黒字化しても代表の家は抵当のまま——『トリッカル』開発チームが明かす日本上陸ドタバタ劇

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月18日 更新
黒字化しても代表の家は抵当のまま——『トリッカル』開発チームが明かす日本上陸ドタバタ劇

チームは35人から200人に増えた。
売上は前年比116%増で黒字化を果たした。
それでも、代表の自宅はいまだに抵当に入ったままだという——韓国EPID Gamesが手がけるスマホゲーム『トリッカル』の開発チームが、電ファミニコゲーマーの独占インタビューでそう明かしています。

急成長の裏で、なぜ代表は自宅を担保に入れ続けているのか。
この記事では、日本上陸時に起きたトラブルの実態と、その裏にある経営判断を掘り下げます。

先に結論をまとめると:
– 日本公式アカウントの誤字投稿やキャラクターのミーム化がきっかけで話題が拡大し、結果的に黒字化を後押しした
– 代表は黒字化後も自宅の抵当を解除せず、その資金を人材採用に回している
– 新作『TRICKCAL PATIMA』も発表され、グローバル展開がさらに加速している

Xでの盛り上がり

きっかけは、電ファミニコゲーマーが公開したインタビュー記事の告知投稿でした。
「日本上陸ドタバタ劇」というタイトルの通り、公式アカウントが「オリジナルクリアファイル」と書くべきところを「オリシナルクリアっアイル」と誤字投稿してしまった一件や、キャラクターの一体がネットミーム化した顛末が紹介されています。

この投稿は公開から1日足らずで5000いいねを超え、引用コメントでも「代表の家、まだ抵当に入ったままなのかよ」「もう持ちネタにしようとしてませんか」といった反応が相次ぎました。
単なる企業インタビューというより、開発の裏側にある人間味あるエピソードとして受け止められているようです。

ただ、この投稿だけでは「なぜ黒字化してもなお抵当が続いているのか」という核心部分までは分かりません。
そこで、他メディアのインタビューも合わせて確認してみました。

調べて分かったこと

日本上陸直後、実際に何が起きていたのか?

電ファミニコゲーマーの記事によると、トラブルの発端は公式アカウントの誤字投稿でした。
しかしユーザーがこれを面白がって拡散したことで、開発側は誤字をそのままグッズ化する方向に転換したといいます。
また、キャラクターの一体がSNS上でミーム化した際も、開発チームは素早くペット化や特別コインの実装で応え、ファンの盛り上がりを逃さない対応を取りました(電ファミニコゲーマー)。

トラブルをそのまま鎮火させるのではなく、ファンが面白がっている流れに乗って施策化するという判断が、結果的にサービスへの愛着を強めたようです。
韓国サーバーでは通常のモバイルゲームと異なり、1周年以降も数値が伸び続け、2.5周年で過去最高の盛り上がりを記録したとのことです。

黒字化したのに、なぜ家の抵当を解除しないのか?

ファミ通の報道によると、EPID Gamesの2025年度決算は売上高が約468億2000万ウォン(前年比116.3%増)、営業利益は約88億8000万ウォン(前年比136.2%増)に達し、明確な黒字転換を果たしています(ファミ通)。
それでもハン代表は、自宅の担保を解除するより「人を増やすこと」に資金を優先して投じているといいます。

電ファミニコゲーマーのインタビューでは、抵当の利子はそれほど高くないため、それなら利子を払い続けてでも優秀な人材を採用し、ゲームをより良くしていく方が会社として正しい判断だ、という代表自身の考えが紹介されています。
実際、チーム規模は韓国リリース当初の35人から現在は200人体制まで拡大しました。
この「安定より投資」という姿勢が、今なお家を担保に入れ続けているという象徴的なエピソードとしてファンの共感を呼んでいる面があるのでしょう。

4Gamerのインタビューでも、グローバル版では韓国サーバーにもまだ実装されていない「グローバル先行公開ストーリー」を用意するなど、日本市場を含むグローバル展開に積極的に投資している姿勢が語られています。

新作『TRICKCAL PATIMA』はどんなゲームになるのか?

6月29日には、EPID Gamesの新プロジェクト『TRICKCAL PATIMA』のティザーPVが公開されました。
宇宙を舞台に、スタッフたちと夢の会社を築いていく物語になる見込みですが、開発はまだ初期段階で、具体的な情報公開は早くても2年後になる見通しだといいます。

AUTOMATONのインタビューでは、日本での人気やコミックマーケット(コミケ)への出展、新作についてもEPID Games側の考えが語られています。

すぐに詳細が明らかになるわけではありませんが、既存タイトルの成長を止めずに新規プロジェクトへも人員を割いている点は、200人体制まで拡大したチームの余力を裏付けていると言えそうです。

Shiritomo GAME編集部の考察:トラブルを資産に変えるコミュニティ運営

今回の一件で興味深いのは、誤字やトラブルをネガティブな出来事として処理せず、コミュニティが盛り上がる材料として積極的に取り込んでいる点です。
通常、企業アカウントの誤字は迅速な訂正・謝罪で収束を図るのが定石ですが、EPID Gamesはあえてグッズ化という形でユーザーの反応を肯定的に回収しました。

この対応が可能だったのは、開発チームがXなどでのファンの反応をリアルタイムで観察し、素早く意思決定できる体制を持っていたからだと考えられます。
日本のゲーム運営でも、公式アカウントの「中の人」がファンとの距離を縮める運用は珍しくありませんが、トラブルそのものを商品化するところまで踏み込む例は多くありません。
黒字化後も人材投資を優先する経営判断とあわせて、コミュニティとの向き合い方がユーザーの信頼につながっている好例と言えるでしょう。

まとめ

日本上陸時のトラブルをきっかけに始まった話題は、単なる裏話にとどまらず、黒字化後も人材投資を優先するEPID Gamesの経営姿勢そのものへの関心へとつながっていきました。
代表の自宅がまだ抵当に入ったままという事実が、成長を止めない開発チームの覚悟を象徴するエピソードとして受け止められているようです。

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