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「オープンソースだから好きなだけ使える」──Cloudflare初の意思決定モデル「Clef」、Jevの代替に名乗り

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月3日 更新
「オープンソースだから好きなだけ使える」──Cloudflare初の意思決定モデル「Clef」、Jevの代替に名乗り

「オープンソースだから好きなだけ使える!」。
10月1日、Cloudflareが自社初となる”判断に特化したAI”「Clef」と軽量版「Clef-flash」を公開すると、Xにはこんな声が並びました。
文章を書かせるためのAIではなく、「AかBか」を一瞬で判断させるためのモデルだという点が、開発者の間で早速話題になっています。

AIを業務に組み込んでいる人や、AIエージェント(人に代わって一連の作業を自動で進めるAIの仕組み)の活用に関心がある人にとっては、判断を下す部分のコストと速度がどこまで変わるのかが気になるところだと思います。

先に結論をまとめると:
– Cloudflareが「Clef」(27Bパラメータ)と「Clef-flash」(9Bパラメータ)を10月1日に公開し、Workers AIで利用できるようにしたほか、Hugging FaceではApache 2.0ライセンスのオープンソースとして無料公開しました
– 文章を生成する代わりに、与えられた選択肢ごとの確率を1回の処理で返す仕組みで、競合の「Jev」より応答が大幅に速くなっています
– ベンチマークの精度でもJevを上回り、画像を使った判断にも対応しています

Xで広がった反応

投稿には1300件を超えるいいねが集まりました。
無料で商用利用もできるオープンソースモデルがHugging Faceに並んだことへの素直な驚きがうかがえます。
ただ、「代替」と呼べるほどの実力があるのかは、この投稿だけでは分かりません。
ここからは、公式の発表内容をもとに中身を確認していきます。

調べて分かったこと

Clefとはどんなモデルなのか

Cloudflareによると、Clefはアリババが開発したオープンモデル「Qwen」をベースに作られています。
Clefは「Qwen3.8-27B」を、軽量版のClef-flashは「Qwen3.5-9B」をベースにしており、画像を扱えるQwenの機能もそのまま引き継いでいます。
入力として受け取るのは状態(state)と「型付きの質問(typed questions:あらかじめ選択肢が決まった質問形式)」で、出力は文章ではなく選択肢ごとの確率です。
いわば「文章を書くAI」ではなく「選択肢を選ぶAI」として設計されています。

なぜJevより速いと言えるのか

Cloudflareが公開した43種類のベンチマークの結果では、応答速度の中央値はClefが209.3ミリ秒、Clef-flashが38.8ミリ秒でした。
これに対し、比較対象のJevは524.1ミリ秒だったとされています。
単純計算で、Clefはおよそ2.5倍、Clef-flashは13倍ほど速いことになります。

精度はJevに劣らないのか

速いだけで精度が落ちていては意味がありません。
顧客対応の分類タスクで使われるベンチマーク「BANKING77」でのmacro-F1(分類の精度を表す指標)は、Clefが94.20、Clef-flashが90.93だったのに対し、Jevは79.74でした。
速度だけでなく、精度でも上回る結果が示されています。

海外の開発者からも反応がありました。
「このアイデアがこれほど速く広まるのを見たことがない」という投稿です(この投稿はいいね数や添付画像の情報までは確認できていません)。

何に使う想定なのか

ClefとClef-flashが想定しているのは、AIエージェントが作業を進める中で発生する「分岐の判断」です。
問い合わせ内容をどの部署に振り分けるか、画像に写っているものが規約違反かどうか——といった、文章を書かせるには大掛かりすぎる判断を、低コストかつ高速に行わせる用途が中心になりそうです。
既存のJev向けに作られた仕組みをそのまま流用できる互換性も用意されているとのことです。

「意思決定モデル」はこれまでのAIと何が違うのか

ChatGPTのような生成AIは、入力を受けて文章を一から作り出します。
対してClefのような意思決定モデルは、あらかじめ用意した選択肢の中から確率の高いものを選ぶだけなので、出力の自由度が低い代わりに、無駄がなく高速です。
「AIに判断だけさせたい」という場面では、文章生成よりも向いている設計だと言えそうです。

Shiritomo編集部の考察:”考える”から”決める”へのすみ分けが進む

これまでAIエージェントは、判断が必要な場面でも大型の生成AIをそのまま使うケースが多く、応答速度とコストが導入の壁になっていました。
Clefのような”決める”専用のAIが安く高速に使えるようになれば、文章生成は大型モデル、仕分けや判定は軽量モデルという役割分担が一気に進む可能性があります。
SNS運用の現場でも、問い合わせの一次振り分けやコメントの危険度判定など、AIに任せたくても速度・コストで諦めていた処理から、実装のハードルが下がっていくのではないでしょうか。

まとめ

Cloudflareが公開した「Clef」「Clef-flash」は、文章を生成する代わりに判断だけを高速・安価に行うAIモデルです。
応答速度・精度ともに既存の「Jev」を上回るとされ、AIエージェントの判断部分を担う選択肢として注目されています。

さらに深掘りしたい方へ

Cloudflare公式ブログ「Introducing Clef」