「ラルクほどのアーティストでも制作費ケチるんだ」──L’Arc-en-Ciel新曲ジャケットに生成AI疑惑
「ラルクほどのアーティストでも制作費ケチるんだ……」。
10月1日、L’Arc-en-Cielが35周年を飾る新曲「総天然色(Radio Edit)」のジャケット画像を公開すると、Xにこんな投稿が並びました。
投稿は公開から1日足らずで4800件を超えるいいねを集め、10月7日配信を控えた1枚が、曲そのものより先に話題の中心になっています。
SNSでの見え方がブランドの印象を大きく左右する今、制作の裏側がどこまで見えるかは発信する側にとっても他人事ではありません。
先に結論をまとめると:
– L’Arc-en-Cielが公開した新曲ジャケットに「生成AIで作ったのでは」という疑惑がXで広がりました
– 公式からは制作手法についての説明がなく、10月2日時点でも疑惑は解消されていません
– ジャケットの”崩れ”をあえての演出とみる考察も出ていますが、真偽は確認できていません
Xで広がった「AIでは」という声
発端は10月1日、公式Xに投稿された配信告知でした。
📣「総天然色 (Radio Edit)」配信決定🌈
— L'Arc-en-Ciel (@LArc_official) 2026年10月1日
8月にヘッドライナーとして出演した「SUMMER SONIC 2026」で大きな注目を集めた新曲「総天然色」。
hydeが「L'Arc-en-Ciel 35 周年の幕開けを飾るに相応しい、新しく世界が目覚めるような元気で明るい曲をと思って書いた」とコメントした本楽曲のRadio… pic.twitter.com/Icq3Uiz6ar
hydeは「L’Arc-en-Ciel 35 周年の幕開けを飾るに相応しい、新しく世界が目覚めるような元気で明るい曲をと思って書いた」とコメントし、バンドの節目を飾る1曲として期待を集めていました。
ところが、添えられたジャケット画像を見た人たちの反応は、曲そのものより画像の”作り方”に向かいました。
ラルクほどのアーティストでも生成AI使うんだ……
— あき3こ🌼🌻🐝 (@koz_aki_mno11) 2026年10月1日
っていうより、
ラルクほどのアーティストでも制作費ケチるんだ……
って思いのが強いな
いいね4800件超を集めたこの投稿が映しているのは、「生成AIを使ったこと」そのものよりも「あのラルクが手を抜いたのでは」という落胆です。
長年のファンだからこそ向けられた厳しい目だと言えそうです。
とはいえ、この反応だけでは実際に生成AIが使われたのかは分かりません。
そこで、ジャケットに何が描かれ、何が疑惑の根拠になっているのかを確認しました。
調べて分かったこと
ジャケットには何が描かれているのか
SNS上で話題になっている画像についての報告によれば、ジャケットにはおもちゃのようなカラフルな街を、黄色いボタンのような目をしたピンクの怪獣が暴れ回る様子が描かれています。
空には目のついたUFOが浮かび、街には「総天然色」のネオン看板やバンドのロゴも配置されているとのことです(編集部では画像ファイル自体は未確認です)。
“混じりけのない自然の色”を意味する曲名と、いかにも作り物めいた怪獣絵巻という組み合わせ自体が、見る人に違和感を与えたようです。
なぜ「生成AI」だと言われているのか
疑惑の根拠になっているのは、絵の中に残る”崩れ”です。
看板の文字が歪んで読み取れない、乗り物のタイヤの数がおかしい、怪獣が掴んでいるものの輪郭がはっきりしない——といった、生成AI画像でよく指摘される特徴が複数あったと報告されています。
ラルクも終わってしまったな…
— アータゴングル (@artagongulgul) 2026年10月2日
少し調べれば生成AI画像が嫌われてるって分かる筈なのにね。こうやってファンが離れていく訳だ。嫌な時代になった。 https://t.co/fSZFVxkCym
この投稿にある「少し調べれば生成AI画像が嫌われてるって分かる筈なのにね」という一言は、ファンの間に広がる戸惑いを端的に表しています。
好みが分かれるデザインそのものよりも、なぜエラーが残ったまま公開してしまったのかという制作体制への疑問の方が強く語られている印象です。
公式はどう説明しているのか
10月2日時点で、L’Arc-en-Ciel公式から制作手法についての説明は出ていません。
ジャケットが生成AIによるものかどうかは、ファンの間でも「使っている」「いや演出だ」と意見が分かれたままになっています。
あえての演出という見方も
一方で、今回の騒動を意図的な演出とみる声もあります。
“混じりけのない自然”を意味する「総天然色」というタイトルと、いかにも人工的な怪獣絵巻を組み合わせたのは皮肉ではないか、という読み方です。
バンドは過去にも、2000年の「STAY AWAY」のミュージックビデオでメンバーの顔を組み合わせた不自然な合成ボディを登場させるなど、シリアスな場面であえて突飛な表現を選んできた経緯があります。
ただし、この見方はファンの間の考察にとどまっており、公式が認めたものではありません。
生成AIかどうかはどこで見分ければいいのか
今回指摘されたような文字の歪み、物の輪郭の崩れ、背景のディテールのちぐはぐさは、生成AI画像を見分ける際によく使われるチェックポイントです。
細部までよく見ると、看板の文字や指・タイヤの数といった部分に不自然さが残っていることが多いので、気になる画像があればまずそこを確認してみるとよいでしょう。
Shiritomo編集部の考察:ブランドの”見た目”は誰のためにあるのか
今回の反応で興味深いのは、批判の矛先が「AIを使ったこと」自体より「クオリティ管理」に向かっている点です。
実際、今年は国内の美術館が「生成AIの利用はしていない」としていたポスターについて、後から一転して謝罪する騒動もありました。
読者や消費者は、AIを使うこと自体よりも、使った上で粗が残っていたり、説明を避けたりする姿勢の方に厳しい目を向けている傾向がうかがえます。
SNSでブランドイメージを発信する立場であれば、制作手法を伏せること自体がリスクになり得ることを、今回の件は改めて示しているのではないでしょうか。
まとめ
L’Arc-en-Cielの新曲ジャケットに浮上した生成AI疑惑は、公式の説明がないまま広がり続けています。
制作手法そのものより、”疑惑にどう向き合うか”が今後の焦点になりそうです。