「10年!」から始まる祝福投稿、Xの周年通知はなぜ15年でぴたりと終わるのか
「10年!🎊」。
8月10日、あるユーザーがそんな一言とともに折り紙のような輪飾りの画像を投稿しました。
アカウントを作った日をXの通知で知らされ、思いがけず節目を祝う流れになったといいます。
こうした投稿がここ数日、Xのタイムラインに次々と並んでいます。
きっかけは「#MyXAnniversary」。
アカウント登録日にXが自動で送る、周年専用のカード通知です。
SNS運用者やブランド担当者にとっては、プラットフォームが用意した「エンゲージメントの仕掛け」がどう機能しているかを見る材料にもなります。
先に結論をまとめると:
– Xの周年通知は1年目から15年目までしか用意されておらず、16年目以降は仕様上カードが届かない
– 通知の有無はアプリの設定・タイムゾーン・ログイン状況にも左右され、全員に平等には届いていない
– ブランドアカウントの継続的な接点作りを、プラットフォーム任せの通知機能だけに委ねるのはリスクがある

何が起きたのか
Xは登録から満年数を迎えたユーザーに対し、その日だけ表示される周年カードを自動生成する機能を持っています。
今回話題になった投稿主も、本来の「開設記念日」ではなく実際のアカウント作成日にこの通知を受け取り、驚きとともに10年間の利用を振り返っていました。
10年!🎊
— 阿澄佳奈 (@0812asumikana) 2026年8月10日
運用を開始したのは明後日のお誕生日からではありますが、アカウントを作ったのは実は今日だったらしいです。
ペルソナ3の舞台きっかけで最初はお試しで始めたTwitter(当時)でしたが、みなさまのおかげさまで楽しく続けさせていただけております。
ありがとうございます🥳#MyXAnniversary pic.twitter.com/VRmOGGSpw6
似たような投稿は他のユーザーからも相次いでいて、6年目を迎えて驚く人、15年という長い付き合いに感謝を述べる人など、反応の温度感はさまざまです。
ただ、これだけ多くの人が同じタイミングで反応しているのを見ると、「なぜこの通知はこんなに拡散力があるのか」という疑問が湧いてきます。
調べて分かったこと
この機能はいつから、なぜ作られたのか
「#MyXAnniversary」はTwitter時代の「#MyTwitterAnniversary」が前身で、2023年の社名変更に合わせてハッシュタグ名だけが引き継がれた機能です。
アカウントの生年月日に合わせてカードを自動生成し、そのままポストできる仕組みは当時から大きく変わっていません。
企業側からすると、ユーザーに何かを作らせる手間をかけずに、記念日という感情の乗りやすいタイミングで自然な投稿を促せる、低コストな設計だといえます。
なぜ15年で通知が止まるのか
もう一つ気になるのが「上限」です。
X(Twitter)のアカウント自体は2006年に始まっていて、古参ユーザーの中には利用歴が16年、17年に達している人も少なくありません。
ところが周年カードは15周年分までしか用意されておらず、それを超えると通知そのものが届かなくなります。
X公式はこの仕様について明確な説明を出していないため、「なぜ15年で区切ったのか」は今のところ推測の域を出ません。
ただ、通知テンプレートを年数分だけ用意する運用上、際限なく数字を増やし続けるよりは上限を設ける方が管理しやすいという事情はありそうです。
通知が来ない人がいるのはなぜか
長年の利用者でも「通知が来ない」という声は珍しくありません。
理由として考えられるのは、端末やアプリ側の通知設定がオフになっている、正確な登録日にログインしていない、タイムゾーンの計算で対象日がずれるといった条件です。
つまりこの機能は「該当者全員に届く」設計ではなく、条件がそろった一部のユーザーだけが体験できる仕組みだと考えられます。
裏を返せば、通知を受け取れなかった人は「今年は来なかった」と気づいた時点で初めて、この機能の存在そのものを意識することになります。
届いた年は当たり前のように受け止め、届かなくなって初めてありがたみに気づく——通知系の機能にはよくある構造ですが、周年という一年に一度しか検証できないタイミングだからこそ、不具合なのか仕様なのかをユーザー側が判断しづらいという難しさもありそうです。
Shiritomo編集部の考察:通知に頼らない接点設計を
この一件で興味深いのは、「継続していることを喜んでもらう」仕掛けが、プラットフォーム側の一存で上限や条件付きになっているという点です。
企業の公式アカウントがフォロワーとの「〇周年」を演出したい場合、X標準の通知機能はどのユーザーにいつ届くかをコントロールできません。
15年という上限や通知不達の条件を踏まえると、通知任せでは長期ユーザーの節目を取りこぼしかねません。
フォロワー登録日を自社側で記録し、任意のタイミングで独自にお祝い投稿やDMを送る。
そんなプラットフォーム機能に依存しない設計を持っておく方が安全でしょう。
逆に言えば、この「条件つきでしか届かない」不完全さがあるからこそ、通知を受け取れた人の投稿はより「特別な体験」として拡散されやすいのかもしれません。
まとめ
Xの周年通知は、無条件に全員へ届く親切な機能ではなく、15年という上限や通知設定に左右される、意外と条件つきの仕組みでした。
話題になっている温かい投稿の裏には、こうした設計上の限界があることも知っておくとよさそうです。