で5000いいねを集める公式SNSが教えてくれること

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月7日 更新
「メルヘン村メルヘン村メルヘン村…」——自虐連呼で5000いいねを集める公式SNSが教えてくれること

タイムラインをスクロールしていたら、急に視界が文字で埋め尽くされました。

「一度といわず二度三度未来永遠一生一緒ぼくらはともだちメルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村」

送り主は、佐賀県の遊園地「メルヘン村」の公式アカウント。
これが今週5000件以上のいいねを集め、Xのタイムラインで話題を呼んでいます。
「怖い」「好き」「ちょっと行きたくなった」という反応が相次ぎ、フォロワーでもない人々のタイムラインにまで広がっていきました。

この投稿、SNS運用の観点から見るとかなり興味深い現象が起きています。

「潰れてない連呼」が生まれた背景

メルヘン村は1992年に佐賀県武雄市の山間に開園したレトロな遊園地です。
森の中のアトラクション・動物とのふれあい・アスレチックが揃った、家族連れに人気の施設です。

ところが2011年、当時の運営会社が経営破産。
これが「メルヘン村は潰れた」「もう存在しない」という誤解をネット上に広め続けることになります。
実際には2019年に佐賀の忍者テーマパーク「肥前夢街道」を運営する株式会社マールが完全子会社化し、年中無休で今も営業中なのですが、「潰れた遊園地」「検索してはいけない場所」という印象がXやまとめサイトでじわじわ広まっていきました。

この状況を、公式アカウントは正面から戦うのではなく、徹底的に笑いに変える方向を選びました。

「潰れてない潰れてない潰れてない……」と28回繰り返す固定ツイートを設置し、来園を求める「きてきてきて……」投稿が768万回表示されるなど、「狂気の公式アカウント」としての独自ポジションを確立していきます。
このスタイルが本格的に始まったのは2019年の経営統合後。
経営陣からは「ナイスメルヘン」という言葉でこのアプローチが公認されているそうです。

Xでの反応——「行きたい」に変わる不思議な力

今回の「メルヘン村」連呼投稿に対し、Xでは次のような反応が広がっています。

「狂気を感じる」「なんかホラーなのに好き」というコメントが並ぶ一方、「これ見たら行きたくなった」「佐賀に用事を作ろうかな」という来訪意欲を示す投稿も目立ちました。

実はこのパターンは今回が初めてではありません。
過去に投稿された「潰れてない」連呼ツイートは4.2万いいね・1.5万リポストを記録し、そのたびにメルヘン村が話題の中心へと引き戻されてきました。

「怖い」という反応が最終的に「行きたい」に変わる——この流れはメルヘン村の公式SNSが意図的に設計しているように見えます。

実際、メルヘン村の運営者はメディアのインタビューで「コミュニケーションのきっかけになるので嬉しいです」と話しており、ネガティブな反応すら集客への入り口として機能させているのが伝わってきます。

SNS担当者が学べること

一般的な公式アカウントは、施設の魅力を正直に伝えようとします。
「家族で楽しめます」「〇〇が人気です」という情報発信です。
それは正しいアプローチですが、情報が溢れるSNSで「止まって読まれる投稿」にはなりにくい。

メルヘン村の戦略は、その真逆を行きます。

  • ネガティブなブランドイメージを逃げずに受け入れ、自分でネタにする
  • 「普通の宣伝」ではなく「思わず反応したくなるコンテンツ」を発信する
  • 運営の個性・弱みをそのまま武器に変える

これはテーマパークに限った話ではありません。
「うちの商品、ちょっとクセがあって」「こういう苦手な人もいます」とあらかじめ自分から言える公式アカウントは、なぜか信頼されやすい。
そういうブランドのSNSはエンゲージメント率が高くなりやすいことが、過去の事例からも見えてきます。

糸ようじの「スルッと入ります!」連呼が600万ビューになった件も、シャウエッセン公式の一言投稿が240万閲覧を集めた件も、根っこにある発想は共通しています。
「PR臭を消して人間が書いていると感じさせる」こと。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

「潰れてない」を連呼するだけのXが5000件のいいねを集め、「行ってみたい」という反応を生む——メルヘン村の公式SNSは、弱点を笑いに変えることでブランドを強みに変えた好例です。
自分の組織のSNS運用でどんな「人間味」を出せるか、ちょっと考えてみたくなりました。