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吉本興業、TikTok収益2割徴収の新ルールで芸人から疑問の声

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月19日 更新
吉本興業、TikTok収益2割徴収の新ルールで芸人から疑問の声

TikTokで頑張って稼いだ収益が、突然2割引かれる——そんなルールが今年から吉本興業で始まっていたことが、SNS上で話題になっています。
自分で企画して撮影して編集して、ようやく稼いだ収益に「事務所の取り分」が発生するとしたら、芸人たちがどう感じるかは想像に難くありません。

この話を知ったのは、現役所属芸人のHIWAさんがXに投稿したポストがきっかけでした。
「お金を取られるのが嫌なのではなく、納得できる理由が欲しい」という言葉が590万を超えるインプレッション(投稿が表示された延べ回数)を集め、SNS運用やクリエイターエコノミー(インターネット上でコンテンツを作って収益を得る経済圏)に関心のある人たちの間でも大きな注目を集めました。

TikTok収益2割徴収、変更の中身

今年2月、吉本興業は所属の全芸人に新しい契約書を配布しました。
そこに含まれていた変更が大きく二つあります。

一つ目は、TikTok収益の約2割を事務所が徴収するという新ルール
二つ目は、「4週間連絡が取れない場合に契約を解除できる」という条項の追加です。

吉本興業側の説明によると、TikTokの営業対応や炎上・トラブル処理に特化した専門部署を立ち上げることが徴収の理由とされています。
「その部署の運営コストとして、収益の2割を負担してほしい」という論理です。

しかし、若手芸人を中心に疑問の声が続出しています。
「実際に配信しているのは自分たちで、社員よりプラットフォームのシステムを熟知しているのに、なぜ2割も支払わなければならないのか」——そんな率直な不満が広がっているのです。

「納得できる理由が欲しい」——Xで広がった反応

吉本興業所属の現役芸人・HIWAさんが投稿したのが、次のポストです。

「お金を取られるのが嫌なのではなく、納得できる理由が欲しい。
具体的にどんな支援をしてくれて2割引かれるのか教えてください」という率直な発信は、3000を超えるいいねを集めました。
「吉本の看板を使っているなら当然」という意見がある一方で、「支援の中身が見えないまま2割は厳しい」と共感する声も多く寄せられています。

そして、元吉本所属の芸人からはさらに衝撃的な証言も飛び出しました。

「僕が吉本にいた時はYouTube収益の6割取られていました。
機材の準備・企画・撮影・編集すべて自分でやっているのに6割天引き。
吉本興業から4割、吉本のYouTube事務所から2割の合計6割引くという説明でした」という投稿は、2300を超えるいいねを集めました。
吉本興業の徴収率が実は以前からずっと高かったことを示す証言として、議論をさらに広げています。

調べてわかったこと:ルール変更の背景

今回のルール変更の背景を調べると、令和ロマンの高比良くるまさんの一件が浮かび上がります。
2025年のオンラインカジノ騒動でマネージャーの連絡を無視し、YouTubeで独断謝罪した際に4週間近く連絡が取れない状況が発生。
これが「4週間連絡不能で契約解除」条項を追加するきっかけになったとされています。

SNSトラブルの増加と、TikTok・YouTubeを活用する芸人の台頭。
その二つが重なったことで、事務所として「SNSを組織的に管理する必要がある」という判断が生まれたのかもしれません。

芸能事務所がSNS収益に関与するのは今に始まった話ではありません。
MCN(マルチチャンネルネットワーク:YouTuberなどのコンテンツクリエイターをまとめてマネジメントする組織)という形態が海外では以前から存在し、チャンネル登録者の獲得支援・広告営業・炎上対策を担う代わりに収益の一部を受け取る仕組みが普及しています。

吉本興業の動きは、いわゆる「芸能事務所のMCN化」といえるかもしれません。
ただし、MCNが機能するのは「何をしてくれるから何割もらう」という対価の根拠が明確なためです。
今回の不満の核心は「支援の中身が見えない」ことにあります。

さらに深掘りしたい方へ

フォロワー数は関係ない——美容コミュニティが仕掛ける、PR案件の民主化フォロワー数は関係ない——美容コミュニティが仕掛ける、PR案件の民主化フォロワー数が少なくてもPR案件を取れる時代。 マイクロインフルエンサーへの注目が高まっています。

SocialReport編集部の考察

この問題は「吉本と芸人」という特定の関係性の話に見えますが、SNSマーケティングに関わる立場からは、より普遍的な問いを突きつけています。

「SNS収益をどう分配するか」は、企業がインフルエンサーや社内クリエイターを起用する際の契約設計と直結している課題です。
今回の吉本のケースで芸人たちが求めているのは「納得できる対価の根拠」——つまり、費用対効果の可視化です。
この感覚は、企業がインフルエンサーと報酬交渉をする際に求められる視点と全く同じです。

また、事務所がTikTok専門部署を設けるという動きは、ブランド企業がSNS専任チームを社内に設けるトレンドとも重なります。
TikTokのアルゴリズム(投稿内容の表示順を決める仕組み)は他プラットフォームと大きく異なり、専門ノウハウの価値が高い。
「専門部署のコストとして収益の一部を引く」というモデルは、一定の合理性を持ちます。

ただし、透明性のない徴収は、クリエイターのモチベーション低下→コンテンツ品質の低下→拡散力の低下という連鎖を招きかねません。
SocialReportのデータでも繰り返し確認されているように、クリエイターが自律的に動くほうがエンゲージメント率(投稿へのリアクション率)は高くなる傾向があります。

SNSを活用するすべての組織が、今回の騒動を「他山の石」として受け取るべき事例といえるでしょう。
インフルエンサー施策や社内SNS運用において、収益・報酬の分配基準を透明にすることが、長期的なパフォーマンスの維持につながるはずです。

まとめ

吉本興業がTikTok収益の2割を徴収する新ルールを導入したことが、所属芸人から「納得できる理由を」という率直な声を引き出しました。
事務所のMCN化・専門部署設置自体は時代の流れに即した動きですが、対価の根拠を透明に示せるかどうかが信頼関係の鍵になります。
SNSを活用する企業やブランドにとっても、クリエイターとの収益分配設計を見直す機会として注目したい話題です。