メガネ越しに原稿が見える——300人が集まった「Even Day Japan 2026」で見えたAIスマートグラスの現在地

Shiritomo編集部 @shiritomoAI_jp 2026年7月18日 更新
メガネ越しに原稿が見える——300人が集まった「Even Day Japan 2026」で見えたAIスマートグラスの現在地

MCを務めた有野いくさんが壇上で使っていたのは、紙の台本ではなく1台のメガネでした。
「メガネに原稿が表示されるプロンプト機能を使いました。
世界が変わった」。
この投稿には58件のいいねが集まっています。

7月17日、渋谷のホテルで開かれたコミュニティイベントに、300人を超える参加者が押し寄せました。
当初の会場では収まりきらず、直前に会場を変更したほどの人気ぶりです。
スマートグラスに関心がある人、AIガジェットの実用性を見極めたい人にとって、「実際に使っている人たちが何を感じているか」が濃縮された1日になりました。

先に結論をまとめると:
– 深圳発のスタートアップ「Even Realities」主催のコミュニティイベント「Even Day Japan 2026」に300人超が集まり、会場を急遽渋谷のTRUNK(HOTEL)に変更するほどの盛況だった
– 主力製品「Even G2」は税込9万9800円のカメラ非搭載スマートグラスで、リアルタイム翻訳やAI音声アシスタントなど実用機能を備える
– 参加者からは「メガネに台本を表示する」「異業種の人をその場でつなぐ」など、実生活での活用報告が相次いだ

何が起きたのか、Xで語られたこと

Even Realitiesは、AI機能を搭載したメガネ型デバイス「Even G2」を手がける深圳拠点のスタートアップです。
今回のイベントは単なる新製品発表会ではなく、既にEven G2を使っているユーザー同士が体験を持ち寄る「コミュニティイベント」として開催されました。
応募が想定を上回ったため、会場は渋谷のTRUNK(HOTEL)に変更。
元Appleエンジニアである同社CEOのウィル・ウォン氏が基調講演を行い、XRアーティストやアニメ監督なども参加したといいます。

エンジニアのGOROmanさんは、イベントで生まれたつながりについてこう投稿しています。

「今回の #EvenDay で 礒光雄監督(電脳コイルとかエヴァとか逆襲のシャアとか) と ナイアンティックのVP 川島さんを繋げられたのが良かった」。
この投稿は、イベントの雰囲気をよく表しています。

技術デモの場が、業界の異なる人同士を引き合わせる場にもなっていたのが、このイベントの特徴のひとつです。
ただ、「楽しかった」という感想だけでは、Even G2が実際にどんな製品なのかは見えてきません。
そこで、スペックや価格といった一次情報を確認してみました。

Even G2とはどんなメガネなのか?

Even G2は、レンズ部分に情報を表示するディスプレイ内蔵型のスマートグラスです。
価格は税込9万9800円。
度付きレンズに対応した「Even G2-A」も用意されており、老眼鏡やコンタクトに頼らず日常使いできる設計になっています。
プライバシーへの配慮からカメラは搭載されていません。
重さはレンズを含めて約36gで、10万人以上の3D頭部形状データをもとに、見た目が「普通のメガネ」に近づくよう設計されています。

搭載されている主な機能は、リアルタイム翻訳、地図のナビゲート表示、リマインダー通知、そしてAI音声アシスタントです。
指先の操作を担う専用リング「Even R1」(単体税込4万1800円)と組み合わせることで、スマートフォンを取り出さずに操作できる場面が増えます。
G2とR1をセットで買うと、R1が半額になるキャンペーンも用意されています。

なぜ今、日本で盛り上がっているのか?

日本では2026年3月19日から先行予約が始まり、4月16日に一般販売がスタート。
同月からはビックカメラやヨドバシカメラといった量販店の店頭でも取り扱いが始まりました。
カメラなしという割り切った設計にもかかわらず支持が広がっている背景には、「メガネとして違和感がない」という完成度の高さがあるようです。
今回のイベントでは、翻訳や会話サポート機能を実際の商談や雑談で使い込んだユーザーの声が目立ちました。

エンジニアのchomadoさんも、イベントの感想をこう投稿しています。

「昨日の Even Realityの #EvenDay イベント とても楽しかったです! お話ししてくださった方々、誠にありがとうございました」

こうした投稿から見えてくるのは、Even G2が「見せるためのガジェット」ではなく「使い続けるための道具」として受け止められているという点です。
派手な新機能の発表よりも、実際の使用感を共有し合うコミュニティが育っていることが、このイベントの盛況の裏側にあるといえるでしょう。

Shiritomo GADGET編集部の考察

Even G2の設計判断で興味深いのは、あえてカメラを外した点です。
周囲からの視線を気にせず使えるスマートグラスにするには、常時カメラで撮影されているかもしれないという不安を取り除く必要があります。
Metaのスマートグラスがカメラ搭載で注目を集めた一方、Even Realitiesは真逆の設計思想で日常使いの間口を広げにいったように見えます。
今回のイベントで目立ったのが「翻訳」「メモ表示」といった地味だけれど日常的なユースケースだったのも、この設計思想と無関係ではないでしょう。
スマートグラス市場はまだ「どの機能が本当に定着するか」を模索している段階にあり、コミュニティが実体験を蓄積していくプロセス自体が、次の製品開発にとって貴重なデータになっていくと考えられます。

まとめ

300人が集まった「Even Day Japan 2026」は、Even G2というスマートグラスが一過性の話題ではなく、日常に根づき始めていることを示すイベントでした。
カメラなしという割り切りが、逆に日常使いへの扉を開いたのかもしれません。

さらに深掘りしたい方へ

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Even G2の製品詳細はEven Realities公式サイトで確認できます。
日本の販売価格や店舗情報はMoguraVRの記事にまとまっています。