島耕作がDXYZの「CKO」に就任、顔認証FreeiDをオフィスへ本格展開――「社員証を忘れまして」
「社員証を忘れまして……」。
この一言をきっかけに、顔認証でオフィスのセキュリティと働きやすさを変えようという取り組みが動き出しました。
2026年10月1日、顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」を手がけるDXYZ株式会社(ディクシーズ)が、漫画『島耕作』シリーズの主人公・島耕作を「CKO(Chief Kao Officer:最高顔認証責任者)」に任命したと発表しています。
累計発行部数4,700万部を超える長寿キャラクターが、企業の”顔”として起用される形です。
社内のID管理やオフィスのセキュリティ運用に関わる方にとっては、顔認証サービスが実際にどこまで使われているのかを知る手がかりになりそうです。
先に結論をまとめると:
– DXYZ株式会社は2026年10月1日付で、漫画『島耕作』シリーズの主人公・島耕作をCKO(Chief Kao Officer:最高顔認証責任者)に任命
– 顔認証プラットフォーム「FreeiD」は2026年9月末時点で462棟を超えるマンションに導入済みで、島耕作の就任を機にオフィス領域への本格展開を進める
– 特設サイトでは島耕作が「社員証を忘れまして……」と日常の困りごとを語り、顔認証でその手間を減らす狙いを伝えている
何が起きたのか
発表したのは、顔認証プラットフォーム「FreeiD」を運営するDXYZ株式会社です。
2026年10月1日付で、島耕作を「CKO(Chief Kao Officer:最高顔認証責任者)」に任命したことを、同社の公式サイトとPR TIMESで明らかにしました。
FreeiDは、顔を一度登録するだけで入退室・決済・本人確認をシームレスにできる顔認証プラットフォームです。
これまでの導入実績は住宅領域が中心で、2026年9月末時点で「FreeiDマンション」として462棟を超える集合住宅に導入されているほか、オフィス・保育園・ゴルフ場・テーマパークといった施設でも使われてきました。
今回の島耕作のCKO就任は、この実績をオフィス領域へ本格的に広げるための一手という位置づけです。
特設サイトに掲載された島耕作のメッセージでは、次のように語られています。
「社員証を忘れまして……」
出勤時に社員証を忘れるという、誰もが一度は経験したことのあるオフィスの困りごとを入り口に、顔認証でそうした手間そのものをなくしていきたいという考え方が示されています。
島耕作自身は「CKOという肩書きは初めてですが、現場に目を向ける姿勢は変わりません」とも述べており、役職名の新しさをあえて前面に出しながら、現場目線は変えないという立ち位置を打ち出しています。
ただ、「人気キャラクターが肩書きに就いた」という発表だけでは、FreeiDというサービス自体がどういう仕組みで、オフィスの何を変えるのかまでは見えてきません。
そこで、FreeiDの中身とオフィス展開の具体策を調べてみました。
調べて分かったこと
FreeiDとはどんな顔認証サービスなのか?
FreeiDは、DXYZ株式会社(ディクシーズ)が提供する顔認証プラットフォームです。
利用者はあらかじめ顔を登録しておくだけで、対応するドアやゲートでカードや鍵を使わずに入退室できます。
管理者側は専用のWeb画面から、利用者の登録・削除・情報更新を行える仕組みになっており、入居者や社員の入れ替わりが多い現場でも運用しやすいよう設計されています。
住宅領域ではすでに実績があり、2026年9月末時点で「FreeiDマンション」は462棟を超えています。
保育園・ゴルフ場・テーマパークといった、本人確認や入退場の管理が必要な施設にも導入されてきました。
今回のCKO就任は、この実績を土台に、オフィスという新しい領域へ展開を広げる発表だと整理できます。
島耕作はなぜCKOに選ばれたのか?
『島耕作』シリーズは、弘兼憲史氏による日本を代表するサラリーマン漫画です。
主人公の島耕作は、現場の課長から社長・会長までを経験する過程で、組織の内側と外側の両方の視点を持つキャラクターとして描かれてきました。
DXYZがCKOという肩書きを与えた狙いも、この「現場を知っていて、経営も知っている」というキャラクター性にあります。
島耕作本人のコメントとして、「CKOという肩書きは初めてですが、現場に目を向ける姿勢は変わりません」という言葉が特設サイトで紹介されています。
顔認証という比較的新しい技術を、現場で働く人の目線で語らせることで、技術の説明に終始しがちなBtoB向けサービスの発表に、親しみやすい切り口を持たせる狙いがあったと見ることができます。
オフィス展開で具体的に何が変わるのか?
FreeiDのオフィス展開では、顔認証対応のドアやゲートを通じて社員が入退室できるようになり、社員証(IDカード)を取り出す必要がなくなります。
管理部門にとっては、専用のWeb画面から利用者情報を登録・削除・更新できる点が大きく、入社・異動・退職のたびに発生していたカードの発行・回収・権限変更といった事務作業の負担を減らせる可能性があります。
セキュリティ面では、カードの貸し借りや紛失による不正利用のリスクを減らせる点もメリットとして挙げられています。
DXYZはこの発表で、セキュリティ強化と生産性向上の両方への貢献を目指す姿勢を示しています。
Shiritomo編集部の考察
今回の発表で注目したいのは、顔認証という技術そのものではなく、「CKO」という聞き慣れない肩書きを、実在する人気キャラクターに与えるというPRの手法です。
BtoB向けのオフィスサービスは、どうしても機能やセキュリティ仕様の説明が中心になりがちで、一般の読者の目に触れる機会は限られます。
そこに長年親しまれてきたキャラクターを起用し、「社員証を忘れた」という誰もが共感できるエピソードを添えることで、専門的なサービスの発表をニュースとして流通しやすい形に変えています。
SNSでの拡散実績が無くても、こうした切り口自体が報道・検索経由での認知につながる設計になっている点は、BtoB企業の広報担当者にとって参考になる事例ではないでしょうか。
まとめ
DXYZ株式会社は2026年10月1日付で、漫画『島耕作』の主人公・島耕作を顔認証プラットフォーム「FreeiD」のCKOに任命し、これまでマンション領域中心だった実績をオフィスへ本格展開すると発表しました。
社員証を忘れるという身近な困りごとを入り口に、顔認証でオフィスの入退室や管理業務をどう変えていくのか、今後の展開が注目されます。