「これ、死ぬやつでしょうか」──Apple Watchの心拍数40通知に3万5000いいね、その正体

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月18日 更新
「これ、死ぬやつでしょうか」──Apple Watchの心拍数40通知に3万5000いいね、その正体

「1ヶ月前くらいにアップルウォッチ買ったんだけど寝ると必ず心拍数が40切ってますよの通知が来るんだけどこれはあるあるなんでしょうかそれともほっといたら死ぬやつなのでしょうか」

7月16日、Xにこう投稿されたポストに、3万5000件を超える「いいね」が集まりました。

Apple Watchを使っている人なら、一度は目にしたことがあるかもしれない「低心拍数」の警告。
眠っている間にスマートウォッチが静かに鳴らすこの通知が、なぜこれほど多くの人の心をざわつかせたのでしょうか。
これから購入を考えている人にとっても、実際に使い始めたら最初にぶつかる疑問のひとつです。

先に結論をまとめると:
– Apple Watchの低心拍数通知は初期設定で「40回/分未満」が基準で、安静時に10分以上その状態が続くと届く仕組み
– 睡眠中に心拍数が40台まで下がること自体は、体質や生活習慣によってはよくあることで、それだけで異常とは限らない
– 持久系スポーツの経験者には「スポーツ心臓」という現象があり、安静時40〜50回/分でも医学的に危険なサインとはされていない

Xで広がった「これって普通なの」という不安

投稿主のはまふぐさんは、Apple Watchを買ってからおよそ1ヶ月。
寝ている間に必ずといっていいほど「低心拍数」の通知が届くようになり、それが病気の前触れなのか、それとも単なる個人差なのか判断がつかず戸惑いをXにつづりました。

このポストの反響はそれだけにとどまりませんでした。
リプライ欄には、同じ通知を受け取ったことがある人たちの体験談が次々と集まりました
中には「リプ見て爆速で循環器内科に駆け込んで心電図と採血とレントゲンとってもらって来週結果聞きに来ることになった」と、実際に病院を受診したという報告も。
一方で「運動してる人なら大丈夫って教えてもらったんだけど普通にワイ中学卓球部高校美術部社会人になってからは在宅ワークの運動絶対拒否オタク人生でおわった」という、運動習慣がなくても同じ通知を受け取ったという声も混ざり合い、話はどちらとも決めきれないまま広がっていきました。

ただ、ここまでは投稿された体験談の集まりにすぎません。
実際のところ、この数字はどこまで気にするべきものなのでしょうか。
Appleの公式情報と、医学的な観点の両方から調べてみました。

調べて分かったこと

なぜ「40回」が基準になっているのか

Apple Watchの低心拍数通知(あらかじめ設定した心拍数を下回った状態が一定時間続くと知らせてくれる機能)は、初期設定では「40回/分未満」がしきい値になっています。
この数値は固定ではなく、iPhone側の「Apple Watch」アプリから「通知」→「心臓」と進むことで、10刻みで自由に変更できます。

重要なのは、この通知が「安静時とみなされる状態」が10分以上続いたときにだけ届く仕組みだという点です。
運動直後や興奮しているタイミングでいきなり鳴るものではなく、あくまで体が落ち着いているはずの状況を前提に判定しています。
つまり、睡眠中に繰り返し届くこと自体は、機能が正常に働いている証拠でもあります

徐脈は本当に危険なサインなのか

心拍数がゆっくりになる状態は「徐脈(じょみゃく:脈が遅くなる不整脈の総称)」と呼ばれますが、すべての徐脈が危険というわけではありません。
とくに持久系スポーツの経験者には「スポーツ心臓」と呼ばれる現象が知られています。
マラソンや水泳、自転車競技などを続けてきた人は、心臓が一度に送り出せる血液量が増えるため、少ない拍動でも全身に十分な血液を届けられるようになり、結果として安静時心拍数が40〜50回/分程度まで下がるのです。
これは体が鍛えられたことによる正常な適応変化であり、臨床的な問題と結びつくものではないとされています。

はまふぐさんへのリプライで運動経験者からの「あるある」報告が相次いだのは、この生理的な背景と符合します。

一方で、Appleのサポート情報でも、めまいや息切れ、失神といった症状を伴う場合は医師への相談を勧めています。
通知はあくまで参考値であり、体調に異変を感じたときの受診の目安として使うのが本来の使い方といえそうです。

Shiritomo GADGET編集部の考察

Apple Watchのようなウェアラブル端末が難しいのは、ユーザーの「基準値」を教えてくれないまま数字だけを突きつけてくる点です。
40回/分という初期設定は、あくまで一般的な目安であり、持久系スポーツの経験者やもともと安静時心拍数が低い人にとっては日常の範囲内です。
しかし製品側はその個人差を汲み取ってはくれません。
今後こうしたヘルスケア系ガジェットに求められるのは、通知の有無だけでなく「あなたの過去のデータと比べてどうか」という文脈を添える設計でしょう。
すでに購入している人は、まず自分の平常時の心拍数を数週間分眺めてみることをおすすめします。
そのうえで急な変化や自覚症状があれば、通知を放置せず医療機関に相談するのが賢い付き合い方です。

まとめ

Apple Watchの低心拍数通知は、初期設定の「40回/分未満」を安静時に10分以上下回ると届く仕組みで、睡眠中や持久系スポーツ経験者にはよくある現象です。
数字に驚いたら、まずは自分の平常値を確認し、症状があれば受診の目安として活用するのが実用的な付き合い方といえます。

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