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『オデュッセイア』公開13日で興収15億円突破、ノーランが参考にしたのは黒澤明の『乱』だった

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月25日 更新
『オデュッセイア』公開13日で興収15億円突破、ノーランが参考にしたのは黒澤明の『乱』だった

9月11日の公開からわずか13日、IMAX先行上映を含めても20日。
この短期間で『オデュッセイア』の国内興行収入は15億円を突破しました。
しかも2週目に入ってなお、IMAX版の動員・興収はともに前週比116%超という伸びを見せています。
普通、映画の興収は公開初週をピークに落ちていくものですが、この作品は逆の動きをしています。

続編でもシリーズものでもない、ギリシャ神話を題材にした一本立ての大作が、なぜ公開2週目に加速するのか。
SNSでは興収の数字そのものより、クリストファー・ノーラン監督が参考にした映画が黒澤明の『乱』だったという話題も広がっています。
制作の背景を知ってから鑑賞したいと考える映画ファンの間で関心を集めているようです。
興収の伸び方と、その裏にある作り手の意図を調べてみました。

先に結論をまとめると:
– 『オデュッセイア』は公開13日で国内興収15億円を突破、IMAX版は公開2週目でも前週比116%超の伸びを継続中
– 全世界興収は17.2億ドルに達し、2025年の日本映画界の年間興収を1作品だけで上回る記録的なヒットになっている
– ノーラン監督は本作の制作にあたり、黒澤明『乱』(1985年)とアンドレイ・タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』を参考作品に挙げている

公開2週目でも失速しない興収、Xでも話題に

映画.comが9月24日に報じたところによると、『オデュッセイア』の国内興行収入は9月23日時点で15億6176万9520円に到達しました。
公開初日から2週目に入ってもIMAX版の勢いは衰えるどころか強まっていて、週末の動員に占めるIMAXの割合は34.5%、興収では43.2%を占めています。
2D(字幕・吹替)、IMAX、Dolby Cinema、4DX(字幕・吹替)、MX4D(字幕・吹替)、35mmフィルムと、実に6形式9バージョンで公開されています。
この中で大型フォーマットに客足が集中しているのが今回の特徴です。

Xでは興収の数字とは別の角度からも話題が広がっていました。
映画ファンのアカウントが、ノーラン監督が本作を撮るにあたって参考にした作品の一つとして黒澤明監督の『乱』(1985年)を挙げ、3000件超のいいねを集めています。

投稿には『乱』のポスターと本編の場面写真が添えられていて、赤い旗指物を掲げた騎馬武者の一団が荒野を駆ける様子や、白装束の老武将が焼け落ちる城を背に歩く場面が写っています。
投稿主は「あまりにもバケモン映画すぎる」と評していますが、ハリウッドの超大作が40年前の日本映画を手本にしているという組み合わせ自体が、多くの映画好きの目を引いたようです。
ただ、この参考関係が投稿者個人の解釈なのか、監督本人が公言していることなのかまでは、ツイート単体では分かりません。
そこで一次情報を確かめてみました。

調べて分かったこと

ノーラン監督が黒澤明『乱』を参考にしたというのは本当か?

映画評論サイトCINEMOREの記事では、本作の映像表現に黒澤明『乱』(1985年)とアンドレイ・タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』(1966年)の影響が見られると分析されています。
『乱』からは風になびく旗指物の映像表現、『アンドレイ・ルブリョフ』からは泥や炎といった質感の描き方が重なるとされ、特撮の先駆者レイ・ハリーハウゼンが手がけた『アルゴ探検隊の大冒険』や『タイタンの戦い』の怪物表現も、影響の一つとして挙げられています。
先ほどのXの投稿が伝えていた「『乱』を参考にした」という話は、映画評論の一次情報とも一致する内容でした。
SNS上の映画ファンの気づきが、後追いの報道と符合する珍しい例といえそうです。

なぜIMAX版がここまで強いのか?

背景には、この作品が「長編映画史上初の全編IMAXフィルムカメラ撮影」という制作手法そのものにあります。
本作のために新たに開発されたIMAXフィルムカメラを使い、全編をIMAX独自の1.43:1という縦に大きな画角で撮影しました。
IMAX上映館でしか本来の画角を体験できない作りになっているため、通常の映画以上に「劇場を選ぶ」動機が観客側に生まれやすくなっています。
IMAX先行上映は9月4日から全国62館で始まっており、公開2週目に入っても勢いが落ちないのは、口コミで「IMAXで観るべき作品」という評判が広まった結果と考えられます。

世界的にはどれくらいの記録なのか?

全世界興行収入は9月20日時点で17.2億ドル(約2786億円)に到達し、2025年の日本映画界全体の年間興行収入(2744億5200万円)を、この1作品だけで上回る規模になっています。
さらに8月時点の報道では、R指定映画としては歴代世界興収1位を記録したとも伝えられています。
原作はオデュッセウスの帰還を描くホメロスの叙事詩で、マット・デイモンがオデュッセウス、トム・ホランドが息子テレマコス、アン・ハサウェイが妻ペネロペ、ゼンデイヤが女神アテナを演じています。
上映時間は2時間52分です。
作品としての核心的な展開はここでは触れませんが、公開から2週間を過ぎても勢いが衰えない大作は、日本の映画市場では珍しい部類に入ります。

Shiritomo MOVIE編集部の考察

今回の事例で興味深いのは、興収というマクロな数字と、監督の参考作品というミクロな話題が、同じタイミングでSNS上を並走していた点です。
通常、興行成績のニュースはメディアの記事が数字を伝えるだけで終わりがちですが、今回は映画ファン個人の投稿が「なぜこの映像になったのか」という制作背景の側から話題を補強していました。
数字だけを追う報道と、作り手の意図を読み解こうとするファンの投稿は、拡散のされ方が異なります。
前者はニュースとして瞬発的に広がり、後者は「知っていると鑑賞体験が変わる」情報としてじわじわ引用され続ける傾向があります。
IMAXという上映形式自体が話題化のトリガーになっている点も見逃せません。
作品の中身だけでなく「どの設備で観るか」という体験の差がSNSでの語られ方を左右する構造は、今後の大作映画のプロモーションでも意識される要素になりそうです。

まとめ

『オデュッセイア』は公開13日で興収15億円を突破し、2週目に入ってもIMAX版が前週比116%超で伸び続けるという、日本の映画市場では異例の推移を見せています。
その勢いの背景には全編IMAXフィルムカメラ撮影という制作手法があり、SNSで話題になった黒澤明『乱』からの影響という話も、一次情報で裏付けの取れる事実でした。

さらに深掘りしたい方へ

動員で『ちいかわ』に負けたのに興収は上回った――『オデュッセイア』で起きた逆転の中身動員で『ちいかわ』に負けたのに興収は上回った――『オデュッセイア』で起きた逆転の中身9月11日から13日までの3日間、動員24万1000人。 数字だけ見れば、27万1000人を動員した『映画 ちいかわ』に約3万人届いていません。
「スケールがメチャメチャすごかった」――『オデュッセイア』IMAX先行上映が完売続出する理由「スケールがメチャメチャすごかった」――『オデュッセイア』IMAX先行上映が完売続出する理由IMAXカメラの重さは、防音装置(ブリンプ)を付けた状態で約136キロ。 成人男性ふたり分に迫るこの機材を担ぎ続けて撮影しました。

興収の詳細な数字は映画.comの記事で報じられています。
ノーラン監督が参考にした作品についての詳しい解説はCINEMOREの特集記事にまとまっています。
上映形式や劇場情報は『オデュッセイア』公式サイトで確認できます。