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「1ヶ月前から使って自腹も買った」——美容インフルエンサーのステマ疑惑謝罪から考える、SNS信頼の崩し方と守り方

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月25日 更新
「1ヶ月前から使って自腹も買った」——美容インフルエンサーのステマ疑惑謝罪から考える、SNS信頼の崩し方と守り方

「この商品、本当に良くて何度もリピートしています」——そう書いてある投稿を見たとき、私たちはどこまで信じているでしょうか。

5月23日、Xフォロワー72万人超の美容インフルエンサー「丸の内OLの憂鬱」(@marunouchi__ol_)が、ステマ(ステルスマーケティング)疑惑について謝罪の投稿をしました。
化粧品検定1級の知識をもとに手書きイラスト付きで成分解説をしてきた人気アカウントです。

事の発端は、PR案件で紹介した商品について、PR表記のタイミングや方法をめぐる指摘です。
本人は「PR品は1ヶ月以上前から実際に使っており、自腹でも追加購入した。
本当に良いと感じていた」と説明し、説明不足を認めて今後はPR明記を徹底すると謝罪しました。
翌24日には「大量商品使用への疑問についても、本当に良いものを繰り返し紹介しているだけ」と補足を加えています。

謝罪投稿のあと、フォロワーたちの反応は批判と擁護に真っ二つに分かれました。

「タイミングが不自然」という疑念の正体

批判的なユーザーたちが指摘したのは、PR案件と自然投稿が入り交じる構造的な問題です。
「A社商品を自然投稿 → A社から案件受注してPR投稿 → また同じ商品を自然投稿」という流れが積み重なると、最後の”自然投稿”にも「本当に自腹なのか?」という疑念がつきまといます。

この声はXで多くの共感を集めました。
「ステマとは言わないが、完全に信用もできない」という表現が、多くの人の感覚を代弁していたようです。

一方、擁護派は「成分解説の専門知識は本物だし、ずっと支持してきた」と語ります。
ただ「最近PRとリツイートが増えてきて、商売魂を感じるようになってしまった。
残念だけど見なくていいや」という声も。
信頼していたからこそ複雑な感情になる——その正直さがリアルでした。

ステマ規制の現在地——法律を守るだけでは足りない理由

2023年10月の景品表示法改正により、ステルスマーケティングは正式に規制されました。
インフルエンサーがPR案件を受けた場合、投稿の冒頭に「PR」と明記することが義務です。
折りたたまれた位置やツリー投稿内での記載はNGで、フォロワーが最初に見る部分に表示しなければなりません。

今回の件で問題になったのは、法律上の違反というよりも「グレーゾーンへの不信感」です。
PR投稿のルール自体を守っていても、案件前後の自然投稿との区別がつきにくいと、フォロワーは「全体がPRの一部に見える」と感じてしまいます。

法律が守るのは「消費者が事実に基づいて判断できる権利」ですが、それを超えて信頼を築くかどうかは、インフルエンサー自身のコミュニケーション設計次第です。

実際、2026年以降はSNS投稿を自社サイトに二次転載する際のPR表示不足も問題になり始めています。
「その投稿は適切にPR明記していたのに、ブランドのLPに載せた時点で広告表示が消えていた」というケースが行政指導の対象になっています。

企業・ブランドが今考えるべきこと

インフルエンサーマーケティングを活用する企業側から見ると、今回の件はひとごとではありません。
「この発信者は本当に商品が好きで、自発的に投稿してくれている」と思っていたケースでも、突然「PR的に見える」構造になることがあります。

大切なのは、案件前後の投稿スケジュールも含めて透明性を担保する設計をしておくこと。
ブランドから見れば「自腹購入もしてもらえる本物のファンインフルエンサー」を起用したつもりでも、その選定経緯や案件タイミングが不透明だと、フォロワーにとっては「全部作られたもの」に見えてしまいかねません。

「丸の内OLの憂鬱」は、もともと「アフィリエイト・ステマお断り。
PRは140字内に明記」という方針を掲げてきた誠実なアカウントでした。
だからこそ、今回の疑惑がより注目されたとも言えます。
これは特定のインフルエンサーだけの問題ではなく、フォロワーが「PR付きでも信頼できる発信者かどうか」を見極めようとしている、SNSマーケティング全体の地殻変動です。

さらに深掘りしたい方へ

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まとめ

「PRです」と書くかどうかは法律の問題ですが、「この人を信頼し続けられるか」という判断はフォロワー一人ひとりの感覚に委ねられています。
今回の件は、インフルエンサーマーケティングの本質が「ルール遵守」よりも「信頼の継続」にあることを改めて示してくれました。
法律を守りながらも、どうフォロワーとの信頼を積み上げていくか——その問いは、SNSで発信する人すべてに向けられています。