INMO Air3のスマートグラスが過熱でリコール、火傷10件の報告で無料修理へ

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年10月2日 更新
INMO Air3のスマートグラスが過熱でリコール、火傷10件の報告で無料修理へ

左のこめかみのあたりが、じわりと熱くなる。

スマートグラス「INMO Air3」を使っていたユーザーから、そんな報告が相次いでいました。
米国の消費者製品安全委員会(CPSC)は2026年9月24日、このARグラスのリコールを発表しました。
対象は約1,643台、事故報告は10件。
幸い大きなケガには至っていないが、顔や耳に熱さを感じたという声は見過ごせない数字です。

ガジェット好きのあいだでは「スカウターが爆発するのでは」という冗談も飛び交ったが、実際に起きていたのはもっと地味で、もっと見過ごされやすいトラブルでした。
スマートグラスというジャンルがいま抱える課題を、リコールの中身から見ていきます。

先に結論をまとめると:
– INMO Air3は左テンプル部分の過熱による火傷リスクでCPSCがリコールを発表(米国約1,643台・カナダ約120台が対象、事故報告10件)
– 対応は本体回収ではなく、無料のファームウェア更新(V3.16)。
該当するユーザーはまず使用を中止し、INMOへ連絡する
– 同じAir3は日本でもAmazonや楽天市場を通じて購入できるが、今回の公式リコールは米国・カナダで販売された個体が対象

何が起きたのか

INMO Air3は、中国のINMO International Technology Limitedが手がけるAR(拡張現実)スマートグラスです。
スマホを使わず単体で動作し、ソニー製のマイクロOLEDディスプレイを搭載する独立型という点が特徴で、2025年12月から2026年8月にかけてAmazon、INMOの公式サイト(inmoxr.com)、Kickstarterを通じて900〜1,300ドルで販売されてきました。

そのAir3について、CPSCは次のように発表しています。

INMO社製のスマートグラス「INMO Air3」をリコールします。
左テンプル部分が長時間使用で過熱するおそれがあります。
同社には10件の過熱報告が寄せられています。

CPSCによれば、報告された症状は顔の灼熱感や左耳への熱傷などで、死亡や重傷につながるリスクがあるとされています。
対応として、ユーザーはまず製品の使用を中止したうえでINMOに連絡し、無料のファームウェア更新(バージョンV3.16)を受ける必要があります。
本体の返品・交換ではなく、ソフトウェア側の修正で対応する点が今回のリコールの特徴です。

この件はカナダのニュースメディアでも取り上げられ、速報として伝えられました。

AIスマートグラスがカナダと米国でリコール――「すぐに使用を中止してください」

調べて分かったこと

なぜ左テンプルだけが熱くなるのか

CPSCの発表文では、過熱の原因が具体的な部品名までは明かされていません。
ARグラスは左右どちらかのテンプル(つる)部分にバッテリーやチップセットを集約する設計が多く、処理負荷の高い映像処理や通信を続けると、その集中した一点に熱がこもりやすくなります。
INMO Air3も単体でOSを動かし150インチ相当の映像を映し出せる処理性能を持つため、長時間の連続使用でこの構造上の弱点が表面化したとみられます。
あくまで構造上の傾向であり、今回の原因がそこにあると公式に断定されているわけではありません。

日本で買った人は対象になるのか

INMO Air3は日本でも、Amazon.co.jpや楽天市場の海外家電販売店経由で入手できます。
ただし今回のCPSCリコールは、あくまで米国・カナダで販売された個体を対象にした発表であり、日本国内で購入した個体が同じ対応の範囲に含まれるかどうかは、この発表だけでは分かりません。
同一のハードウェアを使っている可能性が高いことを踏まえると、心当たりのある人はメーカーや購入店に直接問い合わせておくのが安全でしょう。

Shiritomo GADGET編集部の考察

スタンドアロン型ARグラスは、スマホに頼らず単体で完結するという利便性と引き換えに、バッテリーと処理チップを狭いフレームの中に押し込める設計を強いられます。
今回のリコールは、その設計上の難しさが安全性の課題として表面化した一例といえるでしょう。

注目したいのは、対応がハードウェアの回収ではなくファームウェア更新だった点です。
発熱の原因が仮に電流制御やバッテリー管理のソフトウェア側にあるなら、今後も同様の不具合は無線通信で配信される更新によって是正される可能性があります。
スマートグラス市場は各社が急速に機能を競っている段階で、設計の枯れていない新ジャンルだけに、購入前には安全性に関するリコール履歴も確認材料に加えておきたいところです。

まとめ

INMO Air3は過熱による火傷リスクでCPSCのリコール対象となり、無料のファームウェア更新で対応が進められています。
スタンドアロン型ARグラスという新しいジャンルならではの設計課題が、安全面の数字として表れた出来事でした。

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リコールの詳細や対象製品の確認は、CPSC公式のリコール告知ページで確認できます。