「音色ではなく、アンプそのものを再現する」ZOOMの新型「NEURIG」、4.78万円で11月発売
“音色ではなく、アンプそのものを再現する”。
10月9日、ZOOMの公式X(@ZOOMjpn)がそう宣言して発表したのが、ギター用のアンプ&エフェクト・ニューラルモデラー「NEURIG(ニューリグ)」です。
通常のアンプモデリング機材は、ある1つのつまみ設定で録った音色を、いわば写真のように切り取って再現します。
NEURIGが掲げるのは、つまみを回したときにアンプの中で起きている変化そのものを学習させるという、一歩踏み込んだ話でした。
エフェクターボード1台分のサイズに139種類のエフェクトと200件の保存枠を詰め込みながら、価格は4万円台。
ギター用の機材を探している人にとって、選択肢の重みが変わってくる製品です。
先に結論をまとめると:
– ZOOMが10月9日、アンプの音色だけでなく「つまみを回したときの挙動」まで学習する新技術「DNA Engine」搭載のギター用モデラー「NEURIG」を発表しました
– 価格はZOOM STORE参考価格で47,800円(税込)、発売は2026年11月上旬の予定です
– 10月10日・11日に東京・五反田で開催中の「東京ペダルサミット2026」のZOOMブースで実機に触れられます
何が起きたのか
発表は、ZOOM公式Xアカウントの1本の投稿から始まりました。
投稿では「音色ではなく、アンプそのものを再現する」という一文に続けて、つまみ操作時の挙動まで学習する「DNA Engine」という技術名が明かされていました。
“音色ではなく、アンプそのものを再現する”
— ZOOM Japan|日本の楽器・音響機器メーカー (@ZOOMjpn) 2026年10月9日
つまみを回した時のアンプの挙動すら学習する次世代ニューラルモデリング技術「DNA Engine」、NAM… pic.twitter.com/5JF0MgZoo6
この投稿は公開から1日足らずで42万回以上表示され、2,217件のいいね、816件の引用投稿、656件のリポストを集めています。
エフェクター好きのあいだで、どれだけ注目度が高かったかがうかがえる数字です。
添付された写真には、白を基調とした本体に丸いタッチスクリーンが2つ並び、複数のケーブルがつながれた状態でほかのペダルと並べて置かれている様子が写っていました。
ただ、「挙動まで学習する」という説明だけでは、何がこれまでと違うのか、ピンとこない人も多いはずです。
そこで、背景にある技術を確認してみました。
調べて分かったこと
なぜ「音色でなく挙動」が新しいのか?
ギター用のアンプモデリング技術には、実機のアンプをある1つのつまみ設定で鳴らし、その音を切り取って保存する「プロファイリング(キャプチャ)」と呼ばれる手法が広く使われてきました。
再現度は高い一方、保存時のつまみ位置からずれると音の再現性が崩れやすいという弱点を抱えていました。
公式発表によれば、NEURIGが搭載する「DNA(Dynamic Neural Archive)Engine」は、ゲインやEQのつまみを動かしたときにアンプの中で音がどう変わっていくか、その挙動自体を学習させる方式を採っています。
ギターアンプ10種類・アンプヘッド10種類・ドライブペダル10種類、あわせて30種類のDNAモデルを搭載し、つまみを動かした分だけ実機さながらに音が追従する設計だといいます。
この発表に反応したユーザーの投稿にも、この点に触れたものがありました。
【速報!!やばいやつ出てきた!!】🎸🔥
— kazuya yamaguchi (@kkkzzzyyy) 2026年10月9日
ZOOMから、とんでもなく我らの心を掴むやつ出てきましたね…。
その名も 「NEURIG(ニューリグ)」
AIによる音作り、ステム分離、NAM。
だけじゃなくさらに上を行くスペックを見れば見るほどすごいんですが……。
注目ポイントをまとめると👇
✅… https://t.co/VNDXm0Ca7Y
この投稿では「AIによる音作り、ステム分離、NAM」といったキーワードが挙げられ、スペックの多さに驚いた様子がつづられています。
NAM(Neural Amp Modeler:海外のアンプ愛好家コミュニティが開発した、オープンソースのアンプ学習技術)に対応している点も、NEURIGの特徴のひとつです。
公式によると、コミュニティサイト「TONE3000」経由で70万件以上あるNAMファイルを無料で取り込めるとされています。
価格とスペックはどうなっているのか?
ZOOM公式サイトによると、NEURIGの希望小売価格はオープンで、ZOOM STORE参考価格は47,800円(税込)です。
発売時期は2026年11月上旬を予定しています。
本体サイズは120.6mm(奥行き)×236.4mm(幅)×54.2mm(高さ)、重さは850g。
2インチのタッチスクリーンを2面搭載し、足元に置いて操作する設計になっています。
エフェクトの総数は139種類・213タイプで、最大14エフェクトを同時に使えます。
内訳は、DNAアンプ&ストンプモデルが30種類、モデリングアンプが22種類、マルチレイヤーIR(Impulse Response:スピーカーキャビネットの響きを再現するデータ)キャビネットが22種類です。
保存できるRIG(音作りの設定一式)は最大200種類で、プリセットも75種類あらかじめ内蔵されています。
バッテリーは2,900mAhのリチウムイオン電池を内蔵し、公式仕様では約4.5時間駆動、充電には約3時間かかるとされています。
電源ケーブルなしでスタジオやライブ会場に持ち出せる計算です。
どこで実物を確認できるのか?
NEURIGは発表の翌日にあたる10月10日・11日、東京・五反田の「CITY HALL AND GALLERY GOTANDA」で開かれている「東京ペダルサミット2026」のZOOMブースに展示されています。
入場は無料で、発売前の実機に直接触れられる数少ない機会です。
Shiritomo GADGET編集部の考察
NEURIGが面白いのは、4万円台という価格帯に、つまみ操作へ追従する「挙動学習型」のモデリング技術を持ち込んだタイミングです。
これまで、つまみを動かすほど音が変化する高精度なモデリング機材は、海外の専門メーカー製を中心に10万円を超える価格帯が主戦場でした。
ZOOMはこれまでも比較的手頃な価格でマルチエフェクターを展開してきたメーカーですが、NAM対応という「海外コミュニティの資産をそのまま持ち込める」設計を加えた点は、価格だけでなく音作りの幅という面でも既存ユーザーの受け止め方を左右しそうです。
スペックの物量よりも、つまみを動かした瞬間の自然さが、店頭や展示会でどこまで体感できるかが評価の分かれ目になるでしょう。
まとめ
ZOOMは10月9日、つまみ操作時のアンプの挙動まで学習する新技術「DNA Engine」搭載のギター用モデラー「NEURIG」を発表しました。
価格はZOOM STORE参考価格で47,800円(税込)、発売は11月上旬の予定です。
10月10日・11日の東京ペダルサミット2026では、発売前の実機に触れられます。