「ぼんやりテーマを投げるだけ」——NotebookLMがリサーチから資料作成まで全自動化するAIエージェントに進化
「〇〇について調べて、Excelとスライドにまとめておいて」——そんな指示をAIにサラッと言えて、数分後に成果物が出来上がってくる。
そんな世界が少し前まではSFの話に聞こえましたが、6月8日にGoogleが発表したNotebookLMの大型アップデートで、いよいよ現実味を帯びてきました。
正直、この発表を読んだとき思ったのは「NotebookLMって、そういうツールだったっけ?」という戸惑いです。
これまでは「自分でアップロードした資料をAIに整理させるツール」でした。
それが今回のアップデートで、自分で情報を集めに行くエージェントに変わったのです。
今回のアップデートの一番の変化
一言で言えば、「資料をAIに読ませる」から「AIが資料を自分で集めてくる」への転換です。
チャット欄にテーマを投げると、NotebookLMがウェブ検索を走らせ、信頼性の高い情報源を自動で見つけてノートブックに追加します。
これまでは「自分でPDFや記事を集めてアップロード→NotebookLMに読ませる」という2ステップが必要でしたが、最初のステップがなくなるわけです。
公式Xアカウントは「Introducing a more powerful NotebookLM(より強力なNotebookLMのご紹介)🚀 Massive upgrades deliver agentic capabilities in chat(大規模アップグレードでチャットにエージェント機能が搭載)」と発表し、

Introducing a more powerful NotebookLM 🚀
— NotebookLM (@NotebookLM) 2026年6月8日
Massive upgrades deliver agentic capabilities in chat, more advanced reasoning, and a suite of new output formats. Tackling complex, multi-step research problems has never been easier.
Rolling out now to Google AI Ultra subscribers. pic.twitter.com/zBXD7unIC7
この投稿には3000件を超えるいいねが集まりました。
AI系メディアの「@testingcatalog」も「NotebookLM now supports advanced agentic reasoning in chat and new output formats(高度なエージェント推論と新しい出力形式をサポート開始)」と速報しています。
GOOGLE 🔥: @NotebookLM now supports advanced agentic reasoning in chat and new output formats, including Excel sheets and images.
— 🚨 AI News | TestingCatalog (@testingcatalog) 2026年6月8日
Only Ultra subscribers 👀 https://t.co/NuAOFgO7It pic.twitter.com/g4NNRzer3g
搭載モデルと主な新機能
今回搭載されたのは「Gemini 3.5」と「Antigravity(アンチグラビティ)」の2つです。
Antigravityはもともと開発者向けCLIツール「Gemini CLI」が改称したGoogleのエージェント専用AIです。
自律的な情報収集・分析・コード実行を担います。
追加された機能は大きく4つに整理できます。
1. ウェブ検索による自動情報収集:「〇〇について調べたい」と伝えるだけで、NotebookLMがウェブから関連性の高い情報源を探してノートブックに追加します。
ゼロから始めるリサーチに対応したのが今回の最大の変化です。
2. セキュアなクラウドPC環境:各ノートブックにコード実行用のクラウドコンピューターが付属し、100種類以上のソフトウェアスキルを使った高度なデータ分析が可能になります。
数値データを渡してグラフを生成させる、といった作業も自動化できます。
3. 多様な出力形式への対応:PDF・Word(.docx)・Excel(.xlsx)・PowerPoint(.pptx)・CSV・JSON・Markdown・PNG・SVGなど14種類以上のフォーマットで成果物を書き出せます。
これまでのNotebookLMでは「テキストとオーディオ概要」が主な出力でしたが、「調べた内容をそのまま提出物として仕上げる」という使い方が現実的になりました。

4. 思考プロセスの可視化:AIが回答を出す際の思考ステップをチャット内で確認できます。
「なぜこの結論になったか」を追跡できるため、業務での利用でも信頼性が確認しやすくなります。
性能面での評価
Googleによると、旧システムとの比較評価で主要5指標すべてにおいて65%以上の勝率を記録したとされています。
65%という数字は「引き分けより15ポイント上」であり、研究・分析タスクでの精度が実質的に上がったと見て良いでしょう。
また、日本語コミュニティでもNotebookLMの活用が広がっており、Xでは「Claude Codeの資料読み込みをNotebookLMに代用してトークンを節約する」という使い方が話題になっています。
ちょっと待って。Claude Codeの資料読み込みをNotebookLMに代用してトークン抑えるとか、発想が神すぎる… https://t.co/Ji2NT8I2Yv
— えーたん/AI×時短で仕事効率化 (@ai_jitan) 2026年6月8日
今回のエージェント機能が加わることで、こうした「外部ツールとの組み合わせ」がさらに広がりそうです。
今のところ使えるのは誰か
現時点でのアップデートの提供対象は次の通りです。
- Google AI Ultraサブスクライバー(月額約4,200円〜)
- Workspaceビジネス向け「AI Ultra Access」「AI Expanded Access」を契約している組織
無料プランや標準の有料プランには、まだ提供されていません。
エージェント機能をすぐに試したい場合は、Google AI Ultraへのアップグレードが必要な状況です。
ただ、Googleは「グローバルに順次展開」としているため、今後より広いプランへの拡張が予想されます。
さらに深掘りしたい方へ
- Do your best research with NotebookLM(Google公式ブログ・英語)
- NotebookLM rolling out big Gemini 3.5 & Antigravity upgrade(9to5Google・英語)
- NotebookLM公式サイト
まとめ
Google NotebookLMは今回のアップデートで「資料整理ツール」から「自律型リサーチエージェント」へと大きく変わりました。
アイデアを投げるだけで、調べて・分析して・成果物まで作る——この流れが一つのツールで完結するようになったことは、知識労働の進め方を変える可能性があります。
まずはGoogle AI Ultraユーザー向けの提供ですが、今後の一般展開に注目したいところです。
