LINE VOOM、9月30日で消える——「邪魔だった」という本音が語る、SNS運用の潮目
「やった!」「ずっと邪魔だと思ってた」。
7月15日、LINEヤフーが投稿した一つのお知らせに、称賛にも近い反応が相次ぎました。
対象は、LINEアプリの下部タブに5年近く居座ってきた動画サービス「LINE VOOM」。
9月30日午前11時ごろ、このタブは静かに姿を消します。
LINE公式アカウントで動画コンテンツを配信してきた企業や、フォロワーとのコミュニケーション手段としてVOOMを使ってきたSNS担当者にとっては、他人事では済まない話です。
跡地に何が来るのか、公式アカウント運用はどう変わるのか、順を追って調べてみました。
先に結論をまとめると:
– LINE VOOMは2026年9月30日でサービス終了、跡地には「ショッピングタブ」が正式リリースされる
– 終了の背景には、TikTok・Instagramリールとの競争劣勢と、LINEギフト・LINEショッピングなどコマース事業への経営資源シフトがある
– 公式アカウントの投稿データはバックアップ対象外。
企業は9月上旬に新設される「投稿」機能への切り替えが必要になる
Xで沸き起こった「歓迎ムード」
LINE VOOMは2021年11月、従来の「タイムライン」機能を刷新する形で登場したショート動画サービスです。
テレビ電話アプリではありませんが、LINEアプリの主要タブの一角を約5年にわたって占めてきました。
その終了発表に対するXユーザーの反応は、惜しむ声よりも歓迎の声が目立ちます。
公式アカウントの発表投稿はこちらです。
【お知らせ】
LINE VOOMは、2026年9月30日(水)をもってサービスを終了いたします。
これまでLINE VOOMを通じて、たくさんの投稿や視聴、リアクションをお寄せいただき、ありがとうございました。
サービス終了に関する詳細は、以下をご確認ください。
▼詳細はこちらhttps://t.co/2NzR02jB8j pic.twitter.com/v2rUqf4ozJ— LINE VOOM (@LINEVOOM_Japan) 2026年7月15日
「おすすめ動画が多すぎて見づらい」「タップミスで意図せず開いてしまう」といった不満は、以前からXでたびたび話題になっていました。
特に、子どものスクリーンタイムを管理したい親世代からは「VOOMだけを制限できず困っていた」という声が多く、終了決定は一部で歓迎ムードとともに受け止められています。
ただ、この歓迎の声だけでは「なぜ今このタイミングでの終了なのか」までは見えてきません。
そこで一次情報を確認しました。
なぜ今、VOOMをやめるのか?
LINEヤフーは終了理由を「サービス提供体制の見直しおよび体験価値の再編」と説明しています。
抽象的な言い回しですが、背景を紐解くと構図はシンプルです。
VOOMはTikTokやInstagramリールと同じショート動画市場で戦ってきましたが、利用率の伸びは鈍かったとされています。
一方で、LINEギフトやLINEショッピングといったコマース(EC)サービスは着実に成長を続けており、LINEヤフーグループにとって収益拡大の柱になっています。
動画で戦うのではなく、すでに強い「購買導線」に経営資源を集中させるというのが、今回の決定の実態のようです。
実際、2025年9月からすでに一部ユーザーのVOOMタブが「ショッピング」タブへ段階的に置き換えられており、今回の終了発表はその総仕上げという位置づけになります。
跡地の「ショッピングタブ」で何が変わるのか?
新設されるショッピングタブは、9月に正式リリースされる予定です。
LINEヤフーグループが扱う3億点以上の商品を、比較・検討から購入、ギフト、配送までLINEアプリ内で一貫して行えるEC特化型の設計になるとされています。
動画で時間を使わせるタブから、購買までを完結させるタブへ——LINEアプリの主役が「見る」から「買う」に切り替わる象徴的な変化といえそうです。
Xでは、この変化を早くから体感していたユーザーの声も見られました。
さらばオープン型SNSデビューの地
もう投稿とか全部消してるけど https://t.co/FTMIoOOT78— おはこん (@ohha_kon) 2026年7月15日
「オープン型SNSデビューの地」という表現から、VOOMを個人の発信の場として使っていたユーザーも一定数いたことがうかがえます。
サービス終了後、こうした個人投稿は専用ページでバックアップできるとされていますが、公式アカウントが投稿した動画コンテンツはバックアップの対象外という点は見落とされがちです。
企業の公式アカウント運用はどう変わるのか?
ここがSNS運用担当者にとって最も実務的なポイントです。
LINE公式アカウントでは、VOOM終了に先立つ2026年9月上旬に、画像・動画・テキストを組み合わせた新しい「投稿」機能が提供される予定とされています。
つまり、VOOMというタブがなくなるだけで、公式アカウントからの発信手段そのものがなくなるわけではありません。
ただし、過去にVOOMへ投稿した動画資産は引き継がれない可能性が高いため、重要なコンテンツは今のうちに手元に保存しておくのが安全でしょう。
Shiritomo編集部の考察:明日からやることは2つ
今回の一件は、単なる一機能の終了ではなく「プラットフォームのコマース化」という大きな流れの一断面として見るべきだと考えます。
SNS運用担当者が明日からやるべきことは2つです。
一つは、LINE VOOMに投稿済みの動画コンテンツの棚卸しとバックアップ。
公式アカウント分は対象外とされているため、重要な訴求動画は自社サーバーなどに退避しておく必要があります。
もう一つは、9月上旬に登場する新しい「投稿」機能の仕様を早めにキャッチアップし、コンテンツ配信の空白期間を作らないことです。
過去にもGYAO!やLINE LIVEといった動画系サービスが終了し、経営資源がコマース領域に再配分されてきた経緯があります。
SNSプラットフォームが「発信の場」から「購買の場」へと役割を変えていく流れは、LINEに限った話ではないでしょう。
TikTok Shopやインスタグラムのショッピング機能の拡充とあわせて見ると、SNS運用の評価指標自体が「エンゲージメント」から「購買転換」へシフトしていく予兆と捉えられるかもしれません。
まとめ
LINE VOOMは9月30日で静かに幕を下ろし、跡地には購買導線を強化した「ショッピングタブ」が生まれます。
SNS担当者にとっては、動画資産の保全と新しい発信手段への早めの移行が、この夏の宿題になりそうです。
さらに深掘りしたい方へ
LINE VOOM終了の詳細は、公式発表や各メディアの報道でより詳しく確認できます。

