「このCMに女性の購買心理が詰まっている」——資生堂TSUBAKIが発売2週間でトップになった理由
「資生堂『TSUBAKI』が発売2週間でトップブランドになった理由もこれ。
このCMに女性の購買心理が詰まっている」。
2006年に放送された資生堂のヘアケアブランド「TSUBAKI」のCM動画を添えたこの投稿に、25,000件を超える「いいね」が集まっています。
20年近く前のCMが、いまXで改めて語られているのです。
マーケティングやSNS運用に携わる人にとって、「なぜ20年前のCMがいま拡散されているのか」を知ることは、時代を超えて効く訴求の型を考えるヒントになりそうです。
先に結論をまとめると:
– TSUBAKIは2006年3月の発売から2週間ほどで、資生堂として12年ぶりにシャンプー・リンス市場でトップシェアを獲得したとされる
– 竹内結子さんら当時の人気女優6人を起用し、資生堂として過去最大級となる約50億円の広告費を投じたキャンペーンだった
– 投稿では「本来の自分を取り戻す」という物語構造が購買心理を動かしたという見方が語られているが、この解釈自体はX上の分析であり公式な制作意図として確認されたものではない
発売2週間でトップシェア、その中身は
まず投稿がきっかけで再拡散した「TSUBAKI」というブランドについて、事実関係を確認しておきます。
資生堂は2006年3月30日、ヘアケアブランド「TSUBAKI」のCM「春・宣言」篇の放送を開始しました。
起用されたのは竹内結子さん、仲間由紀恵さん、広末涼子さん、田中麗奈さん、上原多香子さん、観月ありささんの6人。
当時の人気女優をまとめて起用する布陣で、広告費は資生堂として過去最大級となる約50億円が投じられたとされています。

その効果は数字にも表れました。
発売から2週間ほどが経った同年4月中旬には、資生堂は実に12年ぶりにシャンプー・リンス市場でトップシェアを獲得したと伝えられています。
ヘアケア分野で長く苦戦していた資生堂にとって、この結果は業界内でも大きな話題になりました。
X上で紹介された投稿の動画には、女優たちが優雅に髪をなびかせる印象的なカットが使われています。
資生堂「TSUBAKI」が発売2週間でトップブランドになった理由もこれ
— 寺田 正信 (@terada_masanobu) 2026年8月14日
このCMに女性の購買心理が詰まっている https://t.co/nxxtu8XOlA pic.twitter.com/W3zA2drw5e
投稿には「当時買った」「今も色褪せない」といった懐かしむ反応が寄せられ、20年近く前のキャンペーンが世代を超えて語り継がれている様子がうかがえます。
ただ、「なぜこのCMがそこまで売れたのか」は、CMを見返すだけでは分かりません。
そこで、購買心理としてどんな説明がされているのかを調べてみました。
なぜ「物語」が購買心理を動かすといわれるのか?
投稿やそれに続く反応では、このCMが「本来の自分を取り戻す」という物語構造を持っていた、という見方が語られています。
忙しい日常の中で失われがちな輝きを、TSUBAKIを使うことで取り戻す——という筋立てが、見る人の感情に訴えかけたという解釈です。
この読み解き自体は、あくまでX上でなされている分析であり、資生堂が公式に「この物語構造を狙って作った」と説明した一次情報は今回確認できていません。
ただ、マーケティングの一般論として、商品の機能そのものより「使うとどんな自分になれるか」という変化の物語を描いた広告が心を動かしやすい、という考え方はよく知られています。
TSUBAKIのCMが40代前後の女優を並べたことも、「歳を重ねても輝きを取り戻せる」というメッセージと重なって受け止められた可能性はありそうです。
20年前のCMがいまXで語られる理由は何か?
もう一つの疑問は、なぜ2026年のいま、このCMが改めて話題になっているのかという点です。
明確な単一の理由が公式に説明されているわけではありませんが、投稿への反応を見る限り、「当時実際に商品を買った」世代のユーザーが多く含まれていることがうかがえます。
CM自体の完成度に加えて、自分の記憶と結びついた懐かしさが、拡散の後押しになったと考えられそうです。
SNS上では、商品の機能説明よりも「あのCMを見た記憶」そのものが共有され、それが購買心理の分析という切り口とセットで語られることで、単なる懐古にとどまらない広がりを見せているように見えます。
Shiritomo編集部の考察:機能訴求より「なりたい自分」を描けているか
TSUBAKIの事例が現在のSNSマーケティングに示唆するのは、商品スペックの説明だけでは人の心は動きにくい、という点だと考えます。
SNS運用の現場でも、フォロワー数やエンゲージメント率といった数字を追いがちですが、投稿やキャンペーンが「見た人がどんな自分になれると感じるか」を描けているかどうかは、改めて意識する価値があるポイントです。
TSUBAKIが起用した女優たちは商品の使用感を語るのではなく、あくまで「輝きを取り戻した姿」そのものを体現していました。
SNS時代の短い投稿であっても、機能の羅列で終わらせず、使った後の変化やなりたい自分を短いフレーズや画像で示せているか、企画段階で振り返ってみる価値がありそうです。
まとめ
資生堂TSUBAKIの2006年のCMは、発売2週間で12年ぶりのトップシェアを獲得したとされる実績を持ち、いまもXで購買心理の分析材料として語り継がれています。
機能ではなく「なりたい自分」を描く訴求の型は、SNS時代の発信にも通じるヒントといえそうです。
さらに深掘りしたい方へ
TSUBAKIブランドのCM展開の歴史はTSUBAKI – Wikipediaで確認できます。