「防水スマホって、海はダメなのね」——素潜り3mで壊れたスマホ、”防水”規格が守れなかった一線

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年9月14日 更新
「防水スマホって、海はダメなのね」——素潜り3mで壊れたスマホ、”防水”規格が守れなかった一線

「防水スマホって、海はダメなのね」。
そんな一言とともに、壊れたスマホの最後の仕事を見せる投稿がXで広がっています。
素潜りでたった3メートル潜っただけ。
プールでも風呂でもなく、海というだけで防水スマホがあっさり壊れてしまった――このギャップに驚いた人は多いはずです。
夏はまだ終わっておらず、海やプールにスマホを持ち込む機会がある人にとっては人ごとではない話です。

先に結論をまとめると:
– 防水規格「IPX7」は水深1m・30分間の水没を想定した基準で、海の水圧や塩分は想定外
– 「IPX8」はメーカーが独自に条件を決める規格で、機種によって耐えられる深さ・時間が異なる
– 海水は真水と違って金属を腐食させるため、防水性能があっても浸水後の対応を誤ると故障が進む

素潜り3mで壊れたスマホ、Googleバックアップに残った最後の記録

投稿したのは、SNSで「windy」を名乗るユーザーです。
海で素潜りを楽しんでいる最中にスマホが壊れてしまい、その様子はGoogleのバックアップに残された最後の写真や動画だけが物語っていると綴っています。

「防水スマホって、海はダメなのね」という言葉の裏には、「防水とうたわれている以上、多少雑に扱っても平気だろう」という油断があったのかもしれません。
ただ、この投稿をきっかけに調べてみると、防水スマホの「防水」が指す条件は、思っているよりずっと限定的だということが分かってきました。

調べて分かったこと

IPX7とIPX8、何がどう違うのか?

スマホの防水性能を示す「IPX」表示は、国際規格IEC 60529(日本ではJIS C0920)にもとづく等級です。
IPX7は「水深1メートルの静水に30分間沈めても内部に浸水しない」という基準で、あくまで真水・静水・短時間が前提になっています。

一方のIPX8は、IPX7を上回る防水性能を示す等級ですが、規格自体には具体的な水深や時間の数値が定められていません
「どこまで耐えられるか」はメーカーが独自に規定する仕組みで、同じIPX8表示でも機種によって耐えられる条件はまちまちです。
取扱説明書に記載された「対応水深」「対応時間」を確認しないと、実際の限界は分からないということになります。

なぜ海だと故障しやすいのか?

IPX7・IPX8の試験は、いずれも真水を使った静止した水の中での測定です。
海には、この試験条件と大きく異なる要素が2つあります。
ひとつは水圧です。
素潜りで数メートル潜ると水深に応じて水圧がかかり、規格が想定する「静水」とは違う力がスマホにかかります。
もうひとつは塩分です。
海水に含まれる塩分は、真水よりも金属部品を腐食させやすく、たとえ一時的に浸水を防げても、内部にわずかに入り込んだ塩分がのちのち基板や端子を傷めることがあります。

このため、購入時に「IPX7/IPX8対応」と書かれていても、海やプールでの使用を想定していない機種は珍しくありません。
取扱説明書に「真水以外での使用は保証対象外」と明記されているケースもあり、見た目のスペックだけで安心するのは早計だと言えそうです。

スマホが水に濡れてしまったら、まずどうする?

「スマホ水没」は季節を問わず検索されている悩みで、海やプールのシーズンだけの一過性の話ではありません。
もし濡れてしまった場合、多くのメーカーは共通して次の対応を案内しています。
まず電源を切ること。
濡れたまま操作を続けると、内部でショートが起きるリスクが高まります。
次に、ドライヤーの温風を直接当てたり、電子レンジで乾かしたりするのは避けること。
急激な温度変化や電磁波は基板にダメージを与えかねません。
乾いたタオルで表面の水分を拭き取り、風通しのよい場所で自然乾燥させたうえで、可能であれば購入したキャリアやメーカーの窓口に相談するのが安全です。
海水に触れた場合は、真水で外側を軽くすすいでから乾かすとよいとする案内も見られます。
ただし内部まで浸水した疑いがある場合は自己判断で分解せず、修理窓口に持ち込むのが基本になります。

Shiritomo GADGET編集部の考察:「防水」は免罪符ではない

防水スマホが普及したことで、雨の日や水回りでの使用に対する不安は大きく減りました。
ただ、今回のケースが示しているのは、「防水」という言葉が持つ安心感と、規格が実際に保証している範囲との間にあるズレです。
IPX7・IPX8はあくまで「メーカーが定めた試験条件をクリアした」ことを示す等級であり、海やプールでのレジャー利用そのものを保証するものではありません

この構造は防水スマホに限った話ではなく、耐衝撃・耐荷重など「数値化された安心」全般に言えることかもしれません。
数字が独り歩きすると、本来の試験条件を超えた使い方をしても「対応しているはずだから大丈夫」という誤解が生まれやすくなります。
メーカー側も、対応水深や対応シーンをもう一歩踏み込んで表示する余地がありそうです。
使う側も「防水=水回りなら何でもOK」ではなく、取扱説明書の条件を一度確認しておく価値はありそうです。

まとめ

防水スマホの「IPX7」「IPX8」は、真水・静水を前提にした試験条件をクリアした証であり、海の水圧や塩分まで保証するものではありません。
海やプールでスマホを使う予定がある人は、対応水深と対応時間を取扱説明書で確認し、専用の防水ケースを併用するなど、規格の限界を踏まえた対策をしておくと安心です。

さらに深掘りしたい方へ

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防水規格の詳しい定義は、経済産業省が所管するJIS規格の解説や、各メーカーの公式サポートページで確認できます。
スマホが水に濡れてしまったときは、自己判断で分解せず、まずは購入したキャリアやメーカーのサポート窓口に相談することをおすすめします。