分厚くて重いはずなのに——27年前のブラウン管モニター、液晶を上回った画質の中身
厚みは40センチ超、重さは約20キロ。
今どきの液晶モニターとは比べものにならない図体をした「ブラウン管モニター」が、比較動画をきっかけにXで話題になっていると言われています。
「古くて分厚いだけの過去の技術」だと思われがちなブラウン管が、実は今の液晶より優れて見える場面があるという指摘です。
押し入れの奥で眠っている古いモニターやテレビを持っている人にとっては、ちょっと気になる話ではないでしょうか。
先に結論をまとめると:
– 比較動画では、ソニーの17インチCRT「CPD-E200」の黒の締まりが、デルの液晶「P2417H」を上回ると評価された
– ブラウン管は映像を直接描画する仕組み上、液晶のような表示遅延がほぼゼロで、格闘ゲームやFPSに向くとされる
– 一方で重量・消費電力の面では液晶に軍配が上がり、用途によって向き不向きが分かれる
27年前のモデルが今の液晶を上回ると評判に
Xで話題になっているのは、ソニーの17インチブラウン管モニター「CPD-E200」と、デルの23.8インチ液晶モニター「P2417H」を並べて映した比較動画です。
ブラウン管側は色彩が豊かで黒が深く沈んで見えます。
一方の液晶側は黒が浮いて見える内容で、分厚くて古いはずのブラウン管が今の液晶に勝るように見える点に驚きの声が上がっているとされています。
CPD-E200は1999年10月に発売された17インチのCRTモニターです。
平面ブラウン管技術「FDトリニトロン」を採用し、最大解像度は1600×1200、重さは約20キログラムです。
対するP2417Hは2016年に登場した23.8インチのIPS液晶で、フルHD(1920×1080)表示に対応します。
重さはCPD-E200よりもはるかに軽量です。
発売時期に17年、価格帯にも差があるモデル同士の比較だけに、なおさら意外性が際立つ結果になっています。
調べて分かったこと
なぜブラウン管の黒は締まって見えるのか?
ブラウン管は、電子ビームを蛍光体に直接当てて発光させる自発光方式のディスプレイです。
信号が来ていない部分は発光しないため、黒を表示する部分は本当に「光っていない」状態になります。
一方、液晶は背後のバックライトを液晶素子で遮って表示する仕組みのため、完全に光を遮り切れずに黒がわずかに浮いて見えることがあります。
これは液晶方式そのものの構造的な特性で、比較動画で指摘されていた「黒の締まりの違い」は、この発光方式の違いによるものと考えられます。
ブラウン管がゲームで評価される理由は?
ブラウン管がレトロゲームや格闘ゲーム、FPS(一人称視点シューティング)で根強く支持されているのは、表示の遅延がほとんどないためです。
ブラウン管は映像信号を直接描画するのに対し、液晶モニターは信号を一度処理してから表示する工程が入るため、わずかながら遅延が発生します。
一瞬の操作の速さが勝敗を分けるジャンルほど、この差は体感しやすいとされます。
当時のゲーム機の映像をそのまま忠実に再現できる点も、レトロゲーム愛好者に支持される理由になっています。
今も中古のブラウン管を探す人がいるのはなぜ?
ブラウン管モニターは2000年代半ばから液晶へと急速に置き換わり、新品はほとんど流通しなくなりました。
しかし「ブラウン管テレビ」は今も検索され続けている言葉です。
レトロゲームを当時の映像で楽しみたい層や、今回のような画質比較に興味を持った層から、中古品を探す動きが続いています。
ただし、ブラウン管は生産終了から年数が経っているため、状態のよい個体を見つけるのが年々難しくなっている点には注意が必要です。
重量があるため配送方法も限られます。
店頭での直接受け取りや個人間取引が中心になりやすいのも、液晶にはない特徴と言えます。
Shiritomo GADGET編集部の考察:「新しい=優れている」とは限らない好例
今回の比較が示しているのは、技術は新しくなるほど一方的に進化するわけではなく、指標によっては古い技術に軍配が上がることがあるという当たり前でありながら見落とされがちな事実です。
液晶は薄さ・軽さ・消費電力・大画面化といった面でブラウン管を大きく上回ったからこそ主流になりました。
ただ「黒の締まり」や「表示遅延の少なさ」という指標に限れば、発光方式や描画方式の違いから、ブラウン管に分があるケースが今も存在します。
こうした比較コンテンツがXで伸びやすいのは、多くの人が「今の技術のほうが総合的に優れている」という前提を無意識に持っているからだと考えられます。
その前提を覆す具体的な比較動画は、単なる懐古趣味を超えて「本当にそうなのか確かめたくなる」好奇心を刺激します。
ガジェットのスペック表は年々新しい数値を更新していきます。
ただ、どの指標で比較するかによって「勝者」は変わるという視点は、最新モデルを選ぶときにも意外と役立つ考え方ではないでしょうか。
まとめ
27年前のソニー製ブラウン管モニター「CPD-E200」が、黒の締まりや表示遅延の少なさという指標では今の液晶モニターを上回ると評価され、Xで驚きの声が広がったとされています。
液晶が主流になったのは薄さや軽さ、消費電力といった別の指標で優れていたためです。
ブラウン管が「一方的に劣った旧技術」というわけではないことが、今回の比較から見えてきます。
さらに深掘りしたい方へ
ブラウン管モニターと液晶モニターの表示方式の違いについては、各メーカーの技術解説ページや家電量販店のディスプレイ選びガイドでも詳しく紹介されています。
中古のブラウン管モニターを探す際は、経年劣化による画面の焼き付きや色ムラがないか、実機で確認してから購入することをおすすめします。