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依頼が来なくなった――生成AIの普及でイラストレーターの仕事が激減、企業は契約トラブルを警戒

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月5日 更新
依頼が来なくなった――生成AIの普及でイラストレーターの仕事が激減、企業は契約トラブルを警戒

「生成AIが流行してから、イラスト依頼はほぼ無くなりました」。
イラストレーターのこうした嘆きが、10月に入ってXで話題になりました。
個人のイラストレーターの間で広がっているこの実感は、単なる思い込みではなく数字にも表れています。
日本フリーランスリーグが芸術・芸能系フリーランスへ実施した約2万5000人規模のアンケートでは、回答者の1割超が「収入が減った」と答えました。
SNSでイラストを発注する側・受注する側、どちらの立場でも他人事では済まない話です。

先に結論をまとめると:
– 個人イラストレーターへの依頼は生成AIの普及で目に見えて減り、調査でも1割超が収入減を報告している
– 企業側もAI使用を巡る契約トラブルや著作権リスクを恐れ、発注先の選び方に慎重になっている
– ココナラなど一部のスキルシェアサービスはAIイラストの出品そのものを禁止し、プラットフォーム側の線引きが進んでいる

何が起きたのか(Xでの盛り上がり)

X上では、個人イラストレーターから「依頼件数が減った」「単価を下げられた」という声が相次いでいます。
背景として指摘されているのは、企業側がコスト削減を優先し、商品ページやサムネイル用のイラストを生成AIに切り替えるケースが増えていること。
短い納期で大量のビジュアルを用意したい現場ほど、この切り替えは進みやすいようです。

一方で、話はAIに仕事を奪われる一方通行では終わっていません。
AIの使用を禁じる契約条件を提示したイラストレーターを、企業側が「対応が面倒」として避ける動きも出ています。
さらに、AIイラストを無断で使ったことが発覚して炎上するリスクを警戒する企業もあり、AIを使うかどうかの判断そのものが、企業にとってのリスク管理になっているのが実情です。
クリエイター側は「適応しろ」と言われても、何にどう適応すればいいのか判断が難しい状況に置かれています。
ただ、この「減った」という実感がどこまで裏付けのある話なのか、数字で確かめてみました。

調べて分かったこと

本当にどれくらい減っているのか?

日本フリーランスリーグが2026年1月に発表した調査(回答者約2万4991人、イラストレーターが54.2%を占める)によると、「収入が10〜50%程度減った」が9.3%、「50%以上減った」が2.7%で、合計12.0%が収入減を報告しました。
最も多かった回答は「ほとんど変わらない」(40.9%)だったため、業界全体が沈んでいるわけではなく、影響の大きさは人によってかなり差があると見るのが実態に近いでしょう。
とはいえ、1割超の人が収入減を実感しているのは軽視できない数字です。

ココナラのようなサービスはAIをどう扱っているのか?

スキルシェアサービス「ココナラ」のコンテンツマーケットでは、公式ヘルプ上で生成AIによるイラスト画像の出品を禁止しています。
禁止対象はイラストそのものだけでなく、AIで生成したイラストを一部でも素材として使ったコンテンツ(サムネイル画像なども含む)にも及びます。
一方でAIが生成した文章記事や、AI活用のノウハウをまとめたPDF資料は出品可能とされており、「イラストは人の手、文章はAIも可」という線引きがプラットフォーム側の立場になっています。
AIを使ったうえで自分なりの編集・加工を加えたものは判断が分かれるグレーゾーンとされ、ここが今まさに揉めやすい境界線になっているようです。

イラストレーターはAIにどう向き合えばいいのか?

今回の調査や実例から見えてくるのは、「AIを使うか拒むか」の二択では収まらないという点です。
AI使用を禁じる契約を企業側が敬遠する一方、AI生成物をそのまま流用して炎上した企業も実在します。
読者自身が発注側であれば、AIを使う・使わないのどちらを選んでも相応のリスクが伴うことを前提に、契約条件をあらかじめ明文化しておくことが実務的な対処になりそうです。
受注側であれば、プラットフォームごとの規約(ココナラのような線引き)を把握しておくことが、トラブルを避ける第一歩になります。

Shiritomo編集部の考察:発注する側が明日からできることは契約条件の明文化

SNS上の「依頼が減った」という声は、個々のクリエイターの技術的な優劣とは関係なく起きている構造変化だという点に注目したいところです。
企業がAIと人、どちらに発注するかを決める基準は、品質よりもコストとリスク管理に寄っています。
つまり発注側の企業にとっても、AI利用の有無を契約書に明記しないまま進めることが、後から炎上や著作権トラブルという形で跳ね返ってくる可能性があるということです。
SNSでの炎上事例を見る限り、「AIを使ったかどうか」を事後に説明できない体制が、最もコストの高いリスクになっています。
発注前に「AI使用可否」を一文入れておくだけで、多くのトラブルは防げるはずです。

まとめ

生成AIの普及は、個人イラストレーターへの依頼を減らす一方で、企業側にも契約や著作権をめぐる新しい悩みをもたらしています。
どちらの立場でも、AIを使うかどうかを曖昧にしたまま進めることが最大のリスクになりつつあります。

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