令和ロマン×クラフトボス「#甘くない令和ロマン」4週間の最終回——ファン投稿が盛り上げたポッドキャスト連動キャンペーンの全貌
在庫1,200本の山を前に苦笑するサントリースタッフ——そんな投稿がSNSに流れたのは、キャンペーン最終回の日のことでした。
令和ロマン(吉本興業所属のお笑いコンビ)とサントリーのコラボキャンペーン「#甘くない令和ロマン」が、ちょうど幕を閉じたタイミングです。
令和ロマンは、高比良くるまと松井ケムリによる2人組。
2023・2024年のM-1グランプリで史上初の2連覇を達成し、現在もっとも注目度の高いお笑いコンビのひとつです。
松井ケムリさんは2025年6月からサントリー「クラフトボス」のウェブCMに単独出演。
その縁でスポンサーシップがポッドキャスト「令和ロマンのご様子」へと広がりました。
そのコラボの集大成が、4週間にわたって展開された「#甘くない令和ロマン」ハッシュタグキャンペーンです。
ポッドキャスト連動キャンペーンの仕組み
「令和ロマンのご様子」は、高比良くるまと松井ケムリが運営するポッドキャスト番組です。
Apple Podcast・Spotify・Amazon Music・stand.fmなど主要プラットフォームで配信されています。
エピソード数は300を超え、熱心なリスナーコミュニティを持っています。
「#甘くない令和ロマン」キャンペーンは、このポッドキャストの提供スポンサーである「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」と連動した参加型企画として設計されました。
具体的な仕組みはシンプルです。
リスナーがX(旧Twitter)で「甘くないぞ!」と感じた日常エピソードや人生相談を、「#甘くない令和ロマン」のハッシュタグをつけて投稿します。
抽選で当選者に「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」24本セットとオリジナルグッズが当たる設計です。

投稿がそのままポッドキャスト本編で紹介される設計は、「参加すれば放送に出られるかもしれない」という動機を生み、継続的な投稿を引き出すエンジンになりました。
「なんかおいしい丼」から始まった最終回の笑い
最終回の放送では、寄せられた投稿が次々と紹介されました。
「甘くないぞ!」というコーナーでは日常のちょっとした理不尽なエピソード、「甘くない人生相談」ではリスナーのリアルな悩みに令和ロマンが辛辣かつユーモアある視点で回答。
そのやり取りの中で生まれた「なんか素敵じゃない?」「……それでなんで「どんぶり」に?」というツッコミが笑いを呼び、リスナーのXへの反応投稿にも飛び火しました。
番組内容のユニークさに加え、サントリー公式アカウントも売上に関する投稿でキャンペーンを盛り上げ、コラボの温度感を高めました。
在庫1,200本を抱えるスタッフの投稿もそのひとつです。
企業アカウントがユーモアでキャンペーンに乗っかり、ファンとの距離を縮める——SNS運用の好例といえます。
「甘くない」という商品名が企画の核になった理由
今回のキャンペーンを特徴づけているのは、商品名と企画コンセプトの一致度の高さです。
「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」は、コーヒーに砂糖が入っていない、文字通り「甘くない」テイストの商品です。
この商品特性が、「甘くない人生相談」「甘くないぞ!」というコーナー名へ自然につながり、ブランドメッセージと番組コンテンツが一体化しています。

単なる「〇〇提供でお送りします」的なスポンサーシップとは一線を画します。
商品名そのものがコンテンツの軸になるという設計が、参加者の投稿を「宣伝」ではなく「遊び」として受け取らせることに成功しています。
松井ケムリさんはCM出演で「ボス、冷えてる!」というコピーとともに夏の公園のカフェスタンド店員役を演じ、ユーモラスなキャラクターをブランドに重ねることに成功しました。
ポッドキャストでのコラボはそのキャラクター性をさらに深掘りする機能を果たし、ファンが能動的に参加することでブランドへの親しみが積み上がる構造になっています。
キャンペーン終了後もハッシュタグが使われ続ける理由
企画は最終回を迎えましたが、「#甘くない令和ロマン」での投稿は終了後も歓迎されています。
プレゼントがなくなっても投稿が続くのは、キャンペーンがファンコミュニティの「習慣」として定着したためです。
「放送で紹介されるかもしれない」という期待、ファン同士が共通のハッシュタグで集まれる連帯感、そして「甘くない」エピソードを共有すること自体の楽しさ——。
これら三つが組み合わさることで、キャンペーン期間が終わっても投稿のモチベーションが維持されています。
ハッシュタグが「告知用タグ」ではなく「コミュニティの合言葉」になった状態です。
さらに深掘りしたい方へ
SocialReport編集部の考察
今回のキャンペーンが示すのは、「ブランド名とコンテンツの言葉を一致させる」ことが参加型SNS施策の設計において非常に重要だということです。
「#甘くない令和ロマン」は商品の特性(砂糖なしコーヒー)を、番組の文脈(辛口人生相談・厳しいエピソード共有)と完全に一体化させています。
これにより、参加者は「プロモーションに参加している」という意識を持たずに自然に投稿できます。
SNSキャンペーンの多くは「フォロー&リツイートでプレゼント」という形式に集中しています。
しかし今回の事例は、「ハッシュタグに何を投稿するか」自体がエンターテインメントになっていた点が異なります。
投稿のテーマが具体的かつユーモラスで、放送で紹介されるかもしれないという双方向性があることで、プレゼント終了後も投稿が続くコミュニティが形成されました。
ポッドキャストという「聴くメディア」とXという「書くメディア」を組み合わせ、ファンを能動的に動かした本施策。
SNS担当者が参考にすべき「コンテンツ起点のブランドエンゲージメント(ブランドとユーザーの継続的な関与)」の好事例といえます。
まとめ
「#甘くない令和ロマン」キャンペーンは、商品名とコンテンツのテーマを一致させた参加型設計で、4週間でファンの投稿習慣を形成しました。
「宣伝を遊びに変える」エンゲージメント設計の好例として、SNS運用担当者の参考になるはずです。