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猫コミュニティに”AI投稿”が急増中——X民が感じた「気味の悪さ」の正体

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月19日 更新
猫コミュニティに”AI投稿”が急増中——X民が感じた「気味の悪さ」の正体

猫が好きな人なら、ほぼ毎日X(旧Twitter)で猫関連のコミュニティをのぞいていると思います。

愛猫の可愛いしぐさを共有したり、猫カフェの情報を交換したり——そんな温かい場所に、最近「なんかおかしい」投稿が増えている、という声がひっそりと広がっています。

2026年6月18日の朝、熱海の猫バー「Muddy Cat」を運営するアカウントが、あるスクリーンショットをXに共有しました。
猫コミュニティに出没し始めた新規アカウントの投稿。
「指先がじゅんわり温かくなる…」「毛皮の柔らかさが心まで伝わってきて…」といった、過剰なほど詩的な描写。
そして不自然なほどピントの甘い猫の画像。

この投稿は60万回以上閲覧され、「気味が悪い」「絶対AIが書いてる」という声が相次ぎました。

“詩的すぎる”猫投稿が気持ち悪い理由

問題の投稿には、いくつかの共通点がありました。

アカウントは新規。
プロフィールはそれらしく整っているものの、投稿履歴が浅い。
そして肝心の文体が「人間が書いたにしては丁寧すぎる」のです。

「猫の柔らかさを感じると、なぜか心が落ち着きます。
あなたはそんな経験はありますか?」——一見普通の感想ですが、猫好きの間では「こういう言い方は普通しない」という違和感がすぐに共有されました。

さらに指摘されたのが、画像の不自然さです。
猫の毛の流れや背景のボケ方が、実際に撮影した写真とは微妙に異なる。
AI生成画像が疑われるのは、こうした細部の違和感からでした。

「Muddy Cat」の投稿への反応では「返信しないでそのままブロックして」という声が圧倒的多数。
ユーザーたちは既に”自衛の文化”を作り始めていました。

猫だけじゃない——「街歩き」「園芸」にも出没

このような不自然なAI投稿が確認されているのは、猫コミュニティだけではありません。

街歩きや園芸界隈でも同様のアカウントが目撃されており、その手口も似ています。
「路地裏の静けさが、なぜか心を洗ってくれます。
あなたの街にもこんな場所がありますか?」「土から芽が出る瞬間の喜びを、言葉にするのが難しいですね」——趣味のコミュニティに馴染もうとする”感情っぽい”文章が特徴です。

これはSNS上の新しい問題ではありませんが、2026年に入って急増しているのが特徴です。

Xのユーザーは以前からこうした自動投稿アカウントの問題を訴えてきました。
コミュニティを複数運営するユーザーからは「AIで文章を生成して魂のないリプを自動でつけてくるアカウントが、毎日大量に発生している」という具体的な声も上がっています。

「死ぬほどブロックしています」——こんな声が多くのいいねを集めているのが、今のXの現実です。

問題はコメントだけに留まりません。
クリエイターのコミュニティでは、オリジナルのイラストや写真がAI加工で無断転載されるケースも相次いでいます。
「また私のイラストを無断使用されているようです。
背景色を変えてあるので、フォトショか生成AIを通しているかと。
結構な頻度でやられるので、そろそろ弁護士に相談しないといけないかも」——そんな訴えが1,700以上のいいねを集めました。

AIを使ったコンテンツの”侵食”は、コミュニティの「体験の種類」ごとに形を変えながら広がっています。

インプレッション稼ぎとAI——進化した”ゾンビ”の正体

こうした投稿が急増している背景には、Xの収益化プログラム(広告収益分配制度)があります。

一定のインプレッション数(表示回数)を獲得すると、Xから広告収益の一部が支払われる仕組みです。
これを悪用して、AI生成文章を使った大量投稿でインプレッションを稼ごうとするアカウント群が台頭しています。

以前のスパムアカウントは「いいね!」「最高です!」といった無意味な短文リプライが主流でした。
しかし今は違います。
AI(ChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデル)を使うことで、「文脈があるように見える」「感情があるように見える」長文を低コストで大量生成できるようになりました。
以前のスパムとはまるで違うのです。

猫の柔らかさを語り、街の静けさに感動し、土の恵みを讃える——AIが書いた投稿は、今や表面上では人間の投稿と区別がつきにくくなっています。

こうしたアカウントは凍結を避けるために「自然な人間っぽい行動パターン」を真似るよう設計されています。
プロフィールも架空の日常が書かれていることが多く、一見すると普通のユーザーと見分けがつきません。

さらに深掘りしたい方へ

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SocialReport編集部の考察

今回の「猫コミュニティAI投稿」の問題は、ブランドのSNS運用担当者にとっても他人事ではありません。

SNSマーケティングの世界では、ファンコミュニティは「ブランドの資産」として機能します。
猫グッズメーカー、ペットフードブランド、動物病院チェーン——猫好きのコミュニティに接点を持つブランドは多く、そのコミュニティの質は、ブランドイメージに直結します。

AI投稿の急増は、コミュニティへの「信頼感」を少しずつ蝕む問題です。

「返信が来ても本物の猫好きかわからない」「バズっても反応がAIじゃないか疑う」——そんな疲弊感がコミュニティ参加者に広がると、エンゲージメント(参加・交流)の質が低下します。
SocialReportのデータ分析からも、コミュニティの「リプライ質」が低下するほど、フォロワーのアクティブ率が落ちる傾向が見られます。

ブランドのX運用担当者に今すぐできる対策として、以下を提案します。

まず、キャンペーンやプレゼント企画の際はリプライ欄を定期的に巡回し、AI的な文体・新規アカウントからの投稿をチェックすること。
「いつもと違うリズムの返信」はAI生成の可能性があります。

次に、リプライ設定を「フォロワーのみ」か「認証済みのみ」に限定するオプションも検討すること。
コミュニティの質を守るために、入口を絞ることも戦略です。

そして何より、ブランド公式の「本物の声」を発信し続けることが重要です。
AIが真似できない具体性——「今日の新商品は開発チームが〇〇を試行した結果です」という一次情報や、スタッフの個性が出た投稿が、ブランドコミュニティの「温度」を保ちます。

猫コミュニティが直面している問題は、SNS全体の問題の縮図です。
AIが人間の言葉を上手に真似ることができるようになった今、「本物の人間が発する言葉のぬくもり」がかえって際立つ時代になっているのかもしれません。

まとめ

X猫コミュニティにAI生成らしき不自然な投稿が急増し、60万閲覧を超える話題となりました。
インプレッション稼ぎを目的としたこうしたアカウントは、猫だけでなく街歩きや園芸など趣味コミュニティ全般に侵食しており、ユーザーは即ブロックで対応しています。
ブランドのSNS運用においても、コミュニティの質を守るためのアクティブな監視と、本物の人間の言葉による発信が、かつてなく重要になっています。