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Anthropicが160兆円規模のIPO申請——「AI最大手がついに株式市場へ」とXが沸いた日

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月2日 更新
Anthropicが160兆円規模のIPO申請——「AI最大手がついに株式市場へ」とXが沸いた日

Claudeを開発するAnthropicが、米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類(S-1)を秘密裏に提出した——そのニュースを読んだとき、思わず「ついにこの日が来たか」と呟いてしまいました。

2021年に創業してわずか5年で、時価総額が約160兆円に達する見込みのAI企業が、いよいよ株式市場に打って出る。
その規模感と成長速度は、AI産業が新しい時代に入ったことを静かに告げているようです。

今回は、Anthropicの上場申請がなぜこれほど注目を集めているのか、実際の数字と背景をできる限り掘り下げてみました。

「AI三銃士」上場への期待は数週間前から高まっていた

実は、今回の申請発表の数日前から、日本のXでは「AIビッグ3の上場ラッシュ」がすでに話題になっていました。

「SpaceXが6月12日上場予定、OpenAIは9月ごろ、そしてAnthropicは10月ごろ」というタイムライン予測がXで流れ、それを紹介したこんな投稿が6,000いいねを超えて広まっていました。

さらに「SpaceX・OpenAI・AnthropicはどれもNASDAQ100への組み入れが期待できる銘柄、ということですか?!」と興奮気味のリプも3,000いいねを超えていました。

そして6月1日の申請発表当日、日本経済新聞のアカウントが速報を流すと、それだけで2,800いいねを集めました。

上場の噂が出た時点から、すでに相当な注目が集まっていたわけです。

申請の実態と驚きの数字

今回のS-1はいわゆる「秘密提出(confidential filing)」と呼ばれる方式で、具体的な株数や価格はまだ公表されていません。

それでも明らかになっている数字は、相当なインパクトがあります。

直近の資金調達ラウンド(シリーズH)では評価額が約9,650億ドル(約160兆円)に達し、OpenAIの評価額を初めて上回ったとも報じられています。
なお、最大1.75〜1.8兆ドル(約270〜290兆円)、調達額最大750億ドルという数字は同時期に上場したSpaceXのIPO目標であり、Anthropic自身のIPO時の目標評価額や調達額は本記事執筆時点では公表されていません。

投資家として名を連ねているのはAmazonとGoogle。
両社はすでにAnthropicに数十億ドル規模の出資をしており、IPO後もAIインフラのパートナーとして深く関わっています。
なお、SpaceXの上場書類には「Anthropicは2029年まで毎月12.5億ドル(約2,000億円)をxAIのコンピューティングインフラに支払う契約を結んでいる」との記述もあり、AIモデル開発の裏にある莫大な計算コストの一端が垣間見えます。

1年で売上高が4.7倍に

Anthropicの成長速度は、数字で見るとより鮮明に映ります。

2025年には年換算売上高が約100億ドル程度だったのに対し、2026年5月時点では約470億ドル超に達したと報じられています。
1年間で約4.7倍という成長率は、同社のビジネスモデルの特徴と深く結びついています。

ChatGPTが個人ユーザー向けの認知度で圧倒的な存在感を持つのに対し、Anthropicは企業向けAPIやエンタープライズ契約に注力してきました。
法人売上が全体の約80%を占めるとも言われており、コーディング支援や業務自動化など、Claude APIを活用した企業ユースケースが急増しているのが背景にあります。

ChatGPTのような「みんなが使うサービス」ではなく、「企業が業務に組み込むインフラ」としての地位を着実に固めてきたことが、この急成長を後押ししたのかもしれません。

AIの富は誰のものか?もう一つの文脈

今回の申請と同タイミングで注目を集めたのが、バーニー・サンダース上院議員が準備中とされる法案です。
AI大手企業に対して株式の50%を国民に還元するよう義務付けるという内容で、「AI産業で生まれる富は、それによって仕事を失う可能性のある人々にも届くべきだ」という主張を展開しています。

可決の可能性は現状では低いと見られていますが、AIの経済的価値と社会的分配をめぐる論争が、Anthropicの上場という節目に重なったのは偶然ではない気がします。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

2021年創業、評価額160兆円超、売上高1年で4.7倍——Anthropicの株式市場デビューは、AI産業がただの「バブル」ではなく実際の経済インフラになりつつあることを示す、一つの証拠になりそうです。
IPO後に何が起きるのか、引き続き注目していきたいと思います。

【訂正】(2026年8月24日)
公開当初の記述に誤りがありました(タイトルで「160兆円規模のIPO申請」としているが、本文ではIPO時の目標評価額を「1.75〜1.8兆ドル(約270〜290兆円)」と説明しており、160兆円はシリーズH(IPO前)の評価額9,650億ドル相当の数字)。
一次情報を確認したところ問題はタイトルと本文の単純な指標の取り違えにとどまらない。
一次情報(Yahoo Finance、Forbes等)を確認したところ、「IPO時の目標評価額1.75〜1.8兆ドル、調達額最大750億ドル」はAnthropicではなく、同時期に上場したSpaceXのIPO目標値(実際に$1.77兆ドルで結実)である。
Anthropic自身は記事執筆時点でIPOの目標評価額・調達額を公表しておらず、確定しているのはシリーズHの評価額約9,650億ドル(約160兆円)のみ。
記事はSpaceXの数字をAnthropicのものとして誤って記載している。
該当箇所を修正しています。
公開当初の記述に誤りがありました(SpaceXの上場書類に「Anthropicは2029年まで毎月12.5億ドルをSpaceXのコンピューティングインフラに支払う契約」との記述があるとする)。
一次情報を確認したところTechCrunchの報道によると、月額12.5億ドル・2029年5月までという金額・期間は事実だが、支払い先はSpaceXではなく、テネシー州メンフィス近郊のColossus 1データセンターを運営する「xAI」。
この開示自体はSpaceXのIPO関連書類でなされたが、計算インフラの提供元企業名が記事では誤ってSpaceXになっている。
該当箇所を修正しています。
読者のみなさまにお詫びして訂正いたします。