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ミスド店員がBeRealで内部情報を流出——「消えるはず」が拡散した理由とSNSルール設計の盲点

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月2日 更新
ミスド店員がBeRealで内部情報を流出——「消えるはず」が拡散した理由とSNSルール設計の盲点

「消えるから大丈夫」「身内にしか見えていないから安全」——そんなふうに思っていませんか?

2026年5月、BeReal(ビーリアル:リアルタイム撮影を促すSNSアプリ)で撮影した店舗内の画像が全国に広まる事案が起きました。

舞台はミスタードーナツ。

愛知県瀬戸市の店舗で、業務上の内部情報が写り込んだ画像がXに拡散し、大きな波紋を呼んでいます。

Xで話題になった経緯

2026年5月1日ごろから、Xでミスタードーナツに関する画像が拡散し始めました。

映り込んでいたのは、店舗名入りのレシートが貼られた台紙、数字が記入された売上管理表、そして紙幣の束——いずれも業務上知り得た内部情報です。

撮影はBeRealアプリとみられており、2026年2月14日に撮影されたものと確認されています。

ライブドアニュースがこの事実を報じ、Xで大きな反響を呼びました。

実はこの事案の直前、西日本シティ銀行の行員が同様にBeRealで業務スペースを撮影・投稿し炎上する事件が起きていました。

銀行業務の目標数値(いわゆる営業ノルマ)や同僚の顔が映り込み、支店名まで特定されたケースです。

相次ぐ事案を受け、「BeRealの通知が来ても職場内の撮影をしてはいけないと研修で伝えていれば防げたのでは?」という声がSNS上で広がっています。

公式対応が明かした「ルールの限界」

J-CASTニュースの報道によると、ダスキン(ミスタードーナツの運営本部)は「フランチャイズ店スタッフの行為と確認した。厳重注意と、再度ルール厳守の指導を行いました」と認めています。

さらにダスキン側は、「本来は勤務前にスマートフォンを預け、勤務中の使用禁止、知り得た情報の投稿については定期的な勉強会を開催し禁止であることを伝えていたが、徹底できていなかった」とコメントしました。

ここに、今回の問題の核心があると感じています。

「禁止しているはず」と「徹底されている」は、まったく別の話なのです。

BeRealの特性から来る「安全バイアス(思い込みによる油断)」も、見逃せない要因のひとつです。

BeRealには次のような仕様があります。

  • 相互承認した身内にしか表示されない
  • 24時間でハイライトされなくなる
  • 通知から2分以内の「即時撮影」を促す設計

この仕様が「消えるから大丈夫」「見えるのは友達だけ」という誤認を生みやすくしています。

しかし、実態はどうでしょうか。

スクリーンショット1枚で内容は永続しますし、身内の1人が「これはまずい」と思えば、すぐXに投稿されてしまいます。

「閉鎖的なシステムだからトラブルが起きない」というバイアスそのものが、最大の盲点になっているのではないでしょうか。

企業のSNSポリシー担当者が今回の事案から得るべき教訓は、次の3点だと思います。

  1. BeReal・Snapchat・Instagramストーリーズなど「消えるコンテンツ」を名指しでポリシーに含める
  2. 「スマホを預ける」というルールの実効性を担保する仕組みを作る(ロッカー設置など)
  3. 職場環境の可視化リスクについて、具体的な事例を使って定期的に研修する

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  • J-CASTニュース「ミスタードーナツ、内部情報写り込みの画像SNS拡散」:https://www.j-cast.com/2026/05/01514369.html
  • note「ミスド内部情報BeReal映像拡散の投稿者は誰?」(迷い猫ブログ):https://straycats.hatenablog.jp/entry/2026/05/01/235940
  • 「ミスタードーナツ店内投稿問題に見る『2分間SNS』のリスクと企業統制の限界」(長野智子note):https://note.com/shimaenaga0427/n/neea96da1f9a1

まとめ

「消えるSNS」で撮影した社内情報が全国に拡散してしまう——ミスドのBeReal事案は、現代のSNSポリシーが想定していなかった盲点を浮き彫りにしました。

「禁止しているから大丈夫」ではなく、「どうすれば守られるか」という実効性の設計に、企業のSNS担当者は今すぐ取り組むべきときかもしれません。