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SK-IIの「インフルエンサー京都旅行」なぜ批判された? PR表記なしで3000いいね超えの声が続出

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年6月22日 更新
SK-IIの「インフルエンサー京都旅行」なぜ批判された? PR表記なしで3000いいね超えの声が続出

美しい琵琶湖畔の料亭、高級リゾートホテル——。
インスタやXで美容インフルエンサーたちが次々と投稿した京都・滋賀の旅行写真に、「PR表記がないのはおかしい」という声が広がっています。

SK-IIがインフルエンサーを招待した体験型PR企画について、ユーザーのひとりが「ほんと萎える」と指摘した投稿は3,572いいねを集めました。
「ステマじゃないの?」「買いたくなくなる」という反応も相次ぎ、企業のインフルエンサー施策における透明性が改めて問われる形となっています。

批判を呼んだ豪華旅行の中身

今回話題となったのは、SK-IIが美容系インフルエンサーを京都・滋賀の豪華スポットへ招待した企画です。
X上ではひひん氏やみりん氏、Instagram上ではもち氏やもとかのと氏らが、琵琶湖畔の料亭「湖里庵(こりあん)」や高級リゾートの「シックスセンシズ(Six Senses)」でのランチや酒蔵体験を投稿。
手元にはSK-IIのエッセンスが映り込むという構成でした。

以前にはうさよし氏がSK-IIにシンガポールへ招待されたとの指摘もあり、今回が初めての試みではないようです。
投稿には商業的なつながりを示す「#PR」「#広告」などの表記がなく、それが批判の火種となりました。

発端となった投稿がこちらです。

この投稿を見たあるユーザーは「SK-IIユーザーだったけど今あるストック分で買うのやめる」と打ち明け、1,748いいねを集めました。

擁護の声もありました。
「インフルエンサーマーケティングの常套手段」という意見や、「SK-IIのピテラ(主力成分)は酒蔵の発酵技術から生まれているから、京都・滋賀の酒蔵体験はブランド起源のPRとして必然だ」という指摘です。
それでも公式からのコメントは出ておらず、批判的な声は収まっていません。

問題の本質は「PR表記なし」という点

批判の核心は、旅行の豪華さではなく情報開示の有無にあります。

2023年10月、日本では景品表示法の改正によりステルスマーケティング(ステマ)規制が施行されました。
企業が費用を出してインフルエンサーに投稿させる場合、「PR」「広告」「プロモーション」などの表記が義務付けられています。
企業から招待旅行(体験型ギフティング)を受けた投稿もこのルールの対象です。

万が一違反が認定された場合、処罰対象となるのはインフルエンサー本人ではなく事業者(依頼企業)側です。
消費者庁は事業者への措置命令や課徴金納付命令を行うことができます。

SK-IIの主力成分「ピテラ™」は、日本酒を造る杜氏の手が驚くほど美しいことに着目した研究者が、ガラクトミセス酵母の発酵代謝液から開発したもの。
酒蔵体験の旅程はブランドストーリーと確かに重なりますが、その意図がいかに洗練されていても、PR表記のない投稿は消費者の信頼を損なうリスクをはらんでいます。

今回の反応を見る限り、「コンテンツとして面白いかどうか」よりも「正直かどうか」を重視するユーザーが増えているのは明らかです。

なぜ企業はPR表記を嫌がるのか

SNS運用の現場では、「#PR」「#広告」の表記が入ると「インプレッション(投稿が表示された延べ回数)が落ちる」「エンゲージメント率(いいね・コメントなどの反応数÷リーチ数)が下がる」という経験則から、表記を避けたいと考える担当者も存在します。

しかし実際のデータでは、PR表記のある投稿と表記のない投稿でエンゲージメントに大きな差がないケースも多く、むしろ透明性がブランドへの信頼を高めるという分析も出ています。
今回のように開示がないことで批判が広がり、「使い続けていたユーザーが購入をやめる」という長期的な購買意欲の損失を招くリスクを考えると、短期的なリーチ数より誠実な情報開示を選ぶことが、今のSNS環境では合理的な判断です。

さらに深掘りしたい方へ

SocialReport編集部の考察

今回のSK-IIのケースは、インフルエンサーマーケティングの現場にとって示唆の多い事例です。

体験型PR(招待旅行・イベント招聘)は、商品ギフティングよりコストはかかりますが、コンテンツとしての質が高まり、自然なブランド体験を伝えやすいというメリットがあります。
過去にミルクタッチなどのブランドが体験型施策で大きな話題を作ったことで、美容系ブランドで追随する動きが出ています。

問題は施策そのものではなく、「情報開示の有無」に尽きます。
SocialReportでSNSの投稿効果を分析すると、PR表記のある投稿と表記のない投稿でエンゲージメントに大きな差がないケースは珍しくありません。
むしろ、PR表記がある状態でも高いエンゲージメントを維持できているインフルエンサーは、フォロワーからの信頼度が高く、中長期的な購買誘導力も強い傾向があります。

企業担当者は「PR表記を入れるとリーチが落ちる」という恐れより、「透明性のないPRが顧客の購買意欲を奪うリスク」を比較して判断することが大切ではないでしょうか。
ステマ規制が施行されて2年以上が経過した今、透明性はコンプライアンスのためだけでなく、ブランドの信頼資産を守るための投資だと考えるべき段階に入っています。

まとめ

SK-IIのインフルエンサー招待旅行をめぐる議論は、「体験型インフルエンサーマーケティングにおける透明性」という問いを改めて浮き彫りにしました。
2023年のステマ規制施行以降、PR表記は法的義務ですが、それ以上に「消費者との信頼関係を守る選択」として、インフルエンサー施策の設計に最初から組み込む姿勢が求められています。