『RYUJI 竜二』柳楽優弥主演で43年ぶり復活、ジャパンプレミアは満員御礼に
10月7日、TOHOシネマズ新宿。
かつて『竜二』が描いた歌舞伎町から目と鼻の先のスクリーンに、「満員御礼」の文字が並びました。
1983年に公開された伝説のヤクザ映画『竜二』を、43年の時を経てリメイクした『RYUJI 竜二』のジャパンプレミアです(ジャパンプレミア=作品の日本国内でのお披露目上映会)。
柳楽優弥を主演に迎えたこの新作が、なぜ43年越しに作られたのか。
公開を10月30日に控えたいま、分かっている事実を整理しておきます。
先に結論をまとめると:
– 1983年公開、金子正次が脚本と主演を務めた『竜二』を、水田伸生監督が43年ぶりにリメイク。
柳楽優弥主演で2026年10月30日に全国公開されます
– 10月7日にTOHOシネマズ新宿でジャパンプレミアが開かれ、柳楽のほか川栄李奈・萩原利久・JUNON(BE:FIRST)・三宅健・RYUKI(MAZZEL)・伊藤英明の各出演者と水田監督が登壇しました
– 水田監督は企画から7年以上の歳月をかけ、時代設定を変えた複数の脚本案を経て「原点」である1984〜1990年の歌舞伎町に立ち返ったと明かしています
何が起きたのか
『RYUJI 竜二』は、1984年から1990年の新宿・歌舞伎町を舞台に、妻と息子のために裏社会から足を洗おうとするヤクザ・花城竜二の姿を描く作品です。
義兄弟や舎弟たちとの絆が、堅気として生きようとする竜二を再び過去に引き戻していく——という物語の骨格は、オリジナル版から受け継がれています。
ジャパンプレミアには主演の柳楽優弥をはじめ、妻・まり子役の川栄李奈、直役の萩原利久、ひろし役のJUNON(BE:FIRST)、カズ役の三宅健、宮内役のRYUKI(MAZZEL)、新田役の伊藤英明、そして水田伸生監督が登壇しました。
イベントは16時30分の回の上映後と、19時40分の回の上映前の2部構成で行われ、会場は満員御礼となったと報じられています。
柳楽は壇上で「7年という月日が経ってようやく完成して皆さんに観ていただける」と感慨を口にし、川栄は「本作には今の時代にも通じる愛情や人情、義理があって、それが観てくださる方に伝わったら嬉しい」とコメントしました。
萩原は出演が決まった際に先輩俳優から連絡を受けたエピソードに触れ、「オリジナル版の『竜二』が長く愛されている事を実感しました」と振り返っています。
本作の音楽を手がけた作曲家の森優太さんも、プレミア翌日にX(旧Twitter)で現場での手応えをつづっています。
10/30公開、柳楽優弥さん主演映画「RYUJI 竜二」音楽担当させていただきました!🐉🕶️🚬
— 森優太 (音楽) (@YutaMori) 2026年10月8日
昨日はジャパンプレミアも大盛況。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。
構想7年、伝説の映画のリメイク、巨匠水田監督との初仕事、素晴らしい演奏家の皆様と、心して臨みました。… https://t.co/FP6XBF1KOJ pic.twitter.com/NMkKO53DNZ
森さんは「構想7年、伝説の映画のリメイク、巨匠水田監督との初仕事」と書いており、水田監督とは今回が初タッグだったことがうかがえます。
ただ、プレミアの熱気や制作陣のコメントだけでは、「なぜ今、43年前の作品をリメイクするのか」という一番の疑問は解けません。
そこで、オリジナル版『竜二』自体の背景まで遡って調べてみました。
調べて分かったこと
なぜ「43年ぶりのリメイク」と言えるのか?
1983年公開の『竜二』は、無名の俳優だった金子正次が自ら脚本を書き、主演も務めた作品です。
新宿にシマを持つヤクザ・花城竜二が、妻と娘のために堅気になろうとする姿を描いたこの映画は、公開当時から高く評価されました。
もっとも、金子正次は映画の公開期間中に33歳の若さで急逝しており、彼自身は作品の大ヒットを見届けられませんでした。
監督は川島透です。
今回の『RYUJI 竜二』は、この原作を水田伸生監督が手がけたリメイクで、脚本は冨岡淳広が担当しています。
配給はカルチュア・パブリッシャーズ、上映時間は91分、レイティングはPG-12(12歳未満は保護者の助言・指導が望ましい)です。
1983年版の公開から数えると、たしかに43年という時間が経っています。
何を変え、何を受け継いだのか?
舞台は引き続き新宿・歌舞伎町ですが、今回は1984年から1990年までの時間の幅を持たせて描かれています。
竜二役は柳楽優弥、妻まり子役は川栄李奈、竜二の舎弟にあたる直役を萩原利久、ひろし役をJUNON(BE:FIRST)が演じ、義兄弟のカズ役を三宅健、宮内役をRYUKI(MAZZEL)、新田役を伊藤英明が務めます。
アイドルグループのメンバーが複数、昭和末期のヤクザ映画の重要な役どころに配されている点は、オリジナル版にはなかった今回ならではの布陣と言えそうです。
企画はなぜ7年もかかったのか?
水田監督によると、柳楽優弥にオファーした段階ではすでに脚本があったものの、その後「現代に置き換えたバージョン」「地方都市バージョン」「韓国人脚本家が書いたバージョン」など複数の方向性を検討したといいます。
最終的には原作が持つ昭和末期という時代感そのものに立ち返る判断をしたことで、今回の形にたどり着いたと明かしています。
柳楽自身も、7年前にオファーを受けた当時の自分では「出来なかった」と振り返っており、企画と俳優の双方が時間をかけて今の形に育っていったことがうかがえます。
1983年版『竜二』は今どこで観られるのか?
リメイクをきっかけにオリジナル版を見返したくなった人もいるかもしれません。
調べた範囲では、1983年版『竜二』は主要な見放題配信サービスでの配信は見当たらず、レンタル経由で探すのが基本的な入り口になりそうです。
配信状況は変わりやすいため、視聴を考えている場合は各サービスの最新のラインナップを確認することをおすすめします。
Shiritomo MOVIE編集部の考察
今回の布陣で目を引くのは、BE:FIRSTのJUNON、MAZZELのRYUKIという、音楽グループ出身の若手がヤクザ映画の重要な役どころに起用されている点です。
アイドル・グループ出身者をシリアスな実写ドラマに配役する手法自体は近年珍しくありませんが、今回はコメディやラブストーリーではなく、昭和の暴力団社会を舞台にした重厚な人間ドラマという、ミスマッチ度の高い題材での起用になります。
グループのファン層を新規の映画館来場者として呼び込みつつ、オリジナル版を知る層の評価も保たねばならない——この両立は、キャスティングの座組だけを見ても難易度の高い挑戦に見えます。
水田監督が7年かけて複数の脚本案を捨て、昭和末期という「原点」に立ち返った判断も、現代的なキャスティングと時代設定のギャップを、脚本の求心力で埋めようとした結果なのかもしれません。
公開後の評価が、こうしたリメイクの座組の是非を占う材料になりそうです。
まとめ
『RYUJI 竜二』は、1983年の伝説的ヤクザ映画『竜二』を水田伸生監督が43年ぶりにリメイクした作品で、柳楽優弥主演により2026年10月30日に公開されます。
10月7日のジャパンプレミアは満員御礼となり、7年がかりの企画を経てきた制作陣の手応えが、登壇者それぞれの言葉からもうかがえました。