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「チー」連発で9000いいね——マクドナルド公式のチーチーダブチ投稿が想定外のバズを生んだ理由

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月8日 更新
「チー」連発で9000いいね——マクドナルド公式のチーチーダブチ投稿が想定外のバズを生んだ理由

木陰から「こチーら」をじっと見つめるチーズバーガーのキャラクターイラスト——。

6月初旬、日本マクドナルドの公式Xアカウント(@McDonaldsJapan)が投稿したそのイラストが、数時間で9000いいねを超える珍事を起こしました。
ポイントは「チー」という文字が全体にちりばめられた独特の文体です。
「こちら」が「こチーら」になり、文章のあちこちに「チー」が紛れ込む。
これを目にしたユーザーたちが即座に連想したのが、ネットスラング「チー牛」でした。

「意図してる?偶然?どっちにしても天才では」という声が飛び交い、タイムラインにパロディ投稿が次々と登場しました。
私もこの投稿を見かけて、思わず笑いながら何度もスクロールしてしまいました。
ブランドの公式アカウントがここまでSNSを騒がせるのは、そうある光景ではありません。

「チー牛」ミームとの偶然の(?)一致

「チー牛」とは、ネット上で使われるスラングで、「チーズ牛丼を一人でうつむきながら食べているような内向きなオタク気質の人」を指す自虐的なミームです。
起源はかなり古く、2018年ごろに描かれた一枚のイラストに端を発します。
本来は自虐的なコンテキストで使われ、言葉の響きと「チー」が重なることから、あらゆる「チー」の多用がそのミームを思い起こさせるようになっていました。

マクドナルド公式の投稿では、商品名「チーズチーズダブルチーズバーガー(チーチーダブチ)」を紹介するために「チー」だらけの文体が採用されていました。
「こチーらが今回の主役です」「チーズがチーズを重ねてチーに至る」……というような表現が並ぶと、読んだ人間は笑わずにいられません。

実は、マクドナルド公式がこのような「チー」連発の投稿でバズったのは今回が初めてではありません。
2025年2月の「チーチーダブチ」再登場時にも「チーチー速報です!」という投稿が話題を呼び、「チー牛を意識してるのかは知らんけど」と注目されました。
この時から、一部のユーザーの間では「マクドナルド公式はやっている」という認識が生まれていました。

チーズチーズダブルチーズバーガーという商品

改めて商品の中身を整理しておきましょう。
チーズチーズダブルチーズバーガー(チーチーダブチ)は、ダブルチーズバーガーをベースに、ホワイトチェダーチーズをさらに2枚追加した、計4枚のチーズを楽しめる期間限定バーガーです。
2026年6月3日(水)から6月16日(火)までの2週間限定で、全国のマクドナルドで販売されています(単品550円〜、バリューセット830円〜)。

栄養面に目を向けると、561kcalでたんぱく質32.3gと、ファストフードとしては優秀なたんぱく質量を誇ります。

この投稿のように、商品の栄養価に着目したポジティブな評価もXには多く見られました。
「マック行っていい理由ができた」とトレーニーたちの食いつきも良く、様々な文脈で話題が広がっています。

賛否が広がる「チー牛意識型マーケティング」

バズりの背景には、ユーザーが「意図的か偶然か」を判断できないグレーゾーンが生まれたことがあります。

チー牛ミームを明示的に使えば炎上リスクがある(実際、過去にはネガティブな語源を持つ言葉を軽く使ったとして批判を受けた事例もありました)。
しかし、マクドナルド公式の場合は「チーズ商品なのでチーが多いのは自然」という逃げ道が常に存在します。
「わかる人にはわかる」暗号のような使い方が、笑いを呼びつつも炎上を回避する絶妙なバランスを生み出しています。

こうした「ギリギリの遊び」は、SNS上のオーディエンスが共有する文化をブランドが巧みに読んでいないとできません。
X上で形成されるサブカルチャーの文脈を理解していなければ、どんなに予算をかけたコピーライティングも滑ってしまいます。
今回のバズは、マクドナルドの中の人たちがXのリアルなユーザー文化を熟知しているからこそ起きた出来事だと感じます。

一方で、「チー牛はもともとネガティブな意味合いで使われてきた言葉だから、大企業がネタにするのはどうか」という批判的な意見も少なくありませんでした。
同じ投稿が「天才マーケティング」と「デリカシーがない」の両方に受け取られる——これがSNSでのブランドコミュニケーションの難しさでもあります。

企業公式SNSが学べること

今回の事例が示唆するのは、「バイラルはコントロールできないが、土台は作れる」ということです。

マクドナルド公式はこれまでも、謎の予告投稿、キャラクターの一人語り、他企業アカウントとの掛け合いなど、多様な手法でXを盛り上げてきました(過去には声優の江口拓也とコラボして「俺の産声はチーだった」というセリフを公開し笑いを取るなど、クリエイティブの振り切り方が際立っています)。
それらの積み重ねが「マクドナルド公式は何かやらかす」という期待値を形成し、今回のバズへの土台になっています。

すなわち、バイラルは1投稿で狙えるものではなく、継続的なキャラクター構築の結果として偶発的に起きるということです。
「今日から面白い投稿をしよう」と決めても、フォロワーが「このアカウントはどうせ面白いことをやる」と信じていなければ、同じネタは全く反応されません。

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まとめ

マクドナルドのチーチーダブチ投稿が9000いいねを超えたのは、偶然のように見えて、実は長年培ってきた「Xを熟知した中の人」の存在が生み出した必然でした。
ブランドSNSが「共感と笑い」を生む構造を理解し、自社のキャラクターを育て続けることの大切さを改めて実感させてくれる事例です。