SNS運用Tips 読了 6 分

「知らない人ばかりの戦場」——Xの返信欄が変わった、たった一つのデータ欠落の話

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月14日 更新
「知らない人ばかりの戦場」——Xの返信欄が変わった、たった一つのデータ欠落の話

「友達の投稿が、なぜか自分のリプライ欄に出てこない」。
そんな違和感を覚えたことはないでしょうか。
2026年7月13日、Xのプロダクト責任者ニキータ・ビア氏が、この違和感の正体を明かしました。
原因は、アルゴリズムに「相互フォロー」というデータが組み込まれていなかったことだったのです。

SNSを運用する立場から見ると、これは単なる小さな仕様変更では済みません。
フォロワーとの関係性が、リプライ欄の見え方そのものを左右する時代に変わろうとしているからです。

先に結論をまとめると:
– Xは7月13日、相互フォロー(互いにフォローし合う関係)の投稿・リプライを優先表示するようアルゴリズムを調整した
– 狙いは「見知らぬ人ばかりが並ぶ戦場のような返信欄」を解消し、共通の関心を持つ人同士のコミュニティ形成を後押しすること
– SNS運用担当者は、フォロワー数の多さだけでなく「どれだけ相互フォロー関係を築けているか」を意識した運用に発想を切り替える必要がある

何が起きたのか(Xで起きている変化)

ニキータ・ビア氏は自身のXアカウントで、今回の調整について次のように説明しています。
相互フォロー(お互いにフォローし合っている関係)の情報が、これまでアルゴリズムに反映されていなかったため、知り合いの投稿がリプライ欄で埋もれやすくなっていたというのです。
結果として、リプライ欄は見知らぬユーザーのコメントで埋め尽くされ、「知り合いとの会話」というより「見知らぬ人との戦場」のような空気になっていました。

英語の投稿ですが、意訳すると「相互フォローの人の投稿がもっと見えるように、小さな調整を展開しています。
このデータがアルゴリズムから抜け落ちていたせいで、友達がリプライに出てきにくくなっていました」という趣旨の発表でした。

日本のユーザーからも「朗報!」という声が上がり、実際にリプライ欄の雰囲気が変わったと感じる報告も出てきています。
一方で、相互フォローが増えるほどリーチが伸びやすくなる仕組みでもあるため、無差別に相互フォローを増やそうとするアカウントが出てくるのでは、という懸念の声も上がっています。
では、この変更は具体的にどんな仕組みで動いていて、SNS運用の現場にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
海外メディアの報道もあわせて詳しく調べてみました。

調べて分かったこと

なぜ今、このタイミングでの変更なのか?

TechCrunchの報道によると、今回の調整は大きく二つの狙いを持っています。
一つは、プラットフォーム全体を「対立的な場」ではなく「協調的なコミュニティ」として機能させること。
もう一つは、共通の関心を持つユーザー同士がクラスタ(集団)を形成しやすくすることです。
ビア氏自身も「これによって、多くの人が求めていた『興味関心ごとのつながり』が生まれやすくなる」と説明しています。

背景には、Threads(メタが運営するSNS)との競争もあると位置づけられています。
エンゲージメント(いいね・返信・拡散などの反応)を最大化するために見知らぬ人の投稿を積極的に混ぜ込んできた従来のロジックが、かえって「居心地の悪さ」を生み、ユーザー離れの一因になっていたのではないか、という見方です。

本当にリプライ欄の体感は変わるのか?

Social Media Todayの解説によれば、これまでのXのアルゴリズムは、ユーザーが明示的に選んだ「フォロー」という行為よりも、AIが判定するエンゲージメントの高さを重視する傾向が強かったとされています。
今回はその力学に、相互フォローという「本人同士が選び合った関係」の重みを新たに加える形になります。

つまり、いいねやリポストの数が多い見知らぬ人の投稿より、相互フォローしている知人の投稿の方が、リプライ欄の上位に出やすくなるということです。
エンゲージメント至上主義から、ユーザーが選んだ関係性を尊重する方向への転換とも言えるでしょう。
ただし、Xは具体的な重み付けの数値までは公表していないため、「体感としてどのくらい変わるか」は今後のユーザー側の報告を注視する必要があります。

Shiritomo編集部の考察:フォロワーの「数」より「関係の質」を見る運用へ

SNSマーケティングの現場では、これまでフォロワー数やエンゲージメント率が主な評価指標として扱われてきました。
しかし今回の変更が定着すれば、企業アカウントや個人インフルエンサーが投稿への反応を伸ばすには、フォロワーとの「一方向の関係」だけでなく「相互フォローという双方向の関係」をどれだけ築けているかが、これまで以上に重要になってきます。

具体的には、キャンペーンで新規フォロワーを一気に増やす施策だけでなく、既存フォロワーへの積極的なフォローバックや、コミュニティ内での継続的なやり取りを促す運用が、リプライの可視性という形で成果に直結しやすくなる可能性があります。
過去にもXは「いいね」より「リプライ」を重視するアルゴリズム調整を行ってきましたが、今回はそこに「関係性」という新しい軸が加わった格好です。
フォロワーとの距離の近さそのものが資産になる時代が、少しずつ近づいているのかもしれません。

まとめ

Xは相互フォロー関係にある投稿をリプライ欄で優先表示するようアルゴリズムを調整しました。
見知らぬ人ばかりが並んでいた返信欄が、知り合い同士の会話の場に近づいていくのか、SNS運用担当者としても今後の変化を追っていく価値がありそうです。

さらに深掘りしたい方へ

Xのタイムラインが「息苦しい」と感じるのは気のせいじゃなかったXのタイムラインが「息苦しい」と感じるのは気のせいじゃなかった——叩き系・冷笑系コンテンツが溢れる本当の理由と、快適なTLを取り戻す処方箋誰かを叩くスレッド、冷笑的なコメントが溢れるタイムライン事情を解説した記事。 今回のアルゴリズム調整の背景理解にもつながります。

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