「今どき要らないだろ」に「わかる」が数百件——乃木坂46トランシーバー衝動買いが呼び起こした無線機のロマン
5000円。
バラエティ番組のワンシーンで、あるメンバーが自分へのご褒美にトランシーバーをポンと買った。
それだけの出来事が、X上で「トランシーバー」というワードをトレンド入りさせるほどの反応を呼んだ。
『乃木坂工事中』でのお買い物企画がきっかけだ。
メンバーがヘッドセット付きの本格的な無線機を衝動買いしたエピソードに、視聴者の反応は真っ二つに割れている。
この記事を読んでいるあなたも、実家の押し入れに眠るトランシーバーに心当たりがあるかもしれない。
なぜ今、この「レトロな通信機器」がここまで人の感情を動かすのか、少し掘り下げてみたい。
先に結論をまとめると:
– 話題の中心は「特定小電力トランシーバー」という、免許も資格もいらずに買ってすぐ使える無線機
– 通信距離はスマホの感覚からすると短い100〜500m程度だが、電波さえ届けば圏外知らずで確実につながる
– ディズニーなど「大勢で離れて動くイベント」では今も現役の実用ツールとして選ばれている
Xで割れた「わかる派」と「要らない派」
番組内容は、テレビ大阪の番組表にも「驚愕!お買い物事情を大公開 金でメンバー大揉め!?」と載っている企画で、メンバーそれぞれが私物の買い物を持ち寄り、値段を巡ってやり取りする内容だった。
その中の一つが、ヘッドセット付きの本格仕様トランシーバーだったという。

Xでは「トランシーバー」というワード自体がトレンドに入るほど反応が集まった。
「トランシーバー」がトレンド入りしていると思ったら🤔#乃木坂工事中
— おだQ司令 (@odaQshirei) 2026年8月2日
一方で、共演者の反応が分かれたことも話題を後押しした。
あるメンバーがトランシーバーの魅力をまったく理解できず戸惑う様子に、多くの視聴者が「わかる」「いや、わからなくもない」とコメントを重ねている。
「今どき要らないだろ」という冷めた声と、「昭和のロマンだよね」という懐かしむ声が、ほぼ同じ熱量でタイムラインに並んだのがこの日の特徴だ。
ただ、この温度差だけを見ていても「結局トランシーバーとは何なのか」はわからない。
実際に今どんな場面で使われているのか、一次情報を確かめてみた。
調べて分かったこと
なぜ免許も資格もいらずに買ってすぐ使えるのか?
番組で話題になったような市販のトランシーバーの多くは、電波法上「特定小電力無線局」に区分される機器だ。
出力が0.01W(10mW)以下に抑えられているため他の電波と干渉しにくく、無線局の免許申請も無線従事者の資格も不要と定められている。
家電量販店やネット通販で購入したその日から、箱を開けてすぐに使い始められるのはこのためだ。
使用する周波数帯は主に400MHz帯で、通信距離の目安は障害物のない見通しの良い場所で100〜500m程度とされる。
スマホがあるのに、今トランシーバーを買う意味は?
LINE通話やビデオ通話が当たり前になった今、あえて無線機を選ぶ理由は「圏外や電波干渉に強く、応答が一瞬で済む」という一点に集約される。
スマホは基地局を経由する分どうしても通話開始までにワンテンポかかるが、トランシーバーはボタンを押した瞬間に声が届く。
実際、Xでは仕事道具として使っていた経験を明かす投稿も見られた。
トランシーバー購入して自滅するアイドル初めて見て相当笑った
— わいゆう (@zkhzcn_37) 2026年8月2日
前職で使用してたからリアミの時とか持ってきてくれたら対応出来るのでぜひ(?)#乃木坂工事中#長嶋凛桜 pic.twitter.com/i5qROTqljJ
こうした「複数人が離れて動きながら、即座に連携したい」という場面は、家族旅行やアウトドアイベント、大規模な運動会など今も少なくない。
スマホの通知を待つより、ボタン一つで声が届く安心感を選ぶ人が一定数いるのは、決して懐古趣味だけの話ではなさそうだ。
「昭和のロマン」という言葉の正体は?
X上のコメントで目立ったのが「昭和のロマン」という表現だった。
トランシーバーが子ども向け玩具や刑事ドラマの小道具として広く親しまれたのは1970〜80年代にかけてで、当時を知る世代にとっては秘密基地遊びや冒険心の象徴でもある。
今回のエピソードで「懐かしい」という反応が多かったのは、単に古い道具というだけでなく、その時代の記憶と結びついた感情が呼び起こされたためだと考えられる。
一方で、その体験を共有していない世代からすれば「今どき要らない」という反応になるのも自然な話で、この世代間の温度差こそが今回の盛り上がりの正体だったのだろう。
Shiritomo GADGET編集部の考察:「即時性」を求める道具は形を変えて残る
トランシーバーが今も一定の需要を保っているのは、皮肉にもスマホが普及しきったからこそだと編集部では見ている。
あらゆる通信がスマホに集約された結果、逆に「アプリを開く」「通知を待つ」という一手間が煩わしく感じられる場面が浮き彫りになった。
トランシーバーの「押せば即つながる」というシンプルさは、通知過多の時代に生まれた新しい価値と言える。
実際、同種の発想はスマートウォッチの物理ボタンや、ワイヤレスイヤホンのタップ操作にも表れている。
「多機能さ」より「反応の速さ」を評価する層は確実に存在し、今後も特定のシーンに特化したシンプルなガジェットが見直される流れは続きそうだ。
トランシーバー自体が大きく進化することは考えにくいが、キャンプやフェスなど「みんなでスマホを触らない時間」を楽しむ文脈で、静かに再評価が進む可能性はある。
まとめ
5000円の衝動買いから始まった今回の話題は、単なる懐古ネタではなく「即時性」という現代でも通用する価値を再確認させるきっかけになった。
スマホ全盛の今だからこそ、あえてシンプルな道具を選ぶ人がいる理由が見えてくる。
さらに深掘りしたい方へ
特定小電力トランシーバーの仕組みや選び方をより詳しく知りたい方は、以下の情報が参考になる。