AG03のノイズ「初期化せずにノイズがなかった人は一人もいません」――ノイズ対策とアップグレード先を調べてみた
「開封したまま初期化してない人がほとんど」。
配信用ミキサー「AG03」のホワイトノイズ(意図せず鳴る「サー」というノイズ音)対策を解説する投稿が、歌い手やMIX師(歌声に編集・調整を加える人)たちの間で広がっています。
歌ってみた投稿や配信をしている読者なら、一度は「サー」というノイズに悩んだことがあるかもしれません。
この記事では、その原因と、機材をどこまでアップグレードすれば音質が変わるのかを調べました。
先に結論をまとめると:
– YAMAHA「AG03」のホワイトノイズは、多くの場合「初期化」で改善する。
電源オフ→[COMP/EQ]ボタンを押しながら電源オン→ランプ点灯で手を離す、という手順はヤマハ公式サポートにも載っている
– AT2020+AG03の定番構成からアップグレードするなら、マイクはRODE「NT1 Signature」(実勢価格24,600円前後)、オーディオインターフェースはAudient「iD14 MKII」(税込51,700円〜)を推す投稿が支持を集めた
– 機材を買い替える前に、ゲインを下げる・USBハブを使わない・ドライバーを最新にするなど、設定の見直しだけで改善するケースが多い
何が起きたのか
配信者の間で「サーッ」というホワイトノイズが話題になったことをきっかけに、エンジニア系VTuberの咲耶有紀さんが、公式の対策をやっていない人が多いと指摘し、まず初期化を試すよう呼びかける投稿をしました。
添付された画像には、「今まで何十人もリモートセットアップしてきたけど、『初期化せずにノイズがなかった人は一人もいません』」という一文とともに、初期化の手順が図解されています。
AG2020+AG03で
— 咲耶有紀【さくやあき】 (@SakuyaAkiV) 2026年11月5日
音が悪いみたいな話が出てるけど…
そもそも公式が言う
ノイズ対策やってない人多いんだよね
まず買ったり貰ったりしたら
リセットしなよ(*˘꒳˘*)
公式ページ(【AGシリーズ】「サー」といったホワイトノイズや大きいノイズが発生します。どうしたらよいですか。)… pic.twitter.com/E8oZaQssRx
ただ、初期化だけで話が終わるわけではありませんでした。
機材そのもののグレードを上げる方向の投稿も、同じタイミングで注目を集めていたのです。
調べて分かったこと
なぜAG03はノイズが出やすいのか
ヤマハの公式サポートページによると、AG03・AG06シリーズのホワイトノイズは、初期化で改善する例が多いとされています。
手順は次の3ステップです。
- 電源をオフにする
- [COMP/EQ]ボタンを押しながら電源をオンにする
- 電源ランプが点灯したらボタンを離す
これでも改善しない場合は、ゲインを下げる・USBハブを避けてPCに直挿しする・別のUSB電源を追加する・ドライバーを入れ直す、といった対策が公式サイトや複数の解説記事で案内されています。
AG03に搭載されたアンプシミュレーター(ギターアンプの音を再現する機能)が有効になっていると、音声の有無にかかわらずノイズが鳴り続けることもあるため、使っていなければ公式アプリ「AG Controller」でオフにするのも手です。
アップグレードするなら何を選ぶか
もう一件、いいねを集めていたのが機材のアップグレード先を具体的に挙げた投稿です。
AT2020+AG03からのアップグレードなら、マイクはRODE「NT1 Signature」、オーディオインターフェースはAudient「iD14 MKII」の組み合わせが「コスパ最強」だと紹介し、NT1 Signatureについては低自己ノイズで現代の曲に合う周波数特性だと理由も添えていました。
AT2020+AG03からのアップグレードなら個人的にこの組み合わせがコスパ最強だと思ってる
— 𝐉𝐈𝐍-𝐗 (@JINXSK_MIX) 2026年11月5日
マイク:RØDE NT1 Signature(約2.4万円)
・低自己ノイズ
・ショックマウント、ポップガード、ケーブルまで付属
・現代の曲に合う周波数特性だと思う、音作りしやすい
IF:Audient iD14 MKII(約5.2万円)… https://t.co/f7kzfgNgiZ pic.twitter.com/t5RLKy72ZZ
価格を調べると、入門用の組み合わせであるAudio-Technica「AT2020」は税込13,200円前後、YAMAHA「AG03」は21,764円前後です。
投稿が勧めるRODE「NT1 Signature」は実勢24,600円前後で、投稿の「約2.4万円」とほぼ一致します。
一方のAudient「iD14 MKII」は価格.comの最安値が税込51,700円で、投稿の「約5.2万円」とほぼ一致します。
入門セットの合計(AT2020+AG03で3万円台)に対し、アップグレード先の合計は7万円台になる計算です。
マイクはより低ノイズで現代的な声に合う特性、オーディオインターフェースはミキサーより高品位なプリアンプ(マイクの微弱な信号を増幅する回路)を積んでいることが多く、価格差はその性能差に対応しています。
ただし、投稿自身が「個人的に」と前置きしているとおり、これは数ある組み合わせの一例であり、唯一の正解ではありません。
Shiritomo GADGET編集部の考察
配信機材の相談で繰り返し出てくるのが、「音が悪い」と感じた瞬間に、設定ではなく機材の買い替えへ気持ちが向かいやすいという構造です。
AG03のケースでは、原因の多くが初期化という無料の操作で解決するにもかかわらず、公式サポートページまでたどり着く人は多くありません。
今回の投稿が広く読まれた理由も、専門知識ではなく「手順を図解してくれる人」への需要の高さを示しているように見えます。
一方で、アップグレード先として挙げられたRODE NT1 SignatureとAudient iD14 MKIIは、単体の価格だけで見ればAT2020・AG03の2〜3倍です。
配信・歌ってみた機材は「上を見ればきりがない」沼になりやすい分野でもあるため、まず無料の初期化を試し、それでも不満が残る部分を言語化してから機材を選ぶ、という順番が結果的に遠回りしない選び方といえそうです。
まとめ
AG03のホワイトノイズは、まず初期化を試す価値がある不具合です。
そのうえで機材をどこまで上げるかは、価格差に見合う変化を自分の声・環境で確かめてから判断するのが近道といえます。
さらに深掘りしたい方へ
AG03・AG06のノイズ対策は、ヤマハの公式サポートページにも手順が掲載されています。
設定を見直しても改善しない場合は、こちらも確認してみてください。