サントリー×BE:FIRST「生:FIRST」が証明する、カウントダウン×生配信キャンペーンの破壊力
Xを眺めていたら、「あと4日」という数字が目に飛び込んできました。
サントリー生ビールの公式アカウントが投稿したカウントダウン画像。
そこには、JUNON、LEO、SOTA、MANATOの4人がビールグラスを掲げ、爽やかに笑顔を見せていました。
コメント欄には「かわいすぎる!」「待ってました」「絶対観る」という声が続々と寄せられています。
これは単なるコラボ告知ではありません。
SNS担当者なら見逃せない「期待感の設計」が、このキャンペーンには凝縮されています。
「生:FIRST」プロジェクトとは何か
「生:FIRST(なまファースト)」は、サントリー生ビールとBE:FIRSTがタッグを組んだ継続型コラボプロジェクトです。
プロジェクトのコンセプトは「生きよう。
いちばん自分らしい生き方で。」。
飲み物としての生ビールの爽快感と、アーティストとしてのBE:FIRSTが持つ「自分らしく生きる」というメッセージを重ね合わせた設計です。
2025年にJUNONとLEOの2人でスタートしたこのプロジェクトは、両者が共同で作詞した楽曲「BLUE」を制作。
テレビCMやWEBムービーで展開し、ファンとビール好き双方に刺さる施策として話題を呼びました。
そして2026年、プロジェクトはさらに進化します。
SOTAとMANATOが新たにメンバーに加わり、JUNON・LEO・SOTA・MANATOの4人体制へと拡大。
4人での楽曲制作は初の試みで、8月にはプロジェクトソングのリリースが予定されています。
カウントダウン投稿が引き起こした熱狂
今回の「生配信まであと4日」投稿に対するBFAN(BE:FIRSTのファン)の反応は、驚くほど即座で熱量が高いものでした。
「爽やか!」「いい顔してる」「最高すぎる」「激アツ」——こうした言葉がXのリプライ欄に並んでいます。
ポジティブなコメントが連鎖し、ファン同士で「見た?」と共有し合う構図が生まれていました。
注目すべきは、サントリー公式がカウントダウン形式を選んだことです。
「5月29日20時からYouTube生配信」という情報を単純に告知するのではなく、「あと4日」→「あと3日」→「あと2日」と段階的に発信することで、ファンの期待値を日ごとに高めていく仕掛けが施されています。
サントリー生ビール公式Xでは、撮影裏側のショット公開なども挟みながら、生配信当日に向けてコンテンツを積み上げていました。
【#生FIRST 撮影裏公開】
— 【新】サントリー生ビール (@suntorynamabeer) 2026年5月15日
明日を信じる力に🍺
日々、夢の舞台へ挑戦を続ける4人。
自分らしく遊び尽くすステージを願っています!#サン生 pic.twitter.com/Ii6NhNdmx1
このような「小出し」の情報発信は、投稿のたびにフォロワーが反応し、エンゲージメント(いいね・リポスト・コメントなどの反応指標)が積み重なっていく効果があります。
なぜ「カウントダウン×生配信」が機能するのか
SNSマーケティングの観点から見ると、このキャンペーンには複数の仕掛けが重なっています。
まずティザー(予告)戦略の観点です。
「いつ・何が起きるか」を予め宣言することで、ファンのカレンダーに「予定」として組み込まれます。
生配信という「リアルタイム性」が加わると、その日時に合わせて行動する理由が生まれ、参加へのモチベーションが高まります。
次にコミュニティ内の共通話題を生み出す効果があります。
カウントダウン投稿は「今日も更新された」というサイクルを作り、ファン同士が「あと○日!」と語り合うきっかけを提供します。
こうした自発的な会話の拡散は、広告費をかけずにブランド認知を広げる動きになります。
さらに生配信というフォーマットの選択も重要です。
収録済みの動画と違い、リアルタイムであることそのものが希少価値を生みます。
「この瞬間を逃したくない」という心理が視聴動機につながり、ライブ視聴者数と熱量の高いコメントを集めやすい構造です。
サントリーはこの3つの要素を組み合わせることで、単なる「コラボCM」を超えた「ファン参加型のプロセス体験」を設計しています。
「年をまたいで育てる」継続設計の強さ
このキャンペーンでもう一つ注目したいのが、2年にわたる継続性です。
2025年のJUNON&LEO版がある程度の認知と熱量を作り、2026年にSOTA・MANATOが加わることで「続編」としての期待感が生まれています。
ファンにとっては「去年のあれが進化した」という文脈があり、初めて見る人にとっても「なんか盛り上がっている」という雰囲気が伝わりやすい。
企業×アーティストのコラボは、単発で終わるものが多い中で、サントリーはこのプロジェクトをシリーズ化することに成功しています。
ブランドの世界観(自分らしく生きる)とBE:FIRSTのイメージが繰り返し重ね合わさることで、どちらの認知にもプラスになる相乗効果が生まれているのです。
ファン参加型の要素も見逃せません。
サントリーは「今日の自分に乾杯したい瞬間」をファンから募り、4人の楽曲制作の参考にするという仕掛けを取り入れています。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)として機能するだけでなく、「自分の投稿がアーティストの楽曲に影響するかもしれない」という当事者意識がファンのエンゲージメントを高めています。
We are #生FIRST
— 【新】サントリー生ビール (@suntorynamabeer) 2026年4月29日
生きよう。
いちばん自分らしい生き方で。
生きよう。
いちばん生ビールがうまい生き方で。
この思いの下、#サン生 のおいしさを届けるプロジェクトが
4人で始動!
プロジェクトソング制作も決定!
4人での楽曲制作は初🍺
8月公開予定です。https://t.co/6tzOosG5u0 pic.twitter.com/CZ3Wmnta0A
SNS担当者が学べる設計の要素
このキャンペーンから抽出できる知見を整理すると、以下のようなポイントが見えてきます。
**カウントダウンは「日程告知」ではなく「コンテンツ連載」として設計する。
** 毎日の投稿それぞれに独立した価値(撮影裏話・新画像・メンバーの一言)を持たせることで、見る理由が生まれます。
**「生」であることを活かす。
** YouTubeのライブ機能・Xのスペース・Instagramのライブは、リアルタイム感を演出することでフォロワーとの距離を縮めます。
コアファンほど「その場にいたかった」感覚を持ちやすく、終了後も語り合う余地が生まれます。
**ファンの参加余地を作る。
** 「見るだけ」でなく「語る・投稿する」フックを仕込むことで、キャンペーンの盛り上がりが自走します。
ハッシュタグ、投票、応募——どれも「自分もキャンペーンの一部」という感覚をファンに与える設計です。
大企業だからできる施策に見えるかもしれませんが、カウントダウン投稿やリアルタイム配信の仕掛け自体は、規模を問わず応用できるものです。
重要なのは、ブランドの軸(サントリーで言えば「自分らしく生きる」)に一貫性を持たせながら、ファンの感情曲線を計算して組み立てることでしょう。
さらに深掘りしたい方へ
- サントリー生ビール「生:FIRST」プロジェクト公式(THE FIRST TIMES)
- BE:FIRST×サントリー生ビール 楽曲「BLUE」制作の裏側(THE FIRST TIMES)
- サントリー生ビール 生:FIRST 公式サイト
まとめ
「生:FIRST」キャンペーンは、カウントダウン投稿・生配信・ファン参加という3つの仕掛けを組み合わせ、コラボ発表を「プロセスごと楽しめる体験」に変えたSNS戦略の好例です。
ブランドとアーティストが同じ世界観を継続的に積み上げることで生まれる信頼感と熱量は、単発のタイアップとは一線を画しており、SNSキャンペーンを設計する上でのヒントが詰まっています。
