「今こそ、この紙のディスクを復活する時」——ソニーの物理ディスク廃止発表に、Xで広がる8月ボイコット計画
「今こそ、この紙のディスクを復活する時!」
そんな声がXで飛び交っています。
きっかけは、2026年7月1日にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が公式ブログで公開した一本の記事でした。
2028年1月以降、PlayStation向け新作ゲームの物理ディスク生産を終了する——。
PS5でゲームを遊んでいる人なら誰もが無関係ではいられないこの発表は、公開直後から賛否を巻き起こし、8月にはXを起点にした一週間のボイコット運動にまで発展しています。
ゲームを「持つ」という感覚が変わろうとしている今、Xで実際に何が語られているのかを追ってみました。
先に結論をまとめると:
– ソニーは2026年7月1日、2028年1月以降に発売する新作PSタイトルの物理ディスク生産を終了すると発表しました
– 背景にはPS4・PS5のソフト販売のうちデジタル版が85%を占めるという自社データがあり、ファンからは「所有権がなくなる」という反発が噴出しています
– 8月23日〜30日の1週間、Xの呼びかけで「#PSBlackout」というログイン・購入自粛運動が計画されています
なぜ「たかがディスク」がここまでの騒ぎになったのか
発表があったのは7月1日。
SIEは「デジタルメディアへの一般的な嗜好が物理ディスクを大きく上回っている、消費者トレンドへの自然な対応」だとブログで説明しました。
すでに発売済みのタイトルや2028年1月より前に発売予定のタイトルには影響しないとも明記されています。

それでも反応は静かではありませんでした。
Xでは「初代プレイステーションからPS5の時代まで続いたゲームの物理ディスクという文化の終焉を目撃している」といった投稿が広がり、ディスクという「モノ」を手元に残せることの価値を惜しむ声が相次ぎました。
PS5の物理ディスク廃止の件は、日本より
— くむこ (@kumukoDQ10) 2026年7月5日
海外の方が圧倒的に大炎上している感じ
ディスク版は己の所有物だけど
ダウンロード版は利用権利を購入しているだけで
ソニーの好きにできる(もう遊ばせないとか)違いがあるのに
ユーザーが自由に選択できなくなる点が
大炎上の理由っぽいね
確かにね・・
ただ、この投稿が指摘するように、反発の温度感は一様ではありません。
日本より海外のほうが反応が大きいという指摘もあり、地域によって「所有」への感覚差があることも見えてきます。
署名やボイコットは、実際どこまで本気なのか?
反発は言葉だけにとどまりませんでした。
ゲーム保存活動を行う「Does It Play?」というアカウントが呼びかけ役となり、8月23日から30日までの1週間、PlayStationへのログインやゲーム購入、DLCやサブスクの契約を控えるよう呼びかける「#PSBlackout」が始まっています。
単にディスク廃止だけでなく、スタジオの閉鎖や一部イベントの中止、PS VR2の開発停止、値上げ、ライブラリからの作品削除といった不満も一緒くたに乗せられている点が特徴です。
署名活動も広がっています。
「PS5の物理ディスクでの販売をやめるな!」と訴えるChange.orgの署名は、当初17万を超える規模で報じられていましたが、その後さらに増え、34万を超えたという報道も出てきました。
https://x.com/emutyworks/status/2074440097483964548
一方で、この運動を冷ややかに見る声もXには存在します。
「ソニーのクラウド・サーバー代を浮かせるだけの、無意味なボイコットを企てている人たちがいる」
Folks are trying to muster a pointless PlayStation blackout that'll do absolutely nothing but save Sony money on cloud infrastructure and server costs.
— GTH 🔜 Gamescom (@Nukov_) 2026年7月26日
How many of them would have been buying PS games in this random week in August anyway?
Why not do it when Wolverine drops? 😆… pic.twitter.com/p6lSW7Zhbj
この投稿が指摘するのは、8月に発売予定の大型タイトルをボイコット参加者自身も欲しがっているのではないか、という矛盾です。
実際、ボイコットが「気持ちの表明」以上の実効性を持つかどうかは、参加者数が可視化されにくいこともあり判断が難しいところです。
Shiritomo GAME編集部の考察:ディスクの終わりは「所有」の終わりか
この一件で興味深いのは、反発の中心が「値段」ではなく「所有権」に置かれている点です。
ダウンロード版はソニーのサーバーが存続する限り遊べますが、サービス終了や配信停止が起きれば手元に何も残りません。
中古売買や貸し借りができないことも、ディスク文化を惜しむ層には大きな喪失感として響いています。
過去にも音楽業界がCDからストリーミングへ移行した際、同様に「所有」から「アクセス」への価値観の転換が起きました。
ゲーム業界はハードの世代交代のたびにこの議論を繰り返してきましたが、今回はSIEという最大手が具体的な期限を切ったことで、ファンの危機感が一気に表面化した形といえるでしょう。
プレイヤーとしては、購入前に「このゲームは物理版がいつまで手に入るか」を意識する習慣が、これから当たり前になっていくかもしれません。
まとめ
ソニーの物理ディスク廃止発表は、単なるコスト最適化の一言では片づけられないほど、プレイヤーの「所有」に対する感覚を揺さぶりました。
8月のボイコットがどこまで実効性を持つかは未知数ですが、少なくともXでは「ディスクを惜しむ声」と「変化を受け入れる声」がせめぎ合う一週間になりそうです。
さらに深掘りしたい方へ
公式発表の詳細は、SIEのプレスリリース「Physical disc production ending in January 2028 for new games releasing on PlayStation consoles」で確認できます。
