「グルメ界隈で有名だから割引して」——サイトウハムが断った一言が、2万7千いいねを集めた理由
「フォロワー数が多いから安くして」——そんな要求を、あなたのお店に言える人がいると思いますか?
2026年5月10日、愛知県犬山市の老舗ハム専門店「サイトウハム」がXに投稿した一件が、あっという間に2万7千以上のいいねを集めました。
インフルエンサーからの割引要求を、オーナーがきっぱり断ったという話です。
SNSマーケティングの現場で長年くすぶっていた問題が、一人の正直な投稿によって一気に可視化された出来事でした。
何が起きたのか
サイトウハムは、愛知県犬山市で50年以上続く無添加ハム・ソーセージの専門店です。
楽天で1位を獲得した実績を持ち、国産・無添加にこだわった商品で知られています。
今回の騒動は、グルメ系インフルエンサーが店舗を訪れ、「グルメ界隈で有名だから」という理由で特別割引を要求したことから始まりました。
それに対してオーナーは「正規価格でずっと応援してくださるお客様がいる。
インフルエンサー割引はしません」と明確に断ったのです。
その一部始終をXに投稿したところ、投稿がたちまち拡散しました。
もうやめてください。しつこいインフルエンサー営業を全てお断りしています。『インフルエンサーが宣伝すればもっと儲かるしなにより認知度が上がる』とアドバイスがあった。費用は30万円と高額。今はサイトウハムの魂を自ら発信し、自分たちの力でどこまでやれるか挑戦します。 pic.twitter.com/zQBXK2Emn6
— SAITO HAM (@saitoham8) 2025年12月1日
この投稿への反応も、Xで大きく広がっています。

値切ってくるインフルエンサーとかゴミカスだろ笑
— オタッキーの超越 (@134XC4m5gV80743) 2026年5月10日
全然売れてない自称インフルエンサーを軽くあしらったサイトウハムさん最高!
「値切ってくるインフルエンサーとかゴミカスだろ笑」という言葉は乱暴ですが、多くの人が「そうだよな」と感じた本音を代弁しているようでした。
「本当に有名なら割引を要求しない」「正規のお客様を大切にする店の姿勢が気持ちいい」というコメントが相次ぎ、SNS上では店側への支持が圧倒的でした。

インフルエンサー割引という慣習
実は、飲食店やEC事業者の間で「インフルエンサーに無料または割引で提供する代わりに投稿してもらう」という慣習は広く存在しています。
これ自体は違法ではありませんが、いくつかの問題を抱えています。
一つは、フォロワー数と実際の購買影響力が必ずしも比例しないという点です。
フォロワー10万人のアカウントでも、エンゲージメント率が低ければ実際の購買にはつながりにくいことがあります。
特に「自称グルメインフルエンサー」や「フォロワーの質が低いアカウント」が割引を要求するケースは、飲食業界ではすでに問題視されていました。
もう一つは、長年の常連客との公平性です。
正規価格でコツコツ購入してくれているお客様を差し置いて、SNSのフォロワー数だけを根拠に割引を提供することへの違和感——サイトウハムのオーナーが「長年応援してくださるお客様がいる」と言った理由はここにあります。
ブランドが学べること
今回の一件が大きな反響を呼んだのは、単なる「インフルエンサーを断った話」ではないからでしょう。
ブランドの価値観をSNSで正直に発信することで、信頼とエンゲージメントが同時に生まれた事例として読むことができます。
サイトウハムは今後も「インフルエンサー営業はお断りしています」という姿勢を明確にしています。
「自分たちの魂を自ら発信し、自分たちの力でどこまでやれるか挑戦します」という言葉には、ブランドとして長く続いてきた確かな自信が滲んでいます。
SNSマーケティングにおいて、「インフルエンサーに頼る」という選択肢は多くのブランドにとって有力な手段です。
ただ、それが本当に自分たちのブランドの姿勢と合っているかどうかを改めて問い直すきっかけとして、この事例は参考になるのではないでしょうか。
さらに深掘りしたい方へ
- 老舗のSAITO HAMさんに、インフルエンサーが割引を要求した一件まとめ — Togetter
- インフルエンサー案件の費用相場早見表【2026年版】 — 株式会社モカ
- ステマ規制後のインフルエンサーPR、正しいやり方と違反事例 — 株式会社モカ
まとめ
「割引要求をきっぱり断った」という一つの行動が、サイトウハムのブランド価値をSNS上で大きく引き上げました。
インフルエンサーマーケティングが当たり前になった時代だからこそ、「自分たちの軸をどこに置くか」を明確にして発信することの力が、改めて見えた出来事でした。