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ひろゆき氏「生放送で逮捕」の偽広告がXで拡散、孫正義氏の名前も無断使用——SNS担当者が知るべき手口

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月17日 更新
ひろゆき氏「生放送で逮捕」の偽広告がXで拡散、孫正義氏の名前も無断使用——SNS担当者が知るべき手口

「報道ステーション」の生放送中、スタジオでひろゆき氏に手錠がかけられる——。
そんな衝撃的な場面から始まる広告が、2026年7月中旬のXで拡散しています。
もちろんこれは事実ではありません。
ひろゆき氏は現在もパリを拠点にYouTubeやXでの発信を続けており、逮捕された事実はどこにもないのです。
この手口を知っておくと、自社ブランドや取引先の名前が同じように悪用されたとき、初動をどう取るべきかが見えてきます。

先に結論をまとめると:
– ひろゆき氏「逮捕」の偽広告はAI生成の虚偽ストーリーで、実際の逮捕事実は一切ありません
– Xの広告・投稿ブースト機能を使って拡散され、検索結果にも表示されるため、疑って調べたユーザーほど詐欺サイトに誘導されやすい構造になっています
– 著名人や企業の名前が広告詐欺に悪用された際は、公式アカウントでの早期否定表明と、プラットフォームへの通報導線の周知がブランドを守る鍵になります

Xで何が起きているのか

今回拡散している偽広告は、ひろゆき氏(西村博之氏)が「報道ステーション」の生放送中に自身の使う自動売買ツールを紹介したという設定から始まります。
その行為が「無許可の金融取引を公に呼びかけた」ことにあたるとされます。
放送開始から37分後、スタジオで手錠をかけられ連行される——という、作り込まれたストーリーが展開されます。
誘導先は日本経済新聞を模した偽サイトで、最低入金額3万7500円が3か月後には40万円になると謳っています。
しかし実際には「西松フィナンシャル」という別サイトへ転送される仕組みです。

この手口を追跡したメディア記事を紹介する投稿が、Xで大きな反応を集めました。

さらに厄介なのは、ソフトバンクグループの孫正義会長までもがこのツールを愛用し「違法性はない」と主張している——という架空のエピソードまで盛り込まれている点です。
実在する著名人二人の名前を同時に使うことで、信憑性を底上げしようとする悪質な設計になっています。
ただ、これは単発の悪ふざけではなく、もっと大きな構造の一部だと分かってきました。

なぜここまで広く拡散したのか?

拡散の主な経路は、X社が提供する広告機能と投稿ブースト機能(お金を払って投稿の表示回数を増やす仕組み)です。
外国人とみられるアカウント群が意図的に投稿を押し上げており、単なる一般ユーザーの拡散ではなく組織的な広告出稿が背景にあるとみられます。
加えて見過ごせないのが、この偽広告が検索結果にも表示される点です。
「本当にひろゆきは逮捕されたのか」と不安になったユーザーが確認のため検索すると、偽サイトそのものがヒットしてしまいます。
疑うつもりで調べた行動が、逆に被害へつながる皮肉な構造になっているのです。

著名人になりすます手口はどこまで広がっているのか?

実はこの数日、同じ手口の別バージョンが政府機関からも注意喚起される事態になっています。
首相官邸の公式アカウントは、高市総理の映像を悪用した偽サイトについて緊急の注意喚起を発信しました。
「日本政府が開発した金融ソリューション」「政府の保証により」といった文言で投資を勧誘する内容だったといいます。

このツイートは3,500件を超えるいいねを集め、政府の公式チャンネルが動くほど深刻な広がりを見せていることを裏づけています。
「著名人の映像を使った投資詐欺広告」は、もはや一過性のいたずらではなく、繰り返し使い回されるテンプレート化した詐欺手法になっていると見てよさそうです。
実在する西松グループも、自社サイトを模倣した偽装サイトについて公式に注意喚起を出しており、複数の企業・団体が同時多発的に対応を迫られている状況です。

Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ

今回の件で運用担当者が押さえておきたいのは、「自社や提携先の名前が使われた偽広告は、通報を待つ前提では遅い」という点です。
1つ目は、自社ブランド名・代表者名でのXエゴサーチ(自社名や商品名で検索し、言及している投稿を確認する作業)を定期的に行うことです。
これにより、なりすまし広告の兆候を早期に検知する体制を作れます。
2つ目は、実際に被害が確認された場合に即座に使える「公式否定文のテンプレート」を事前に用意しておくことです。
西松グループの対応のように、後追いでも公式に否定を出すことで、被害拡大を一定程度食い止められます。
過去にもインフルエンサー起用広告の薬機法(医薬品や健康食品などの広告表現を規制する法律)違反事例など、SNS広告特有のブランドリスクは繰り返し発生しています。
平時からの備えが問われています。

まとめ

ひろゆき氏の逮捕を騙る偽広告は、著名人の名前を組み合わせて信憑性を演出し、X社の広告機能を使って広範囲に拡散する、テンプレート化した投資詐欺の一例でした。
同種の手口は首相官邸が注意喚起するレベルまで広がっており、SNS運用に関わる人は「自分たちも標的になり得る」前提での備えが求められています。

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今回の手口をさらに詳しく知りたい方は、おたくま経済新聞の追跡記事で偽サイトの構造が詳しく解説されています。