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Xの衝撃的な体験談、実は創作かもしれない——アル・けんすう氏の指摘が広げた「Xリテラシー」という視点

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月21日 更新
Xの衝撃的な体験談、実は創作かもしれない——アル・けんすう氏の指摘が広げた「Xリテラシー」という視点

Xのタイムラインを眺めていると、「信じられない職場の上司」「ひどいことをしてくる夫」「突然豹変した友人」——こんな極端な人間関係の体験談を1日に何度も目にしませんか。

私もずっと「理不尽な目に遭っている人って本当に多いんだな」と思いながら読んでいました。
ところが2026年6月21日、アル代表のけんすう氏(@kensuu)がXに投稿したひとことで、その認識がひっくり返りました。

「Xで見る極端な体験談の多くは、収益化やアフィリエイト目的の創作かもしれない」という指摘です。

これが数時間で8万表示を超え、「ずっとそう思ってた」「だからXがしんどいと感じていた」という共感の声が次々と集まりました。
SNS運用担当者にとっても、プラットフォームの構造を理解する上でとても重要な話だと感じて、深掘りしてみました。

センセーショナルな投稿がバズる「仕組み」を解剖する

けんすう氏が指摘したポイントは大きく2つです。

ひとつは、Xのアルゴリズムがセンセーショナルな内容を優先しやすいという構造。
いいね・リポスト・コメントなど、感情的に揺さぶられる投稿ほど短時間で反応が集まるため、アルゴリズムが高評価し拡散します。

もうひとつは、X Premium(プレミアム)の収益シェアの仕組みです。
Premium登録者は、自分の投稿にほかのPremiumユーザーが反応すると収益が発生します。
つまり「炎上系・煽り系の投稿でインプレッションを稼ぐ」ことが、収益に直結するわけです。

けんすう氏が具体的な手口として挙げたのが、「Threadsで過激なキャラクターのアカウントを作り、そのアカウントをXで晒す」という方法です。
晒し投稿は「こんなひどい人間がいる!」という文脈で一気に拡散します。
晒している側のアカウントが収益を得る構造になっているわけです。

この指摘に対して、Threads代表の栗田氏も「あるある」と同調し、複数のインフルエンサーや子育てアカウントの運営者も「実話もあるが、創作も多い」とリプライで認めています。

「Xを小説家になろうと思って読む」というメンタルモデル

けんすう氏が最後に提案した視点が特に面白くて、「Xを『小説家になろう』みたいなフィクションの場として楽しむと精神衛生に良い」というものでした。

つまり、「この体験談が本当かどうか」を大前提に信じて怒ったり悲しんだりするのではなく、「これはひとつのコンテンツである」というメタな視点で眺める、ということです。

SNS運用に携わっている方であれば、これは非常に大切なリテラシーです。
Xのタイムラインには、ユーザーの感情を動かすよう設計されたコンテンツが大量に流通しています。
それを「情報」として受け取るか「エンタメ」として消費するか——意識的に切り替えられると、プラットフォームとの付き合い方が変わってきます。

Xアルゴリズムの「現在地」を一次情報で確認してみた

気になって、2026年のXアルゴリズムの最新動向を調べてみました。

実は2026年5月以降、XはPhoenix(フェニックス)と呼ばれる新しいレコメンドモデルを稼働させており、アルゴリズムの方針が変わりつつあります。
公式が掲げるいちばんの目標は「見たあとに後悔しない時間を増やすこと」。

具体的には、ミュートやブロック、通報といったネガティブな反応が増える投稿はマイナス評価を受けます。
小手先の炎上狙いや「煽り」投稿は、短期的にインプレッションを稼いでも、長期的にはアカウントの信頼スコアを下げる仕組みになっています。

返信・リポスト・クリック・動画視聴時間など、多様な行動指標を総合的に評価するため、「いいね数だけ多くてもフォロワーが増えない」という現象が起きやすくなっています。

けんすう氏が指摘した「Premiumの収益シェアがセンセーショナルな投稿を後押しする」という構造は確かに存在します。
一方でアルゴリズムはそれを徐々に抑制しようとしています。
この2つの力が拮抗しているのが、現在のXの実態といえそうです。

さらに深掘りしたい方へ

「炎上系エッセイ漫画」を副業として量産させる商売が告発される——SNSの「怒り経済」を解剖する「炎上系エッセイ漫画」を副業として量産させる商売が告発される——SNSの「怒り経済」を解剖するXのタイムラインを流れていると、「うちの夫がひどい」「職場の上司が信じられない」という内容のエッセイ漫画を見かけたことはありませんか。

SocialReport編集部の考察

今回の話で、SNS運用担当者にとって特に重要なポイントが2つあります。

ひとつは競合や他社アカウントの「バズり方」を参考にする際のリスクです。
「あの投稿はなぜバズったんだろう?」と分析するとき、それがフィクションの体験談だった場合、同じ手法を使うことはブランドの信頼を損ないます。
センセーショナルなコンテンツが一時的にバズっていても、持続する運用の参考になるとは限りません。

もうひとつはXのアルゴリズム変化とブランドアカウントの戦略です。
2026年のアルゴリズムアップデートはセンセーショナル投稿を抑制する方向に進んでいます。
企業アカウントが長期的に評価されるには、「感情を煽る」より「価値を届ける」投稿の積み上げが、より安定した戦略になってきています。

SocialReportでは、エンゲージメント率・リーチ・リポスト数といった指標を組み合わせることで、「一時的なバズ」と「継続的な信頼獲得」の違いを可視化できます。
Xアカウントの運用方針を見直す際の参考指標として、ぜひご活用ください。

まとめ

けんすう氏の指摘は、「Xの過激投稿の多くが創作かもしれない」という個人的な感想にとどまりません。
アルゴリズムと収益化の仕組みから裏打ちされた、構造的な問題を突いています。
SNS担当者として大切なのは、プラットフォームの情報をリテラシーを持って読み解く力と、自分たちのアカウントでは「信頼に値する価値」を届けるという方針を持ち続けることではないでしょうか。