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登録者71万人クリエイターがYouTube「量産型」判定で収益化停止——自作BGM×Content IDで作った「反抗システム」の全貌

shiritomo | AI・SNS・話題のテック情報メディア by Hashout編集部 @shiritomoAI_jp 2026年5月7日 更新
登録者71万人クリエイターがYouTube「量産型」判定で収益化停止——自作BGM×Content IDで作った「反抗システム」の全貌

1人で3〜7日かけて丁寧に作った3DCGアニメが、突然「量産型コンテンツ」と判定されて収益化を止められる——そんな理不尽な話が、今クリエイター界隈でじわじわと広がっています。

登録者71万7000人超のYouTubeチャンネル「手子商事開発シリーズ」を運営するクリエイター、テコまるさんが2026年5月1日に収益化を停止されました。
「タダ働きするのはイヤですよねぇ」とキャラクターたちが議論する動画がXに投稿されると、多くのクリエイターから共感と応援の声が集まりました。

この話、YouTube運用者やSNSクリエイターにとって決して他人事ではありません。

「量産型」判定とは何か

YouTubeは2025年7月にポリシーを改定し、「繰り返しコンテンツ」の定義を「量産型コンテンツ」として明確化しました。
テンプレートを使い回している、AIでナレーションを生成している、動画間の差異が少ない——こうした特徴があるコンテンツは、チャンネルパートナープログラム(YPP)の対象から外れる可能性があります。

テコまるさんのケースが衝撃的なのは、アイデア・脚本・3DCGモデリング・自作BGMまで、すべて1人で手掛けた完全オリジナル作品が対象になったという点です。
再審査請求を出したものの却下され、Metaのケースと同様「プラットフォームのルールが自分を守らない」という現実に直面しました。

TuneCore×Content IDという「反抗システム」

そこでテコまるさんが考えたのが、独自の収益還元策でした。

  1. 自作BGMをTuneCore(音楽配信サービス)でリリース
  2. TuneCoreを通じてContent ID(YouTubeの著作権自動検出システム)に楽曲を登録
  3. 自分の動画にContent IDがマッチすることで、広告収益の一部を楽曲使用料として受け取る

この仕組みを「反抗システム」と名付けてXで公開したところ、クリエイター界隈で大きな反響を呼びました。

「自分の作品から自分で収益を取り戻す」という発想は、多くのクリエイターの溜飲を下げるものだったと言えるでしょう。

YouTubeへの依存リスクについては、以前からクリエイターの間で警鐘が鳴らされていました。
量産型コンテンツの波が別ジャンルにも及んでいるという話題が出始めた時期に、イケハヤさんはこう投稿しています。

リスクと限界——専門家が警告する落とし穴

ただし、この方法には重大なリスクが伴います。

Content IDの仕組み上、自分のチャンネルの動画に「著作権の申し立て」が入った状態になります。
YouTubeはこれを「問題あり」と解釈する可能性があり、最悪の場合チャンネル全体のBANにつながるとの警告が専門家から出ています。

また、TuneCore経由でのContent ID反映には時間がかかることも多く、すべての動画にマッチするとは限りません。
「抜け道」というより、「リスクを取ったうえでの最後の手段」という性質のものです。

YouTube運用を副業・本業として行っているクリエイターにとって、チャンネルBANは致命的です。
プラットフォームに依存した収益モデルの脆弱性が、改めて浮き彫りになったケースだと言えます。

プラットフォーム依存の先を考える時代

「YouTubeに捨てられた」と感じたクリエイターが独自サイトへ移行する事例も、最近増えてきました。
テコまるさんのケースは、「反抗」という形でプラットフォームの中に留まる選択をしていますが、そもそもなぜこうした状況が生まれるのかを考えると、問題の根は深いと感じます。

SNS運用やYouTubeを活用したコンテンツマーケティングを手掛ける企業も、「アルゴリズムや規約変更でいつでも梯子を外される」というリスクを織り込んでおく必要があります。
今の判定基準が、1年後も同じとは限りません。

さらに深掘りしたい方へ

YouTubeに「捨てられた」クリエイターが独自サイトへ
YouTubeに「捨てられた」クリエイターが独自サイトへ——日刊泥ママの決断が示すプラットフォーム依存のリスク
「血の滲む思いで作った動画がゴミのように捨てられた」 ライブ配信でそう語ったのは、登録者40万人超・累計17億再生を誇るYouTubeチャンネルの運営者です。

まとめ

手作りの丁寧な作品が「量産型」に分類されてしまうという矛盾を抱えながら、テコまるさんは自作BGMを武器にプラットフォームの中で戦う道を選びました。
SNSやYouTubeを活用するすべてのクリエイター・マーケターにとって、プラットフォーム依存リスクをどう分散させるかを考えるきっかけになる事例ではないでしょうか。