「声が届かないのも狙いっぽい」——PS Plus無料『Big Walk』、12人協力で人気沸騰の理由
最大12人。
しかも、離れた仲間の声は聞こえなくなる——普通なら「不便」で終わりそうな設計が、PS Plus(PlayStation Plus:ソニーのゲームサブスクリプションサービス)のフリープレイで無料配信中の協力アドベンチャー『Big Walk』では、逆にプレイヤーを夢中にさせています。
8月4日の配信開始から、X(旧Twitter)ではこの「不便さ」を面白がる投稿が相次いでいます。
ゲームをこれから遊ぶ人はもちろん、SNSでどんな仕掛けが話題を呼ぶのか気になる人にとっても、なぜ”不便”が支持される設計になったのかを知るヒントになりそうです。
先に結論をまとめると:
– 『Big Walk』は最大12人が協力して謎解きを進めるオープンワールドアドベンチャーで、8月4日からPS Plus Essentialのフリープレイに登場しました(配信期間は8月31日まで)
– 声が届く範囲をあえて狭くした近接ボイスチャットと、身振り手振りで意思疎通するジェスチャー機能が核となる仕掛けで、この”不便さ”自体をXのユーザーが好意的に受け止めています
– 開発元のHouse Houseは『Untitled Goose Game』を手がけたスタジオで、Steamでは最大同時接続46,000人超え、Metacriticスコア93点(いずれもAutomaton報道時点)を記録するヒット作になっています

VTuberも巻き込む、Xで見かけた協力プレイの熱
Xで見つけたのは、VTuber(バーチャルYouTuber:CGキャラクターの姿で活動する配信者)の狂蘭メロコさんが投稿した、コラボ配信の告知でした。
「ぺんちゃんと協力謎解きですって」という一文には、事前に打ち合わせをしていない相手と即興でパズルに挑む高揚感がにじんでいます。
投稿には5,000件を超える「いいね」がつき、当日の配信を楽しみにする反応が広がっていました。
添付画像には、狂蘭メロコさんのイラストとともに、『Big Walk』のロゴと、黄色いフードを着たゲーム内のキャラクター、そして手足の生えた奇妙な生き物たちが夕暮れの砂浜を背景に描かれています。
ゲームのビジュアルそのものが「一緒に何かやってみたくなる」空気をまとっているのも、コラボ配信が組まれやすい理由の一つと言えそうです。
【Big Walk】ぺんちゃんと協力謎解きですって【ぺいんと / 狂蘭メロコ】
— Meloco Kyoran🌂🕸NIJISANJI EN (@MelocoKyoran) 2026年8月14日
私たちのチームワークが試される
頼んだよぺんたまん
⏰8PM JST¦7AM EDThttps://t.co/ktTXaXEkAe pic.twitter.com/94ZN7tUBWy
ただ、この投稿だけでは「なぜ12人という大人数での協力プレイがここまで話題になっているのか」までは分かりません。
そこで実際のゲーム内容を調べてみました。
調べて分かったこと
なぜ「声が届かない」ことが魅力になるのか?
『Big Walk』はHouse House(オーストラリア・メルボルン拠点のインディースタジオ)が開発し、Panicが配信する協力型アドベンチャーです。
8月4日にSteam・Nintendo Switch 2・PlayStation 5で同時発売され、PS5版はPS Plus Essentialの8月フリープレイとして『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』『SIGNALIS』と並んで配信されました。
最大の特徴は、距離や壁の有無によって聞こえ方が変わる近接ボイスチャット(プレイヤー同士の距離に応じて音量や聞こえ方が変化する通話方式)です。
ファミ通のレビューによれば、距離が遠かったり音が遮蔽される場所ではボイスチャットが通じなくなる場面があるといいます。
中には声が届かない状況を前提にした謎解きもあり、公式のボイスチャット機能を使わずDiscordなど外部ツールで会話することは「事実上のチート」とみなされる作りになっているとファミ通は伝えています。
声が届かないときに頼りになるのが、両腕をそれぞれ使って指差しや合図ができるジェスチャー機能です。
実際にプレイしたユーザーもXで、ボイスチャットの有効距離が短く少し離れると声が聞こえなくなる仕様について「一見不便だけど、意図的にそうしてる感じがした」という趣旨の投稿をしていました。
ボイスチャットの有効距離が割と短くて
— いちぼ君の中身はゲーマー (@mr_ichibo_game) 2026年8月5日
少し離れるとみんなの声が聞こえなくなる
一見不便だけど
意図的にそうしてる感じな気がした
迷子になったらとりあえず無線機探したり
フレア打ち上げたり
それも含めて楽しむデザインだと感じた
でも不安だからみんなくっついて歩いてた昨日w https://t.co/04pitQIdUa
「不便を演出として使う」という発想が、単なる音声通話付き協力ゲームとの違いを生んでいるようです。
House Houseの前作との共通点は?
House Houseは2019年に『Untitled Goose Game(いたずらガチョウがやって来た!)』を送り出したスタジオです。
ガチョウが村人にいたずらを仕掛ける一人用パズルゲームでしたが、プレイヤーの想定外の行動が笑いを生む構造は『Big Walk』にも受け継がれているように見えます。
台本のない偶発的な面白さを、今作では最大12人という規模まで拡張した形と言えそうです。
配信後の反響も大きく、Steamでは最大同時接続46,000人超え、レビュー集計サイトMetacriticでは93点を獲得しています(いずれもAutomaton報道時点。
スコアはレビュー追加により変動する場合があります)。
今年発売のタイトルの中でも高い評価を集め、早くも年間ゲーム賞(GOTY:Game of the Year)候補の一つに挙げる声も出ているようです。
配信元のPanicは自社アカウントで、発売から6日間で100万本超が購入されたと明かしています。
Shiritomo GAME編集部の考察
『Big Walk』が示しているのは、不便さをバグではなく設計として使うという発想の強さです。
ボイスチャットが遠くなると聞こえなくなる仕様は、普段なら快適性を損なう欠点として扱われがちですが、この作品では逆にプレイヤー同士のコミュニケーションを生む装置になっています。
近年の協力ゲームは、駆け引きや勝敗を軸にした設計が主流でしたが、『Big Walk』はそこから距離を置き、雑談そのものを目的にしている点が特徴的です。
VTuberの企画配信と相性が良いのも、勝ち負けより「その場で何が起きるか」を見せるコンテンツとして成立しやすいからだと考えられます。
今後、協力ゲームの評価軸に「効率」だけでなく「偶発性」が加わっていく一つの兆しかもしれません。
まとめ
『Big Walk』は、声が届かないという”不便”をあえて設計に組み込むことで、プレイヤー同士の工夫や偶発的な面白さを引き出す協力アドベンチャーです。
House Houseらしい台本のない笑いが、今回は最大12人という規模で楽しめるようになりました。
PS Plusのフリープレイは8月31日までなので、気になった人はこの機会に仲間を誘って歩いてみてはいかがでしょうか。
さらに深掘りしたい方へ
- 『Big Walk』公式サイト(Panic) — 開発元・配信元による作品概要
- PS Plus 8月のフリープレイ発表(PlayStation Blog) — フリープレイのラインナップと配信期間の公式情報
- 『Big Walk』レビュー(ファミ通.com) — ボイスチャットとジェスチャーの仕組みを詳しく解説
