「X登録○年目」——#MyXAnniversaryが今年も多くのユーザーに「振り返り」の機会をもたらしている
スマートフォンの通知欄に、こんなメッセージが届くことがあります。
「Xに登録した日を覚えていますか? #MyXAnniversary」——色鮮やかな数字のカードとともに。
6月3日、Xのタイムラインは再び「周年報告」で賑わいました。
9年目を迎えた善右衛門さんは「皆さまのおかげです」とこれまでの縁への感謝を綴りました。
14年目に入ったNobunagAさんは、「Twitter」という名前で使っていた頃からの歴史を振り返り、感慨深い言葉を残しました。
1年目を迎えたばかりの浅井寛司さんは「また一年ドンマイを積みあげていきたい」と前向きに投稿しました。
登録した年数は人それぞれです。
でも、「今日がその日だった」と気づき、言葉にするという行動が、毎年この時期にタイムラインを温かく彩っています。

「X記念日」とは何か——年に一度届く周年通知の仕組み
MyXAnniversaryは、X(旧Twitter)が各ユーザーのアカウント開設記念日に自動で通知を送る公式機能です。
アカウントを作成した同じ月日になると「登録○周年です」というメッセージが届き、専用の周年数カード画像が表示されます。
そのままポストできる手軽さもあり、毎年多くのユーザーがこのハッシュタグで投稿しています。
現在は1周年から15周年までの画像が用意されているといいます。
かつて「Twitter」だった頃は「#MyTwitterAnniversary」という名称でしたが、2023年のX改名後は「#MyXAnniversary」にリニューアルされました。
名前は変わっても、機能の本質——「あなたがSNSを始めた日を一緒に祝う」という体験——は変わっていません。
誰もが同じ機能から「別々の感情」を受け取る
今年の盛り上がりで印象的だったのは、投稿の多様性です。
1年目のユーザーは達成感や照れを語り、10年以上続けてきた古参ユーザーは「まだここにいる」という感慨を語ります。
Twitterと呼ばれていた時代からの利用者にとっては、「あの頃は〇〇という機能があって」という懐かしさも加わります。
同じ通知を受け取っても、それぞれの「X歴」が全く異なる感情を引き出します。
これが#MyXAnniversaryの投稿が毎年多様性を保ち続ける理由です。
1周年と14周年では、伝えたいことが根本的に違います。
でも、どちらも「今日がその日だった」という気づきから始まるという点は共通しています。
プラットフォームが送る一通の通知が、こんなにも異なる声を生み出しているわけです。
SNS運用の観点から見る「記念日機能」の設計
SNSマーケターの視点で見ると、#MyXAnniversaryは「ユーザーに自発的に投稿させる」仕組みの好例です。

通知を受け取ったユーザーは、特に難しいことをしなくても周年カードをポストできます。
フォロワーはそれを見て「え、もうそんなに経つの?」と気づき、自分の登録日を確認しはじめる。
この連鎖がハッシュタグ上で大規模なUGC(User Generated Content:ユーザーが自発的に生成するコンテンツ)を生み出しています。
このような「プラットフォームが設計した節目」は、外部のキャンペーンよりも真正性の高いエンゲージメントを引き出しやすいという特性があります。
企業・ブランドの公式アカウントも、こういった記念日の波に乗ることができます。
「○周年、いつも支えてくださっているフォロワーの皆さまへ」という投稿は、告知や情報発信とは違う「感謝を伝える場」として機能します。
自治体や地域観光協会なども活用しており、フォロワーとの関係をリフレッシュするチャンスになっています。
「#MyTwitterAnniversary」から「#MyXAnniversary」へ——ハッシュタグ変更が示す継続の意志
2023年にTwitterがXに改名されたとき、多くのユーザーが「#MyTwitterAnniversary」のまま投稿を続けていた時期がありました。
その後、Xが公式に「#MyXAnniversary」への移行を推進したことで、徐々に統一されていきました。
ブランド変更があっても「記念日機能そのものは残す」という判断は、ユーザーエンゲージメントへの投資として理にかなっています。
新しいハッシュタグを受け入れたユーザーには、「自分はXに属している」という帰属意識が生まれているかもしれません。
さらに深掘りしたい方へ
まとめ
MyXAnniversaryは今年も多くのユーザーに「Xを始めたあの日」を思い出させ、タイムラインを温かくしています。
年に一度届く通知が、プラットフォームとユーザーの関係を静かに更新し続ける——SNS運用者にとっても、この仕掛けから学べることは少なくありません。
